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クラウドボックスが出会ったひとvol.2 〜中西功さん(ブックカルチャークラブ)

[対談]
中西 功(ブックカルチャークラブ) ×
徳永健(クラウドボックス代表・ご当地かるたプロデューサー)


 建築家である弟・中西健さんと一緒に作った無人古本屋「BOOK ROAD」やシェア型書店の「ブックマンション」。さらにはシェア型ZINE専門店「ZINE FARM TOKYO」に、本について話す場所「BOOK TERMINAL」、いろんなお店のあり方を小さく実験する場「Book Room」などなど。吉祥寺を中心に「本屋さん」と「ZINE」の可能性を広げる拠点を持ち、活動する中西 功(なかにし こう)さん。
 その取組みのノウハウや、クリエイターの方たちとのつながりは今や吉祥寺だけでなく全国に広がっています。
 そんな中西 さんとクラウドボックスとの出会いは2019年6月。「ブックマンション」のオープンに向け、まさにクラウドファンディングが行われている時でした。
 吉祥寺で知る人ぞ知る存在となった中西さんと、クラウドボックス代表・徳永が、出会いから現在までを語ります。

2022年7月19日 吉祥寺 BOOK TERMINALにて/ 文・竹野 恭子

ーーークラウドボックスと中西さんの出会いってどんな感じだったのでしょう?

徳永 今の「ブックマンション」は、以前「シャポー・ルージュ」という、吉祥寺ではもう伝説的な老舗の洋食屋さんのあった場所で、馴染みもあったのだけど、そこが「ブックマンション」っていうのになって、クラウドファンディングをしていることをFacebookで知ったんですよね。で、ちょうど共通の知り合いでもある楽天大学の仲山学長(仲山進也さん)が吉祥寺に中西さんに会いに来るって言ってたから紹介してください〜って。そしたらがくちょ(仲山さんのこと)も紹介しようと思ってたよ〜って言ってくれて。

中西 そうでしたね。仲山さんが紹介してくれて、徳永さんに会って。そのときクラウドボックスの存在を初めて知りました。

徳永 まだ「ブックマンション」に棚も何もない頃だったよね。クラウドファンディングをまさにしている最中で。そのあとクラウドボックスにも来てくれて、リビングで色んなこと話しましたよね。で、「ブックマンション」のクラウドファンディングのラストスパートをクラウドボックスが支援することになって、そのリターンが『吉祥寺かるた』の実現につながっていくわけだけど、クラウドボックスに声をかけてくれたのは何か理由があったんですか?

中西 出会ったタイミングが本当によかったんです。「ブックマンション」を起点として、吉祥寺でやっていくのも決めていたし、つながるなら吉祥寺の会社がいいと思っていた。出会って話をして、めちゃくちゃ面白そうな会社だと思ったし、メンバーの人もめちゃくちゃいい人たちだし、大手クライアントさんも手がけられてるし、検索すると一番上に出てくるし…ただ地元吉祥寺に開かれてなかった。

徳永 まさにそこが悩みの種で、もがいていた時期でもありました。
クラウドボックスはどちらかというと、自社サービスや自社製品作ろうって、最初の企画段階は盛り上がるんだけど、途中で息切れして終わっちゃうってことを繰り返してた。中西さんが「ブックマンション」の前に立ち上げた無人本屋「BOOK ROAD」の仕組みとかすごいなーって思ったし、「ブックマンション」にしても、「未完成のまま走り出しちゃってOK」っていうつもりで作ってるって聞いて、その考え方、自分にもインストールしたいって、最初会ったときにすっごく思ったんです。

中西 で、「ブックマンション」のクラウドファンディング、最後の追い込みを手伝ってもらえないかって声をかけて、そのリターンとして共同プロジェクトを立ち上げることになったんですよね。
デザイン会社に対して、僕はデザインの能力をあげるとかはできないけど、地元吉祥寺に出ていくという部分であれば「もう、背中を押すだけでしょ」って思える会社だったし、入り口さえうまく作っちゃえば、「このひとたち、絶対できるし」みたいな確信がすごいあった。絶対悪い話にはならないと思ってましたね。

