第2話:4回のレッスンで学んだ、自炊のあれこれ 【料理を好きな私になるための思考と実践】
これまでのあらすじ
【料理を好きな私になるための思考と実践について】
第1話:なぜ「自炊レッスン」なのか?
第2話:4回のレッスンで学んだ、自炊のあれこれ←今回
第3話:「自炊の誤解」を抜けた先に、見えた景色
第1話では、「なぜ自炊レッスンを選んだのか」についてお伝えしてきたが、今回は「実際に何を学んだのか」について書いてみようと思う。
第1話はこちら
初回参加で感じた、「場」の心地よさ
1回目の参加時には、正直「どんな料理マウント取られるんだろう…」「あまりのできなさに唖然とされてしまうのではないか…」などの不安があった。
しかし、その心配は初回で杞憂に終わる。
集まったのは、初心者〜玄人まで、「自炊」という単語や「日々の食事」について考えたいと願う、男女さまざまな世代の受講生。「自炊はしたいけどなかなか手がつけられなくて…」と吐露してみると、同じような課題意識や視点を持った参加者とは、割とすぐに打ち解けることができた。
教え手・山口さんの素敵さにヤラれた!
そして、毎回15〜20人程度の受講生を導いてくれるのは、山口祐加さん。彼女の講座に向けてのメッセージが、これまた最高だったので、少し長いが転載する。
料理をするということは「買う→つくる→食べる→片付ける→食材を管理する」のループを回すことです。買って食べるほうがずっと楽ですし、私はそれを否定する気はさらさらありません。
でも、料理は一生使えて、自分の胃袋と身近な人の胃袋を満たせるスキルです。
手を動かして料理し、おいしい!と感じる小さな喜び。生では食べられなかった食材が、ものの数分でおいしい料理へと変化する不思議さ。一度味わうと、今度はこんな食材で、こんな味付けでと、また作りたくなります。そして、自分の料理を誰かに食べてもらったときの笑顔がまた格別なのです。
この集中講座を通して叶えたいことは、「料理やってみたいけど、何からはじめていいのかわからない」「何度かやったけれど、うまくいかなくてやめてしまった」という参加者が、料理の楽しさと面白さに気づき、料理という食事の手段を身に付けること。そして、外食・中食も含めた自分にとって「心地のよい食事の仕方」を見つけることです。生活スタイルやニーズに合わせ、無理のない食生活を応援します。自分が料理だと思ったものが料理でいい。楽しく食べるのが一番大事。そんなふうに料理に真正面から向き合う集中講座にしたいと思っています。
地に足のついた思想や、絶対的な正解はなくて、自分にとっての心地よさを追求していいんだ、という自由さに、呼吸が楽になった。
(初回レッスンでズッキーニとパプリカを焼いてくれる先生の様子。香りと音に完全にヤラれた…!)
4回のレッスン内容を通じて感じた変化
レッスンの内容は、オリエンテーションから料理前料理の制作、スープ作り、おつまみ作成など、じょじょにレベルが上っていくようなイメージだった。しかし、やっていると、気づかぬ間にいつの間にか料理をしていた、というくらい、自然に調理場に立てている自分がいた。
第1回:「あなたにとっての料理とは?」(9/5 木)
内容:オリエンテーション / 料理の組合せを学べるイラストカードを使ったワークショップ / 料理前料理(ex:食材焼いて味付けただけ)を知る / 料理前料理を食べてみる
まず最初に「あなたにとって料理とは?」という問いを立てていたのが非常にインパクトが大きかった。食材と料理の違いを前提として、「何を作ろう」と考えるのではなく、「この食材をどのように食べるか」を考えるというふうになりたいなという像が明確になった。
初回のレッスンにおいて、人間にとっての食事を理解し尽くしているな…と感銘を受けたポイントがあった。
①レッスン前に先生お手製の料理が振る舞われたこと
「人はお腹が空いているとイライラしてしまう」という原則から、最初から美味しい、美味しい料理でのおもてなし。これはかなり感動した。
②焼ける音、焼ける匂いをリアルに感じられたこと
自分が避けていたものは、こんなにもリアルで、セクシーなのか、と驚いた。何より、無条件に、料理ができていく様子は最高だった。
(おもてなしに出てきた食べ物たち。とうもろこしのおにぎりが最高に美味しかった…!)
ちょっと家に帰ってインスピレーションをわかせられそうな気がしたことと、調味料はむやみに増やさなくてもいいんだ、という驚きが大きかった。
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第2回:「料理前料理」を作ってみよう!(9/18 水)
内容:野菜の選び方と調味料の選び方のコツ / 料理の方程式や食材についての理解を深める / 料理前料理の実践(チームワーク)
料理前料理(タイトルの付いている「料理」になる前の、具材の組み合わせ)という概念について実践を通じて理解を深める会だった。
今回1番衝撃的だったのは、スープ作成のコツだった。
・食材1:旬の野菜、食べたい野菜
・食材2:旨味のタンパク質or食感や香りの異なる野菜
・油:和風のスープにするには、油で個性を出さない。中華風ならごま油
・調味料:塩が基本。つくる料理によって、醤油、こしょう、みりん、だしなどを組み合わせる
(これが話題の「スープスロット」。具材の組み合わせに偶発性をもたせることで、様々な発想を持ちやすくする目的)
これらを組み合わせることで、いかようにもパターンが創れるということに、非常に感銘を受けた。
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第3回:味付けのパターンを知り、料理の全体像を組み立てる(10/2 水)
内容:振り返り、学び直しワークショップ / 味付けのパターンを覚える / 30分で一汁二菜を作ってみる(チームワーク)/ みんなで食べて感想をシェア
第3回になると、より実践的に、おかずや汁物を作成していった。
(にんじんしりしり最高に美味しかった!きゅうりの浅漬はお酢なしで作っているけどこんなに美味しいんだ、と感動。)
個人的には、料理の順番を決めるときのポイントがとても印象的だった。シンプルに、「どれは一番熱々で出すべきか」を考えて作り始めることが大事とのことで、これはすぐに活かせるな、と感じた。
それと同時に「こんな組み合わせもしていいんだ」「この食材はスープに入れてもいいんだ」と具体的な驚きがあり、自分の思考がいかに過去の経験や思い込みに裏打ちされているのかを思い知る機会にもなった。少なからず、思考や発想を柔軟にする契機になったように思う。
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第4回:30分でおつまみを作り、みんなで分かち合う(10/16 水)
内容:自分にとっての「料理」とは(再定義)/ 食材を指定して、30分でおつまみ作り(チームワーク)/ おつまみをつまみながらお疲れ様会
そして、2週間に1度のレッスンは、あっという間に最終回を迎えた。当日は、これまでの学びを生かして、具材だけからレシピのない中で「何を作るか」を考え、時間内に実践していく、というものだ。
これまでに料理経験の乏しい私ですら、チームのメンバーに「これとこれを組み合わせてこんな感じにしたらどうでしょうか?」が言えたのは、自分の変化を感じた点だった。
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(30分でこんなにたくさんのおかずができることに感銘を受けざるを得なかった瞬間…!)
to be continued...
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次回予告
次回の記事では、この4回を通じて気付いたことや、この講座自体がわたしの人生に及ぼした変化、その意味合いなどについて書いていく。
【料理を好きな私になるための思考と実践について】
第1話:なぜ「自炊レッスン」なのか?
第2話:4回のレッスンで学んだ、自炊のあれこれ←今回
第3話:「自炊の誤解」を抜けた先に、見えた景色