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孤独感と貢献(アドラー心理学2)

はじめに


アドラー心理学って聞いたことありますか?色んな自己啓発本やらなんやでも紹介されているので名前だけは知っているって人は結構多いと思います。
有名なのは「嫌われる勇気」でしょうか。真面目な日本人に多い、人間関係に悩むそこの貴方、一度読んでみるのもありかもしれません。

今回参考にしているのは、小池直己氏による『英語で楽しむアドラー心理学 その著作が語り語りかける、勇気と信念の言葉』で、その内容にいくつか補足や私見なんかを添えて紹介していきたいと思います。

どちらも、専門書ではなく自己啓発本や多読本に近いので読みやすいと思います。

ざっくりアドラー心理学


まず、アドラー心理学とは、文字通り心理学者のアルフレッド・アドラーの考えをもとにした心理学で、その特徴は「目的論」を基礎としているところだそうです。他にも4つ基礎的な考えがあって、それらを合わせて5つの前提があるのですが、アドラー心理学の講義をしたい訳じゃないので、必要なときに必要なだけ説明することにします。

「人間の悩みの基は、ぜんぶ人間関係だ!」的な考えがあって、その解決や対応について多くのおすすめの考え方が存在するのが魅力ですね。

本文

孤独感と貢献


私達が生きる資本主義社会において、一人ひとりは何かしらの利益を求めて行動しています。それは誰しもがそうで、それ自体はなにも問題はありません。

しかし、個人が自身の利益のみを追求し、他者の権利や利益を侵害し続けると、始めは利益を得るための行為だったのが、対立や反感を生み、逆に損をするという事もあり得ます。

このような状況において、人は信頼を失い、孤独感や不安を覚えます。
とのことです。

その孤独感から抜け出し、前へ進むための方法として、「貢献」について考えます。

ここでの貢献とは、自身の所属する集団(会社や学校、部活、友人など)への貢献のことで、これをアドラー心理学では「他者貢献」と呼びます。

集団が何かの目標に対して進んでいる際、共に努力し、貢献してくれる存在に仲間意識は芽生えます。そして、「役に立てている」という感覚と、仲間意識により孤独感が解消されます。

「ありがとう」なんかの感謝の言葉が、更なる努力や貢献の励みになることもあるでしょう。このようにして仲間意識は強化されていきます。

これがアドラー心理学の中でもアドラーのお気に入り、「共同体感覚」です。

人間が一人で生きていけない以上、何かしらの集団に帰属することは必然と言えます。そんな集団の中で、悩みを減らし、幸福感得るために重視されるのが共同体への貢献です。

「人の役に立っている」、「必要とされている」という感覚が、人生の意味、目的に成り得るという主張です。前回でも述べた通り、アドラー心理学の前提として目的論があるので、その目的を決めるこの主張は、アドラー心理学の中でもかなり中核に位置するものであることが予想できます。

若干の宗教感と、意識高い系の香りがしますね。

さらに、「他者への貢献」を進めるという点では、幾つかの自己啓発本で見られるような「giver」に通ずるものを感じます。

giverについて

この本はamazonで1992件もの評価があって、星4.4(2023/1/13時点)とのことなので、自己啓発本としてはトップクラスに成功した一冊と言えそうです。

「giver」とは日本語で「与える」と訳されることの多い「give」に人を意味する接尾語がついたものでしょう。

要は「与える人」ということです。

この考えでは、人間を3つのタイプに分類します。

  1. giver(受け取る以上に与えようとする人)

  2. taker(与える以上に受け取ろうとする人)

  3. matcher(受け取るものと与えるものとのバランスを取ろうとする人)

自己啓発本で、この分類が取り上げられる際には、まず間違いなく「giver」が一番良いという文脈で用いられているように感じます。

それは前述の通り幸福度が高いことや、多くの成功者がこの「giver」に当たることを根拠しています。

逆に、一番幸福度が低い人達がいるのもこの「giver」らしく、ただいたずらに与え続けていればいいというものでもないのかもしれません。詳細は下記のリンクまで。

参考
幸せに成功するキバー(giver)とは? (more-be.com)

まとめ


・所属する集団に貢献することで、孤独感は解決できる
・所属する集団に貢献することで、共同体感覚が強化される
・共同体感覚を意識した行動を取ることが、人生の意味に成り得る
・giverは使い方次第

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