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「ありぱんのトリセツ」を書いて寝かしてたけど出してみた話
周囲のポジティブでキラキラ輝く年始の挨拶にも食傷気味になり、自分の未来の思い描き方に迷い、ふさぎ込みがちな1月半ばの夜(そんなことはない)。皆様こんばんは、いかがお過ごしでしょうか。ありぱんこと高尾有沙です。
さて、書かれている文章や思考の過程が好きで読んでいる、為末大さんのツイートに、以下のようなものがありました。
自分の取り扱い説明書を作ると好都合だとお話ししました。わかると言ってくださる方も多いですが、同時にどうやってそれを作ったらいいのか悩まれる方もいます。自分の取り扱い説明書を作るということは、「自分を知り、言葉にする」ということです。
— Dai Tamesue 爲末大 (@daijapan) May 28, 2022
という感じで質問し回答しパターンを作っていきます。特に案外取り扱い説明書で開示していないのは「欲」です。シンプルなものではないですが、影響力が欲しい人と権力が欲しい人では、インセンティブになるものが違います。これを相手に探らせるのはコストが高いので開示してしまった方が良いです。
— Dai Tamesue 爲末大 (@daijapan) May 28, 2022
「自分を知り、言葉にし、相手に開示する」というプロセスの重要性にとても納得したのです。確かに相手に探らせるよりも、予め開示しておいたほうが、コミュニケーションのコストが下がるなと感じています。
幸いにして私は「事前に情報を開示する」ことにあまり抵抗感がないタイプなので、ここで一度、書いておこうと思います。フォーマットが用意されているので、それに沿って考えていきます。
強み:「収集心」×「整理屋」×「ADHD仕草」
①息を吸うように「つい」やってしまうことは何か
「誰かの言っていることを書き留め、構造化して整理しアウトプットすること」。相談に乗った内容を整理・構造化するのもそうですが、マークダウン記法とか、Slackのチャンネル作成とか、Webサイトのサイトマップを作るのとかも割と得意です。あとは「一旦具体データを収集して物事の全体像をなんとなく把握すること」。定性調査を通じて個をつまびらかにすることから全体像を明らかにすること、片っ端から特定エリアの飲食情報を集めることなどが趣味で得意です。
②かけた労力に対して「意外に」他者から感謝されることは何か
意外に…と思うところでいうと、「イベントレポート」「議事メモ」「飲み会や旅行の幹事」「コミュニティの運営」「Slackの初期構築」「恋愛相談」「転職相談」「人前で話す」など。メモ系については、視覚情報が得意な代わりに耳からの情報が苦手だったことから、人の話す早さでメモが取れるようになった(そうしないと人の話が理解できない)ので、それを構造化してメモにして渡すと喜ばれるのが嬉しい。
③自己評価と他者評価で一番ずれているものは何か
そもそも他者を誰と捉えるか、という話はあるので、一旦「結婚式に呼ぶほどではないけど、自分のアウトプットとか成果物は見れる人」という定義とする(途中経過やプロセスにおける困り感などについてはそこまで詳しくない)と…「キャパが広い」「色々出来る」などのことを言われるけど、実際にはおちょこキャパでポンコツなこと。
その辺については色々情報開示しているつもりではあるものの、あまり関わりがない人からの評価は人格が乖離しているのかと思うくらいズレる。とはいえ仲の良い人からの評価はあまりズレていない(多動、躁鬱気質、微メンヘラ、ジェットコースター型など)とは感じるので安心してはいる。
④どうしても克服できない弱点は何か
「面倒なことを後回しにして、ギリギリに取り掛かること」「約束の時間の5分前に到着すること」「人の名前を覚えること」。これらは仕方ないなと思っている。一方で「人に嫌われたり否定的な顔をされるのが怖くて自分よりも相手の意見や顔色を優先してしまう」という弱点が克服できたらいいなとは思っているので、あえて入れない。
集団:小さく、端っこで、がほんとは落ち着く。場が許せば前にも出る
①大きな空間でどの位置に座りたがるか