徳永  出会ってから3年経って、実際かなり「中西イズム」が浸透して、「とりあえず30点でいいから走り出しちゃえ」みたいなのが、もう僕の中にはあります。

さまざまな店主の集まる「ブックマンション」の本棚

ーーーその「NAKANISHIZM」な話をぜひ。

徳永  中西さんは、前職が楽天だったから、楽天大学の仲山学長も中西さんのことよく知っているわけだけど、その仲山学長が、
「中西は努力をしないためにする努力が天才的」
って言っていたのが印象的だった。

中西 そうなんですよ。僕、ほんと努力ができないんです。努力をしようとすると続かない。「努力しなくても続いていくようにしないと」という考えがベースにはあるんです。自分のお店を運営するとなると、自分の時間がめちゃくちゃ削がれるというイメージがあるけど、それだと続けられないなあって悩んで。だから「BOOK ROAD」も「続けられるスタイル(継続性)」をまず考えようと思いました。無人だったらずっと店に立たなくて大丈夫だし、週2回くらい本を補充しに行くだけだったら自分にもできるって思いついたんです。

徳永  店員がいなくて、会計はガチャガチャに500円を入れると買い物袋が出てくるっていうシステム、ホントすげえなぁって思った。まだ楽天の社員をやりながら運営してたんですよね。

中西 そうですね。会社帰りに本を補充しに行ったりしてました。
楽天の出店店舗さんを見ていると、めちゃくちゃ頑張って、めちゃくちゃ売り上げるんですけど、息切れしてストンと終わっちゃうお店があるかと思えば、淡々と売り上げているお店もあるんですね。
僕はどちらかというと淡々と、作業量を少なくしてそこそこ売上のある状態を目指したいと思っていたので、自分の店をやるとしたら「新規性」のある業態でと考えてました。新しいことをやれば価格の決定権も持てるし、お客さんも他にはないからここで買う。「継続性」との2軸で考えたときに、無人だったらやりやすいなあってのはありましたね。

徳永 「ブックマンション」で言うと、
 ・一区画3,850円で貸し出します
 ・1〜2ヵ月に1回はお店番をやってください
 ・本1冊につき100円をバックしてください
 ・手書きでいいからスリップを入れてください
とかの仕組みは継続性のために作られてると思うんだけど、どうやって中西さんの頭の中で形成されていくのか興味があります。

中西 「何度も色んな立場の人になって考えてみる」ことですかね。
無人本屋のときも、野菜の無人販売所へたくさん行って、色々と買ってみたんです。お金払って大根を買ったとき、そこには賽銭箱みたいなものが置いてあるんですけど、他のお客さんが来たりすると自分がお金を払ったことの証明がないから、気まずさが生まれるんです。「あ、オレ、疑われている?」みたいな。気まずさ。
無人販売をやるなら、この「気まずさ」はなくさないと駄目だって思って。だからこそガチャガチャにお金を入れてもらって、他のお店にはない黄色と青のビニール袋が出てくるようにして、本を買ったことの証明になるようにしました。そうした核の部分は実際に体験しないとわからないですね。
「ブックマンション」に関しても、仕組みを何パターンも考えてみて、これだったらやってくれるのかな?あれだったらやってくれるのかな?と、自分を多重人格化して、あーだーこーだ考えてやってみました。

徳永  中西さんの面白いところは「30点でも始めてみよう」っていうところに、最初からある程度エラーが刷り込まれているとこかと。「駄目だったときには撤退すればいい」というカードを常に持っている。
いったんクラウドファンディングの募集をはじめて、実際撤退しちゃったものもありましたよね?

中西 ありましたね。やってみたけど違いました。ごめんなさい。っていうのもあります。自分の中で明確になっていない部分があるから、クラウドファンディングの支援者も集まらないし、反応もよくなかったですね。
反応がよくなくても、コツコツ達成していくものもあるけれど、「これは多分違うんだろうなあ…」と思って、辞めました。
実は、今までにもそういうことはあって、借りた物件を、一度も店を開かずに解約したこともあります(笑)。

徳永 それは最初の時点で、「最悪かぶってもこのリスクだな」とか、「最悪、こういう風にして回収すればいいや」みたいなことはイメージしているんですか?

