stand.fmはどうして流行っているのか?(あるいは表現の幅を広げる音声発信について)
こんばんは!くろえ、もといたかおです。
「最近stand.fmってやつ流行ってる?」
普段であれば流行りの媒体には目もくれずTwitterに励む毎日()なのですが、3月に入ったくらいから、「あれ?最近見なかった「何か」が流行ってる…ような…」という感覚を持つようになりました。
有名経営者さんも!
マーケ界隈の有名人も!
有名人事さんも!
弊社代表も!
弊社のアイドル岸さんも!
あれ?どうしてこんなに流行ってるんだろう?(しかも急に流行りだした…?ような気がする…?)しかもなぜ音声…?
ということで、表現方法に興味のある+はやりの背景が気になるマンなワイとしては知っておかなきゃ欲がふつふつと湧いてきたので、色々調べてみました。
※個人的には、これまでラジオなどの音声媒体は、
・耳元で囁かれるとそわそわする
・目が別のものを見ていると内容に集中できない
・音だけで間延びすると冗長で聞いていられない
などの理由から避けてきたのですが、今回の stand.fm は違った特徴があるのかもしれない、と思ったことも、調べてみようと思った理由のひとつです。
そもそも、stand.fmって何?
簡単な操作感が特徴的な音声プラットフォームアプリのようです。
・音声だけだから、いつでもどこにいても配信できる
・編集作業が必要無いからすぐに配信できる
・空いた時間にササッと収録できる
ライブ形式と録音形式の2種類の配信形式が選べるよう。
放送の種類は2パターン、自分のスタイルに合わせて放送できる
①LIVE放送
気軽に話したい人におすすめ。リアルタイムでハートやコメントがもらえて、聞く人と会話しながら配信ができます。
②収録放送
時間を気にせず自分のペースで。収録できるからじっくり話したい人や、話す事が決まっている人におすすめ。
(公式サイトより)
stand.fm のポジショニングとは?
類似の音声系アプリには、「Podcast」や「Voicy」、「Youtube(これは映像メインだけど)」があるかと思います。音声媒体について理解がなかったので調べてみたのですが、それぞれ以下のような特徴があるようです(個人調べなので、間違った情報があれば適宜指摘していただけると助かります…)。
・Youtube
ユーザからは馴染みの良いプラットフォームではあるものの、音声機器などの準備、編集スキルなどが必要。レコメンドのアルゴリズムも存在しているが、プレイヤー過多すぎるため、リーチしてもらえるかと言われると厳しい側面がありそう。
・Podcast
固定ファンからの根強い人気はあるが、一時期よりはリスナーは減っている印象。新規Podcastへのリスナーのハードルは不明(固定のチャンネルを聞きそうなイメージなので、新規のチャンネルがどこまで流入してもらえるのかは不明)。別アプリの「Anchor」で編集・配信できる。
・Voicy
許可制なので、有名人などの限られた人のみが発信できる。他のサービスと比較するとチャンネル数は多くない聞いてもらうハードルは低いものの、発信のハードルは高い。
・noteの「サウンド」機能
Twitterとの連携が強い。note村の住民がいる。MP3でアップする必要があり、別アプリなどでの収録が必要なのと、noteでラジオを聞く、という行動をどれくらいの人が取るのかは未知数。
・stand.fm
編集能力は(シンプルなUIであるため)不要。まだ参加者が少ないので、アプリ内回遊の可能性が見込めるのではないか。また、質問箱のような仕組みがあり、インタラクティブにコミュニケーションを取れる(Twitter 上で質問投げる→匿名のメッセージや質問に対して答える、という行き来が可能)。
なんで流行っているんだろう?