端。左利きなので、基本左端にしか生息しません。というか参加者でいるのが苦手(その場での在り方が自由演技すぎて対応が難しい)なので、運営とか幹事として存在していないと基本的に難しい。
②心地よい会食の人数は何人か
初対面なら3名がベスト。2回めなら1対1が嬉しい。仲良し集団なら5名まで。どちらにせよ、それ以上増えたら情報過多になり(かつ会話が分割したところで耳が隣の会話も拾うので)ショートする可能性あり。
③楽しくなさそうにしている人が気になるか
自分が楽しくないときは楽しそうにしている人が目に付き(ネガティブ)、自分が楽しいときはつまらなそうにしている人が気になる。自分が楽しくないときは、同じようにつまらなくしている仲間を探すよりもさくっと帰る方法を考えがち。自分が楽しい場合にはその理由を考えていることが多い。
④誰かと話をしている時、後ろや横の話は聞こえているか
1対1なら聞こえない(集中している)が、
・面白そうな現場(ルノアールなど)に遭遇したとき
・4名など、会話に入らなくても良い場でとなりの人の声がうるさいとき
は集中力散漫になりがち。できるだけ静かなところで話したい(BGMはなくてもOKなくらい、献血とかでもTV見ないし音は消す)し、飲み会の場所設定も「うるさすぎない」「独立した場所がある」などを要件に入れがち。
⑤自分のボスの癖を三つ説明できるか
口癖とかは思い出せる、表情のクセや思考の特徴くらいまでなら説明できる気がする(モノマネは下手なのでできない)。意図的に観察しているというわけではないと思うが、さまざまなアウトプット(対面、音声、書き言葉)などから類推している気がする。
⑥カウンターに座るのと対面どちらが心地よいか
圧倒的にカウンター。特に目上の人、意中の人など、緊張する相手や、話に集中したいときであればカウンターが嬉しい。全体的に目を合わせるのが苦手(目線が泳ぐ)なのと、対面だとあまり話が聞こえない(ノイズが先に入ってくる)ので、物理的に耳が近いほうがありがたい。
コミュニケーション:一番の大敵は「外的刺激」と「テンポの早い横やり」
①自分の話の途中に割り込まれることは気になるか
自分が割り込みがち(特にテンポ感の早くない会話だと、相手がゆっくり考えているときに質問を変えちゃったりする)でそうしないように極力気をつけるようにはしていて、だからこそものすごい勢いで割り込まれると「ムッ」としがち(特にこと私、でいうと、会話のテンポ感は早い方なので、割り込むというよりはかぶせる、に近くなる)。
とはいえ、初対面だと会話のテンポ感が合わないこともあるので、あまり気になりません。何回か会話していくなかでチューニングされるものだと思っています。逆に、何度会ってもかぶせてくる人とは距離を置きます。身近に、相手の結論を待たずに自分が「それってこういうことでしょ〜!?」って言っちゃう方がいて、その人は私の精神的出禁(他人の会話の芽を摘んでいくので)になっています。
②何かに没頭している時に話しかけられるとどの程度嫌か
注意力散漫なので、基本的にそもそも没頭していることが少ない。
③権力が上の人間と、下の人間と話をしている時自分の態度はどの程度変わるか
上か下では態度は変わらない(言葉遣いくらい?そもそも気を使うのがそこまで得意ではないので)けど、心を許している相手だと大切にしたいので気を使っていると思います。心を許していない人には気もそんなに使わない(無遠慮だと思われない程度、と思って振る舞っている。慇懃無礼と言われることがたまにある)です
④子供と話すのは好きか
好きかどうかはともかく、得意ではある。子どものしゃべるスピードや言語空間に溶け込むのは苦手ではないから、という自分自身の話と、こう、私のフォルムが丸っこくて目が大きいことから、識別しやすいという外見起因の話の2つがあるかなと。これゆえ(会話ができ始めてくるくらい以上の)子どもであれば大抵なついてもらえるイメージがある。子どもと話すのが好きというより、なつかれるのは好き、なのであしらいつつ構う、みたいな。
ただし、その場に「子どもを構うのが好きな大人」が1人でもいたら積極的にはやらないです、(その人に対抗意識を持たれたり、持ったりするのは)面倒なので…全人類の親御さんはすごいなと思う。可愛く思えないときも一緒にいて、それでもなお一緒にいられるのは素直に尊敬する。