中西 あまり考えてないんですけど、失敗して「これは違うんだ」と、わかることが重要だと思っています。失敗しても多大な損失を出すものではないことがほとんどなので。
協力してくださった方には「ごめんなさい」ってなるけれど…。

徳永 中西さん、「ZINEフェス」の時も開催直前に「まだ何にも準備してないんですよー」みたいなこといつも言っていて、参加者に「なんとかしてください」みたいに言うと、みんなが「なんとかしなきゃ」って思って動き出すっていう…。
あれだって、動き出さない可能性あるわけじゃないですか。

中西 普通そう思うじゃないですか。でも人って最適解を勝手に作る生き物なんですよ。もし運営者が何も用意していなかったら、出店者側が用意する。というのが自分の中には前提としてあって、最終的にはなんとかなると思っています。なんとかしてくれた人たちには怒られるかもしれないけど…(笑)。自分で全部できたらいいんですが、いくら考えて準備をしたとしてもポンコツなので抜け漏れがたくさんあるんです。なので、実は最低限の準備はしつつも最後は関わっていただける方にお願いすることは多いです。

徳永 それは経験値的に得てきたものなんですかね?

中西  そうですね。飲み会の原理というか。幹事が何もしてくれなくても、その役回りを補う人が自然と出てきてなんとかなるっていう、アレです。
「ブックマンション」のときも最初はスリップとか用意していなくて、でも一番最初に「ブックマンション」に来てくれる人は、一番熱量も高いと思ったので、一緒に考えてくれると思ってました。
やっぱり自分の脳内だけじゃなくて、他の人の脳内も使いながら、色いろな人に関わってもらいながら形成されていくものがいいと思っています。

ーーー下手するとクレームにもなりかねないのでは?と思ってしまいますが…。

徳永 最初から期待させないというか、「この幹事は何もやってくれなさそうだな」という席に座るのが上手いんだと思う。最初に来てくれる人の熱量が高いというのもそうなんだろうけど、最初に「この人とこの人が来てくれれば回っていくだろうう」という人をおさえるポイントが上手いというか…。多分この人が棚を借りてくれれば、あと20人くらいはついてくるだろうとか、ZINEフェスでも、このZINEの発行人を誘えば5人増えて、最終的には50くらいの出店になるだろううみたいな。関係性の育て方がすごいと思うんですうよね。

中西 それで言うと僕は日頃から、めちゃくちゃ無駄なことをやっていると思います。今年吉祥寺パルコで1日限定の「コーヒー豆市」を開催したんですけど、京都にある「大山崎 COFFEE ROASTERS」と、山梨(甲府)の「寺崎コーヒー」というお店をもともと知っていたことがきっかけになりました。3〜4年前に会社を休んで、遊びに行って紹介してもらったんですけど、それからなんとなくSNSなどでつながりを持っていて、連絡をとっていました。パルコさんからポップアップのイベント開催の企画を持ちかけられた時に、この2つのコーヒー店を思いつきまして。そしたらこのお店、ここ数年で両方ともめちゃくちゃ有名になっていて…。声をかけたら、他のコーヒー店も紹介してもらい、一気に20の焙煎所とつながることができて実現したイベントです。取り組んでいる時には直接有益だと思えない、他の方からみたら無駄だと思うようなことでも、自分が面白いと思ったことに取り組み続け、それを然るべきタイミングで回収しているような感じなのかもしれません。

徳永 結果無駄なものは何ひとつないという…。ハブになる人を捕まえる基準みたいのは、中西さんの中にあるんですか?