ここ1,2週間で急速に名前を聞くようになった stand.fmですが、ここまでの体験だったり、自分の周囲で観測された現象を踏まえて、理由仮説をいくつか書いてみようと思います。
①リモートワーク(以下、リモワ)増加に伴う音声ニーズの増大説
昨今のリモワブームに伴い、外出をしなくなり自宅で作業をする人が増えたことで、音を部屋で流す、イヤホンで音楽を聞きながら作業をする、などといった、これまでオフィスワークのなかでは出来なかったことが出来るようになっていることが理由の1つなのかな、と思いました。
②文字情報の横溢による音声情報ニーズの増大説
最近私は「一定以上の量がある文字を読めない」という病気に罹患しているのですが、「1日に接する文字情報が多すぎる」「それにより目が疲れる」あたりが原因なのではないか、と思っています。「文字情報疲れ(あるいは眼精疲労)からの音声情報へのニーズ」という可能性もあるのかな?とも思いました。
いずれにせよ、これまでの発信/受信の方法とは別のものが望まれている、というのが背景としてあるのではないか、と思いました。
stand.fm の良いところ5つ
stand.fm 世界を知るために、まずはチャンネルを聞くところからはじめました。カテゴリは以下のものがあるようです。私は主に(クオリティが担保されていると思える発信者が多いことから)ビジネス系を聞いているのですが、他にも恋愛系なども聞いてみようと思います。
・おすすめチャンネル
・カルチャー
・クリエイティブ
・ビジネス
・美容
・恋愛
・ダイエット・ボディメイク
・トーク
・おすすめの放送
・各種ハッシュタグ(#おすすめの映画、#テラハの感想、#寝る前に聴きたい、#今日何した?、#はじめまして)
・新着放送
ここから、実際に聞いてみて良かった点、について書きます。
①どんどん聞ける!
(他のアプリのことはわからないのですが、)音声を聞き続けやすいなという感覚を持ちました。アプリだと自動でどんどん再生してくれる+他のアプリを立ち上げていても再生でき、1人の人のチャンネルを過去に遡ってどんどん聞いていくことができます。(ちなみに私は、この機能のおかげでひしょりごとチャンネル(弊社代表)をほぼ全て聞くことが出来ましたw)
また、フォローした人の新着コンテンツはこのように随時見ることが出来ます(個人的には「いつ更新されたのか」もこの画面で書いてほしい…w)。
②飽きない!
内容自体については、3~5分の短い番組が多く、また、タイトルで明確にコンテンツが示されている(+Twitterから流入する場合には簡単に補足がある場合もある)ため、飽きずに聞くことが出来ました(これは発信者に委ねられている部分ではあるが、リテラシの高い人が発信者として多いことの証左なのかもしれないです…)。
③知らなかった「その人のこと」が分かる!
かねてからTwitterでフォローしていたとしても、「3次元で会ったことはない」「実物は見たことない」みたいなステイタスの人が案外多いのがSNSの特徴ではないでしょうか。実際に会ったことのない人の生声が聞けることで、Twitterの文字情報だけでは絶対にわかりえなかった呼吸感、声色から分かるテンション、生で出てくる語調などを知れるのは、とても良いなと感じました。
④各種アプリとの親和性が高い!
インスタで配信したことを告知できることから、インスタとの親和性は高いと言えると思います。また、(少なくともビジネス界隈については)Twitterを利用しているユーザが多く登録している(ように見える)ため、Twitterからの流入、Twitterへの拡散、という導線があるのも良い(個人的にはTwitterとのアカウント連携を強化してほしい、拡散時のURLにアカウント名を入れてほしい、などの細かい話はありますが)。
⑤音声を編集しやすい!
これがこのアプリの最もスゴイポイントです。直感的に編集できるUIで、最低限かつ必要十分な機能があると感じました。
<右サイドバー>
・挿入(何か付け加えたいときに)
・切取(何か消したいときに)
・質問募集
・テーマ
<中央>
・BGMの追加
<下部>
・レター
・先頭へ(頭から再生するときなどに使う)
・マイク(録音)
・再生
・下書き
配信してみた!