⑤相手に対し通じる単語に置き換えることは頻繁にやるか
自分が特有の言語空間を持っている認識はあるので、伝わっていないな、という感覚を持つことは結構あります。押し通せそうならそのまま行くけど、置き換えが拙いので、聞き返されたら説明を加える程度な気がします。具体例をもって説明するとなると「恋愛」と「食べ物」でしか例えられない…
「欲」:欲は隠さないものの、自分の気持ちは分からない事が多い
①誰にも言えない欲しくてしょうがないものは何か
誰にも言えない物を手にしてしまってどうするんでしょう…という疑問はともかく、多分ないと思います。精神的安心が、何より一番ほしいです(厄介だな)。
②権力と影響力のどちらが欲しいか
いまの自分は一定の影響力を持っている部分があると思う、という前提で…それを権力に置き換えたいかと言われると、そんなことはないなと思いました。責任が伴うので。影響力は結果であり、「感じる人のもの」なので、それそのものに対する責任は伴わないなと。権力は「権力を持つ人のもの」であるがゆえ、自分に紐づくものであるのと大きく異なりますね。
③羨ましいと思う相手が持っているものは何か
「気持ち」と「行動」と「できること」がつながっている状態。「嘘偽りなくまっすぐ行動することが、結果として社会とつながり、貢献し、それによって資本主義経済で評価され、周囲からの称賛も得て、それでいて精神が病んでいない状態」を好ましいと感じる。
④欲しいと思った時素直に言えるかそれとも言えないかまたは言い換えるか
言えない。自分を満足させるべきなのは他でもない自分であり、自分でなんとかするしかないと思っている。こういう態度から、周囲にはたまに「もっと周りを頼ったり甘えてもいい」と言われるのだが、少なくとも今は自罰感情が強くて今はそれに雁字搦めになっている感じだと思う。長女気質ぅ〜!
⑤何かをあげてお礼を言われなかった時どの程度いらいらするか
「お礼を言わない」では特にイライラしないかなぁ。ただ、似たシチュエーションとして「謝らない」についてはシンプルに「この人はそういう人なんだなぁ…」って思う。
(「お礼してくれなかった」はこちらの期待値が高すぎる可能性があるけど、「謝る」については、誰しもが間違えたり「借りを作った」と感じる状況になることもあるなかで、相手にそのことについて言及しない人は、すごく恵まれた環境にいて、そのことに気付かないでも誰かがやってくれていたんだろうなぁ、とか、それが当たり前だと思っているんだろうなぁ、と距離を感じてしまう。とはいえ過度に謝られたりありがたがられてもそれはそれで相手も気まずいだろうと思う(これは自分がやってしまって、よくないなと思う)ので、サラッとお礼ができる人に憧れます。)
「テリトリー」:近い人とは融合していたい、でも枠の外の人への警戒心は強い
①自分のものが勝手に使われた時に気になるかならないか
旦那とか彼氏とかであれば気にならない。しかし、あんまりそういうことをされたことがないので「気になる人であるに違いない」とか思われている可能性がある。「使う」であればいくらでもどうぞだけど、例外として、買っておいたご飯を勝手に食べられたら、気になるを通り超えて怒ります。
②浮気されたとき、恋人と浮気相手のどちらにより怒りを覚えるか
大学時代に浮気されたときのことなどを思い出したけど、「怒り」よりも「悲しみ」が勝っていたなぁと思う。浮気相手と恋人の間に、自分には立ち入れない紐帯があって、それは不可逆である、という事実そのものは二人の人生にとっては歓迎すべきことなのかもしれない、と思うと、自分が口を挟む余地はないなという寂しさが先にくるかもしれない。経験則的に、悲しみより怒りが勝ることはないです。自分がそれだけ魅力が足りなかったり、タイミングが悪かったと思うだけで。
人間に「欲」がある限り、誰しも浮気心を持つことはあると思うから、
・沼にハマりすぎない(優先順位を入れ替えない。サブはサブ)
・詳細な内容は相手にバレない
・できれば相手を傷つけない形にする(アイドルを推すとか、プロに外注するとか)
ようにやってほしいとは思います。
③たまにちゃんと生活できているか心配をする相手は何人ぐらいいるか