中西 何も考えないで会っています。結果いつのまにかその方たちが有名になっているという感じですね。そもそも有名になりそうだからという視点ではあっていません。世の中には面白い方がたくさんいて、その面白いと思う方にただただ会いに行っています。最初から有名な人だと相手にしてもらえないというのもありますし。僕は活動量がめちゃくちゃあるので、というか活動量しかないので、SNSも含めて全く面識のない方やお客さんと会い続けていて、そのうちの何人かは自然に面白いことになっているんです。関係性を持ち続けていれば、何か面白いことにつながっていきますよね。

徳永 ずっと関係性をもっておくことのフィルターってあるんですか?会い続けた人とつながり続けるって大変じゃないですか?

中西 無人本屋を始めた瞬間に一会社員というより、「こういうことをやっている人」という立ち位置で人に会うようになったんですよ。例えば徳永さんだったらデザイン会社をやっている人じゃなくて、「ご当地かるたプロデューサー」として会いにいきます。SNSを通じて情報を得ることができるので、「こんな人がいる」「この人と会ってみたい」となるし、相手も自分のことをSNSで知ってくれている状態で会えるから印象に残りますよね。興味を持ったら直接会いに行きます。連絡したら迷惑とか案ずるより、とにかく動きます。動かないと会えないから。

徳永 最近僕は「行き当たりバッチリ」とよく言っていて、「行き当たりばったり」という言葉は無計画みたいな悪い意味で使われることが多いんだけど、それをバッチリにするために動き続けて出会いつづけて、いつしかそれがつながって道ができるなら、それは今の時代にむしろ大切なことなんじゃないかと。中西さんは、その力が抜群に高いですよね。あと、行き当たるために敷いている道の本数が半端なく多いんだと思います。

ーーー『吉祥寺かるた』の話も少ししましょうか。

徳永 「ブックマンション」クラウドファンディングのリターンとして、クラウドボックスの「共同プロジェクトの立ち上げ」をお願いすることになったとき、社内で「上毛かるた」とかご当地かるたの話になって、「かるた面白いね」ってなって。

中西 吉祥寺にあるデザイン事務所が「かるたづくり」を通じて、街に溶け出すようなクリエイティブをしたら、作る過程で一気に地域との関係性が増えていくんじゃないかと思ったんです。

徳永 『吉祥寺かるた』を作る前段階で、ブックマンションで「ご当地かるたを愛でる会」をやったじゃないですか。あの時のメンバーや、情報紙「吉祥寺ECCO」、「吉祥寺ファンページ」も巻き込んで「吉祥寺かるた製作委員会」ができ、かるたの札を選定するだけじゃなくて、作っている段階からどんどん情報発信が始まっていきましたよね。

中西 大前提の考えとして「作る×届ける」っていうのが重要で。作るだけじゃだめなんです。
富士山の頂上で何か面白いものを作ったとしても、売れないですよね。どこかに持っていって伝えないと広がっていかない。だから「作って届ける」がセットです。届けるのも「こういうの出来たから届けてよ」じゃなくて、作る段階から「届けてくれる人」にいてもらったほうが熱量が違ってくるし、プロジェクトに参加して楽しんでもらえていたら、解像度高く発信してくれると思うんです。

徳永 確かに。『吉祥寺ECCO』さんの方から載せましょうか?って言ってくれましたし、『吉ファン』さんも一気に近い存在になってくれた。

中西 はじめにやっぱりピッキングポイントというか、どこかしらの媒体に載るというのが重要なんです。いくらいい作品だとしても、取材をしていいものなのか、取材をしたあとにどういった記事になっていくのかが、普通じゃわからないんですけど、作成段階のどこかに「届ける人」がいてくれれば、「こういう記事になるかな」って、わかった上で書けるので、なるべく届け手の方も参加してもらい、楽しんでもらった方がいいと思っています。いつの間にか巻き込まれている感じでいてくれた方が、その後取材する側と取材される側の二項対立という味気ない関係ではなくなるので。
このプロジェクトを始めた時点で、メディアのことは自分がやるって思って色々考えてました。

『吉祥寺ECCO』に掲載された『吉祥寺かるた』の特集記事


ーーー最後に、これからのことなど。目指すゴールって思い描いているんですか?