ここまで調べてみると、流石に発信側のことも気になって、試しに1本、夜のテンションで配信してみました(試しに、というテンションで配信できるくらいに配信のハードルが低くて素晴らしかった…!)。
配信のステップは、主に以下の5つ。
①何を話すか考える
だいたい話す内容をメモに残して、カンペ代わりにしました笑。(ただ、音読になると棒読みで即バレするだろうなと思ったので、トピックベースくらいにしました)
②試し録り
どれくらいの音質なのか、どんな声に聞こえるのか、などを試すために、1回練習で録ってみました。「自分の声はこういう感じなのか…」という絶望感に苛まれたり、言い回しに違和感を覚えた箇所はさっきのカンペにメモ。
③本録り
先ほど気になった言い回しを修正するなどして録り直ししました。色々気になる部分はあるけど、これでいいや!という気持ちになる。
④編集
間が気になるところや不都合な箇所を消したり、付け加えたりしました(ただ、そこまでスキルがないため、ほぼ録りっぱなしでしたが)。
⑤始まりと終わりの曲を選ぶ
自分の場合、深夜のテンションでの配信だったので、まったりした音楽を選定しました。候補が多すぎなくてさくっと選べるのは良かった(ここにこだわりたい人もいるだろうけど、ここで悩みすぎないで良いのはいいなって思った)
配信してみた反省とか難しさとか
やってみて、以下のような発信者として/聞き手としての「反省/難しさ」を感じました。
・難しい内容は(聞き手として)入ってこない気がする
音で聞いているから、文字を追う以上に、「理解できないこと」を脳みそがスルーしてしまうような感覚を持ちました。平易な言葉で語る、難しいことを扱わない、などの工夫が必要なのではないか、と思いました。
・何を言うかをどこまで作り込むのか
難しい1日に何本も上げているような方もいらっしゃるのだけど、どのくらい準備にかけてるんだろう?と純粋に疑問に感じました。
・ツイートを連投するくらいなら音声のほうが良いかも
だいたい文字に起こすと、3分のスピーチは1000文字程度になるそうです。Twitter的に言うと7連投くらい。内容が少しボリューミーになってしまうのであれば、stand.fmはありかもしれないです。
・ひとりぐらしでの配信は、若干の空虚。。。
前にTwitterで「家で声を発しないことの危機感」に言及したのですが(結局Wifiが開通していないのでスマートスピーカーは導入しなかった)、とはいえ配信をするのも結構ハードルが高いです。虚空に向かって話しかけるときの空虚感。電話ならまだ相手がいるけど、私はここにひとり。精神的に謎のハイ状態でないと、配信は難しいかもしれない、と思いました(逆に回りに誰か居たらそれはそれで恥ずかしいのかもしれませんが…でもやっぱり寂しいものは寂しい!)
・テンションが難しい!
声はテンションを示すものだと思っています。元気系?しっとり系?癒やし系?根暗系?など、テイストが分かれてくるように思うなかで、自分の声とコンテンツの整合性などについて(悩んでも一定しょうがないものの)悩みました。
・コンテンツ選定が難しい!
