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療育の問題点について聞いたのでメモ

療育の問題点と改善策

1. 療育の需給の問題

自治体ごとの利用回数の差異

  • 療育サービスの利用回数は自治体によって異なる。

  • 一部の自治体では利用回数の制限が厳しく、他の自治体では自由度が高い。

  • 利用回数が多い自治体では、事業所のキャパシティが圧迫され、待機児童の発生やサービスの質の低下につながる。

参考リンク:

2. 療育の質の問題

「預かり」重視の傾向

  • 療育の本来の目的である発達支援よりも、単に子どもを預かることが主目的になっている事業所が増加。

  • 例として「映画鑑賞」など、発達支援としての有効性が不明確な活動が提供されているケースがある。

  • 本来の療育目的を満たしているかどうかの評価が難しい。

評価システムの課題

  • 療育サービスの質を測るための仕組みはあるが、実際の効果が適切に測定されていない。

    • 保護者アンケート(法律事項)

    • 職員の自己評価(法律事項)

  • 現在の評価基準では、実際に子どもの発達に役立ったかどうかを客観的に判断することが困難。

参考リンク:

3. 定員制限の問題

事業所のキャパシティ

  • 一つの事業所が預かれる子どもの定員はおおよそ10人程度。

  • 需要に対して供給が追いつかず、待機児童の増加につながる。

  • 事業所ごとの職員数にも限りがあり、専門的な療育を提供するためのリソースが不足する可能性がある。

  • 放課後デイサービスは児童が帰宅した後のみ事業が行えるため、フルタイムでの人員雇用が難しく、パート採用になりがち。専門性も低くなる可能性がある。

職員配置と加配の課題

  • 人員配置基準(厚生労働省指針)

    • 管理責任者:1人

    • 児童指導員:10名に対して2人

    • 加配・専門員を配置すると単価が上がる。

    • 単価が上がると利用者の負担も増えるが、負担に上限があるため、影響はかなり小さい。

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4. 費用の問題

利用者負担の上限

  • 世帯年収に応じた利用料の上限が設定されているが、負担が大きくなる家庭もある。

    • 生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯:0円

    • 市町村民税課税世帯(所得割課税額28万円未満):月額上限 4,600円

    • 市町村民税課税世帯(所得割課税額28万円以上):月額上限 37,200円

  • 専門性の高い支援を受けるためには追加費用が必要になるケースもあり、経済的負担の格差が生じる。

参考リンク:

  • 児童発達支援の利用料金(利用者負担)について

  • 放課後等デイサービスの利用料金について

5. 改善策の提案

療育の質向上

  • 保護者の困りごとの解消

    • 具体的な相談対応(例:子どもの行動の悩み、発達支援の方法)を強化。

    • 保護者が療育の内容を適切に理解し、支援につなげられるよう情報提供を充実。

  • 第三者評価の導入

    • 療育の質を外部の専門家や機関が定期的に評価。

    • 事業所ごとの療育プログラムの効果測定を行い、透明性を確保。

  • 定員制限の見直し

    • 事業所の定員を増やすための施策を検討(施設拡充・支援員の増員)。
      ただし、現場の方の話を聞くと、指導員一人で見る児童の人数は3人が限界。重度の障害を抱える児童が居れば、より注視が必要。

    • 小規模事業所が連携して受け入れ枠を増やす仕組みの構築。

  • 費用負担の適正化

    • 世帯年収ごとの負担額を再評価し、経済的に厳しい家庭でも適切な支援が受けられるよう調整。

    • 追加支援(加配職員・専門療育)の負担軽減策を検討。

6. まとめ

  • 需給のバランスを取るために、自治体ごとの療育回数の基準を適正化する必要がある。

  • 療育の質の評価基準を改善し、「預かり」目的ではなく発達支援に重点を置いた仕組みにする。

  • 利用者負担の公平性を確保し、必要な家庭が適切に療育を受けられる環境整備が重要。

療育の本来の目的である「子どもの発達支援」を最大限に活かすため、制度の見直しと改善が必要である。

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