★食生活アドバイザー3級 健康と栄養8
食事によって「病気になりにくい」体をつくることはできても、
「病気を治す」ことはできません。また、よくない食生活が続くことで
「病気の原因になる」ことがあります。
○死の四重奏・・・高血圧症・脂質異常症・糖尿病・肥満症
以下に、おもな病気と食事状の注意点を順にあげていきます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の内壁が胃酸によって消化され、潰瘍が生じること。
※潰瘍・・・皮膚や粘膜の一部がただれくずれること。
1. 刺激のある食品を控える。
2. 消化の良い食品や調理法を選ぶ。
3. 極端に冷たい・熱いものを避ける。
4. たんぱく質・ビタミン・ミネラルを十分に摂る。
胆石症
肝臓でつくられた胆汁の成分が固まり、胆道(胆汁の通り道)で
石がつくられること。
1. 脂肪やコレステロールの多い食品を控える。
2. アルコール類・カフェイン・炭酸飲料・香辛料を控える。
3. 食物繊維を多く摂る。
高血圧症
血液量の増大や末梢血管の抵抗が強くなることで、血圧が異常に
高くなること。脳卒中や心不全・心筋梗塞・腎不全などの合併症を招く。
1. 減塩する。=Naの摂取を制限する。
2. K, Caを積極的に摂る。
3. たんぱく質が不足しないようにする。
4. 肥満の人は摂取エネルギーを制限、減量する。
5. 食物繊維を摂る。
6. 時間をかけてゆっくりと食べる。
動脈硬化
動脈壁に脂質がついて厚くなり硬化することによって、
血管の内側が狭くなり、血液の循環が悪くなること。
1. エネルギー摂取を制限する。
2. うす味にする。
3. 脂肪を摂りすぎないようにする。
4. 内臓類を食べない。
5. 甘いもの・アルコールを控える。
貧血
血液中の赤血球(ヘモグロビン)の濃度が減って、
酸素を運搬する力が低下すること。
1. 鉄分の摂取量を増やす。
2. ビタミンB12と葉酸を摂る。
3. 食事中のコーヒー・紅茶・緑茶を控える。
4. 良質なたんぱく質を摂る。
※必須アミノ酸がバランスよく含まれたもの。
5. 酢とビタミンCを摂る。
6. エネルギーは十分に摂る。
糖尿病
膵臓の働きが悪くなることや、インスリンの分泌量が不足することから、
血液中のブドウ糖が多くなる。(血糖値が高くなる)
三大合併症の神経障害・網膜症。腎症を招く。
1. 規則正しい食事をし、腹八分目を心がける。
2. 食物繊維を多く摂る。
3. 塩分を控えめにし、Na摂取量を制限する。
4. 高たんぱく・高エネルギーの食事を控える。
5. 砂糖の使用を控える。
脳卒中
脳の細胞が壊れ、障害が起こる疾患の総称。
脳梗塞(脳の血管が詰まる)、脳出血(脳の血管が破れる)、
くも膜下出血の3つに分けられる。
1. 塩分を控えめにし、Na摂取量を制限する。
2. コレステロールの多い食品を避ける。
3. 動物性脂肪を避け、植物性脂肪を摂る。