Twitterは雑多に配信している私ですが、それこそおそらく(有名人でもない限りは)1テーマに集中して話したほうが良さそうだと感じています。特段強いコンテンツがないのが特徴である私からすると、遅かれ早かれ配信内容に困るだろうな、と思いました。(UXなのか人事なのか拗らせなのか社会学なのかマッチングアプリなのか…という個人的な選定の話もあるし、リスナーから求められる内容はどんなものなんだろう、というのも気になる…)
・発信の継続難易度は結構高いかも
上記の問題にそれに対して設けられている救済措置?が「質問」なのですが、実際にはこれも(マシュマロや質問箱をイメージしてもらえればよいのかもしれませんが)そこまで頻繁に来るものではないのではないか、と想像しています。とすると、上記で挙げた「コンテンツ選定」が定まらなかった場合に、継続して発信するのが難しくなるようにも感じます。そもそも誰かに聞かれるのかも分からないなかで、続けられるのか、という話もあります(いいねがつくかどうかではなく、発信していること自体を楽しめるようになることが、その困難を乗り越える鍵になるようにも思います)。
リスナーとして:「リアル」をもっと感じたい!だから聞く!(寝る前に)
これまで、ラジオなども含めて今回ほぼ始めて音声媒体と向き合ったので、今後の関わり方を考えました。まずはリスナーとして。
先にも少し書いたのですが、私は耳からの情報があまり得意ではなくて、不安になったりどきどきしたり笑ったりとおこころが忙しくなる割に(息遣いとかどんな状況で録音してるんだろうとかいう諸々の雑念が入ることで)あまり集中できない→聞くことに体力が必要ため、あまり聞かないようにしていました。
でも、今回色々聞いてみて思ったのは、「音声情報からは、その人に関する色々なことが垣間見える」というメリットがかなり大きい、ということでした。イメージしていたものとのギャップとか、意外なおちゃめさとか、その人の新たな側面に気づける媒体だな、と感じています。なので、(聞き入りすぎない程度で)寝る前などの時間に聞こうと思います。
なぜ「寝る前」なのか。それは、夜の時間は「眼精疲労」と戦っているから。目にムチを打ちながらTwitterをするのが定石だった私(若干の背徳感と、やめられない中毒性…)ですが、寝る前の時間をstand.fmにしてみる、というのを、情報摂取の手段として持つのは、現状の自分の課題解決になるのではないか、と思っています(習慣を変えるのは大変かもしれない+ラジオ聞いたら結局拡散したくなっちゃう気もするけど…)。そのためにも、「寝る前に聴きたくなるチャンネル」を補給するのは必要かもしれない、とも思っています。
発信者として:細く長く発信することで、自分のなかで表現手段の1つとしてのポジションを確立させる
上記でも書きましたが、文字表現以外の表現方法として、音声媒体を持つことは、多少なりとも意味があるのではないか、と考えています。とするのであれば、一過性のブームで終わらせるのではなく、「継続的に発信媒体として選択できる状況を作る」ことが必要なのではないか、と思っています。そして、そのためには一定の経験値を積む必要があると思っています。別に手段に固執する理由はないのですが、「発信媒体を使い分けられるようになることは、自分の人生を豊かにする」とも思っているので、しばらくは実験してみようと思います。例えば、Twitter上で反響があったトピックや、140文字に収めてはみたものの深く話したくなったトピックなどがあれば stand.fm に、という使い方もいいかな、と思っています。
いずれにせよ「自分がいかに情報を発信/受信するか」というのは、(こと現代人にとっては)永遠の問いであり、そのスタメン候補として、音声媒体(ここでは stand.fm)を認識している、という感じです。
興味あれば質問等お願いします!
というわけで今回作ったアカウントはこちら。写真は前日くらいに友人宅で撮ったマシュマロの写真。某漫画のクマ吉くんインスパイヤー。
ちなみに以下では放送のお題や質問を募集しています。
話せること→人事、マーケ、キャリア開発、パン屋さん、マッチングアプリ伝説、など、何でもどーぞ。
おまけその1:久しぶりに音声媒体を聞いて思い出したアレ
stand.fm を聞きまくって起きた心の波立ち方が、どことなく昔感じた感覚に似ていたのだけど、何だったっけ…?と思ったら、これでした、っていうおまけ。(女子中高生あるあるだよね?ない?)
おまけその2:中の人を発見しました
今回、色々と情報を調べていく中で、stand.fm というサービスを作った方を見つけました。有益な情報を発信してくださる方だと思うので(noteがめちゃくちゃ良かった)、興味ある方はこちらも是非ご覧ください!
というわけで、次回もお目にかかれるのを楽しみにしています!毎日こんな感じの気づきなどをつぶやくアカウントはこちら↓。人事・マーケティング・キャリア・パン・恋愛・人間観察などについて書いてます!
この記事が参加している募集
UXコンサル、BtoBマーケ、人事を経てコミュニケーションマネージャー(広報、マーケ、採用広報、組織開発)なう。 書くこと:パン偏愛、可愛いもの布教、働くこと、生きること、1日1考、新サービス考察、旅行、読書録、銭湯、恋愛。 頂いたサポートは、もれなくパンの研究に使われます。