私よりもちゃんとしている人しか私の周りにいないので、生活できているかが心配になる人は周りにそんなにいません…でも、もし安否が気になったら、連絡するようにしています。
④家に友人を招いたとき、友人が勝手に別の友人を連れてくることは許容できるかできないか
無理すぎる。「相性が良さそうだから紹介したくて」とかならいいかなと一瞬思ったけど、それで家まで来られたらリスクしかないので絶対に無理(もしそれがきっかけでストーカーとかになったときに家が割れているのは怖すぎる、割りを食うのはこちらなので)。正直二度と関わりたくないし多分その人は友人ではない。
質問に回答してみて
私は単に文章が長いだけでなく、免責文言的な文章が多いなと感じました。端的に伝えることを恐れないようになりたい。
また、自宅でこの「トリセツ」について会話したときに興味深かったのは「このトリセツは誰のためのものなのか」ということ。私は「成果物しか知らない人が思考のプロセスを知るため」かな?と当初思いながら書いていたけど、旦那との対話を通じて、ターゲットはそこではない、ということに気づきました。
それは、「これから継続的に私と関わる人(私をまさに「取り扱う」人、私の円の中の人)」がこのトリセツのターゲットであり、その人達に向けた確認作業の一助として使えるといいのかな、ということです。
とすると本当はnote向きではない(身内で読んでもらったほうが目的を達成しやすいかもしれない)のかもしれないと思いますが、こんなところまで頑張って読んでいる人はきっと身内な人か、私と関わる気が少しでもありそうな人に限定されるだろうと思うので、そういう納得の仕方になりました。ここまで読んでくれた人たち、本当にありがとうございます。感謝。
おわりに
冒頭に紹介した為末さんのツイート群の結びはこうです。
その人が開示している取説と普段の行動が一致していればしているほど、信頼度は高まります。一致していない人は何かを隠しているか、または客観的に自分を見る能力がないと受け取られます。無いよりは随分ましですが。取説を追求すると、どう生きていきたいのかという人生観に行きつきます。
— Dai Tamesue 爲末大 (@daijapan) May 28, 2022
取説は自分を楽にし、周囲の余計なストレスも減らします。一方、取説は変わり続けます。日々気づいた事を反映させ常に最新版でいることが重要だと思います。
— Dai Tamesue 爲末大 (@daijapan) May 28, 2022
トリセツを通じて得られることは、なにも「自分の自己理解」だけではなく、「他者からの眼差しを意識すること」でもあるなという気づき。最近の自分の悩みが「自己の眼差す自己と他者から眼差される自己の乖離」だったのですが、本当は「他者」にもグラデーションがあり、本当に乖離してほしくない人からの眼差しはそこまで乖離していないのではないか、という結論に至ったことは、自分のなかで大きかったです。
また、トリセツは更新の必要があるというのもごもっとも(なぜなら2022年6月時点で書いていたものを大幅に変更しているから)なので、定期的に書いてみたいと思います。次は来年の1月かな。
ちなみに
今回のきっかけは為末さんのツイートだったんですが、その後ナースあさみさんの記事を読んで「自分の取扱説明書」を自分も書いてみようと思ったのが今年の6月のことでした。
一度は挫折し、しっかりnoteの下書きとして保存されていたのですが、ひらやまさんがnoteに執筆されたと知り、再び筆を執り直し、書ききることができました。
ありがとうございました…!
また、他の人の取扱説明書は以下のマガジンに収録されているそうなので、読んでみてください。私もまだ読んでいないやつを読んでいくぞ。
最後に!(これはひらやまさんリスペクト←という名のパクリですが)気になった回答や、もうちょっと詳しく聞きたい(そんなものはないかもしれないが)回答、これに関連して新しく聞いてみたい質問などがあったら、noteやTwitterでリプライいただけると嬉しいです。
そんなわけでいつもはこちらにおります↓
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