中西 ないんですよ。物件もそうですけど、要素が変わると色々変わる。新しい技術に出会った瞬間にも変わるし。そもそもリアルなお店をいつまでやるかもわかりません。3年後とかも全然考えてないです。

徳永 仲山学長の受け売りなんだけど、人生には「目標型」と「展開型」があって、前者は最初に目標を設定して、そこにいくためにはどんなスキルが必要かを把握して目標を達成してくスタイル。それはそれで素晴らしいんだけど、後者はその場所に行ってみたら、ちょっと思ってたのと違ったので、方向を変えてみる。そしたら違う道や階段があって、その都度判断したり、のっかったりして進んでいたら、景色のいい場所に着いたみたいな感じ。それもありだよね。

中西 「これからのこと」で言うなら、回収の時期に入っていくかなと思っています。さっき、色々な人に出会っておいたのがイベントで回収されたっていう話をしたけど、「ブックマンション」や「ZINE FARM」など、3年かけて作ってきたものを一気に回収するフェーズかなと。ばらばらになっていたものを、ようやく組み立てていくタイミングになりました。

徳永 それは「ブックマンション」や「イベント」の運営の仕組みが広がっていくということ?「努力しない仕組みの普及」。

中西 他にも考えていることはあります。僕は、儲けるポイントって目に見えないところが多いと思っていて、例えばパルコでやった「ZINEフェス」。ZINEにももちろん興味はあるけど、イベントってもっと簡単にできるんじゃないかっていう思いがずっとあって。他のイベントだと準備にものすごい時間をかけていて、それで当日雨で中心になっちゃった…っていうのはよくある話で、それってどうなんだろうって思ってしまいます。
僕は全然準備をしていなくて、頑張るのは当日朝4時くらいに起きるとかそのくらい。朝起きて「晴れてるから行こう」みたいな気軽な感じでできる仕組みを作っています。
僕はお客さん(出店者)自体がコンテンツだと思っているから、お客さんに楽しんでもらって、お客さんにも準備から参加してもらったほうがいいんじゃないですか?って伝えています。

徳永 「ZINEフェス」を最初にやったときも、それだけ準備しないで怖くないですか?って中西さんに聞いたことがありました。準備に二週間。告知は一週間。それで1,000人呼べる仕組みを作っておかないとやる意味がない。仕組みを作ることが大事で、準備しすぎちゃだめなんだって言ってましたよね。
クラウドボックスも「ZINEフェス」に参加してみて、「こういう風にやって上手くいくんだ」「この人をおさえてるから上手くいくんだ」っていう驚きはありましたね。

吉祥寺PARCO屋上で開催された「ZINEフェス」

中西 無人本屋の仕組みもブックマンションの仕組みも、「やってみたい」って思った人が、「こういう仕組みになっているんだ」ってわかればお店を持つことができるし、「大変だなあ…」って思っていたイベント開催も、仕組みを知ればもっと簡単にできるんだってわかる。
ZINE作るような人たちって仕組みを構築することはできないけど、写真は撮れるし、クリエイティブな表現もうまい、本の造詣も深いという人たちが多い。自分の作品ややりたかったことを発信する場を実現するのに、ハードルの高さを感じてあきらめてしまうのはもったいないですよね。
僕はそうした仕組みづくりの方が好きなので、講演会や、勉強会でそのノウハウを広げる活動もしています。ブックマンションはあくまでシェア型書店を広げるための基地として取り組んでいるので、ブックマンション単体では儲からないけれど、作っていく過程や運営していく仕組みを「売る」こともしているというわけです。この場所(BOOK TERMINAL)でもこれから、新たな仕組みづくりをしていく予定で、目に見えない価値を作って行きたいです。

徳永 確かに中西さんが吉祥寺で借りる物件って「これからこの店どうするつもりなんだろう?」とか、近くで見ていても、見えない部分がいっぱいありそうなので、それがどういう風につながって回収されていくのか、楽しみにしたいと思います。

ーーーありがとうございました。





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