(5848文字)ポリヴェーガルと「痛み」と呼吸〜迷走神経に揺らぎを与える〜(工事中)

割引あり

追記:2024.9.21)
箇条書きのところはまだ工事中ですが、それでも面白いと思うので、ぜひ。
自律神経、深いです。


ニューロセプション


わたしたちの神経系は環境の安全、危険、生の脅威の具合を毎瞬、無意識のうちにたえず検出し、それに応じて「社会的関与」「可動化」「不動化」の反応を選択している、といわれています。

すなわち、私たちの自律神経は、
「安全」「危険」「生命の危機」
という三段階に反応するようにできています。

また、その反応は「意識を介さない検出」といわれており、意識的思考領域の下で起こる(皮質下)体験とされています。

自律神経は生命を維持するために相互的に調整をしています。

ですが、自律神経系にも意図的に影響を与えることができます。僕たちが介入を考えるときに意識すべき理由のひとつです。

行動は意識レベルよりもはるか下にある自律神経系によって生み出された自律的で適応的なもので、これは認知的な選択をする脳によってされる決定ではないそうです。

自律神経系の働きの原則として、すべての反応は生存に役立つ行動であるというものがあります。
他所から眺めると不調和に見える行動も、自律神経系の観点からは常に適応的な生存反応ということです。自律神経は善悪については判断しない、ということです。 

まず基本としてですが、

交感神経は闘争/逃走(fight or flight)
副交感神経は休息/消化(rest or digest)

ということは押さえておいた方がよいかと思います。

副交感神経を代表するような神経が迷走神経といわれています。

交感神経活動が活性したときは、血管が収縮、血圧は上昇、心拍は早くなり呼吸も早くなります。また、筋肉は緊張していきます。内臓周りの血管が収縮することにより、血を違うところに集めているわけですが、四肢の筋に集めていると言われています。



新しい自律神経と脳科学

脳画像がとれるようになったのがひとつのきっかけだそうです。

今回は自律神経をテーマに書いています。

自律神経は骨格筋以外の全てのものを制御する神経ネットワークといわれています。

なんだか壮大ですね。

自律神経が反応する三段階とは、何をもって判断するのでしょうか?
例えば、高い場所から落ちそうなときや、何か襲ってくるような脅威がある場合には、自律神経がどのように反応するのでしょうか?

自律神経について、人体を制御する神経系の一つで、三段階に反応する点や、呼吸のエクササイズによってコントロールできる点が重要です。

追記2023.10.3:このnoteを読むことで、
・呼吸エクササイズを実施しても効果が得られない
・むしろしんどそうに見える
・患者さんもセラピストも不安になる
こんな若手にありそうな状況を落ち着いて回避、対処できます。なぜよかれと思ってしたエクササイズなのにそうなってしまうのか。その答えは自律神経が体をどう守るかという知見で説明ができます。だからぜひ読んでください。


意識/無意識の問題 

大脳皮質が意識プロセスで、皮質下が無意識プロセスなのではない。という話です。

「意識している」にたどり着くまでに、最終結果にたどり着くまでの膨大なプロセスは無視して、意識していると理解していました。

意識と無意識では処理に使う脳の範囲が、広さ、多様さ、同質、局在的という点で分かれています。

意識/無意識の選択、それ自体が無意識なんですね。

知覚プロセスの大半は無意識


絶えず世界から訪れる感覚刺激にすでに抱いている無意識のモデル(予測)を付き合わせる無意識の照合と修正のプロセスであり、その完了後、そこから生まれた最終産物だけをわずかに意識の対象としているに過ぎない、、という難しい話を難しい表現でしました。
ニュアンスだけでも伝われば。

準備電位

意識が自発的に選択をしたと思うその瞬間、脳はもう無意識の選択を終えている準備電位のことです。
よくセミナーで出てきます。
これの存在が、無意識の選択を終えていることを表すんですね。



自律神経は媒介変数 

原因と結果の間に入るものが媒介変数
独立変数でも従属変数でもない(両端にあるのは脳と身体)
脳が分かれば、身体がわかるのか、逆もまた然りなのか?
同じ脳の状態でも身体が変わるかも?それは間にある自律神経の状態による


体を変える?考え方を変える?

脳と身体の間に入っているのが自律神経である

感覚と行動


私たちの存在自体が媒介変数であり、
同じ刺激でも受け取り方によっては行動が変わるため、生体自体が媒介変数であるといえます。


媒介変数の中の媒介変数

感覚と行動
脳(中枢)と身体(末梢)

体と心のプロセスは自律神経を介して一続きであるといえるのです。

 社会脳(social brain)

2000年代に大きく発展してきた学問で、相並んでいるもののポリヴェーガル理論と分かち合うような流れにはなってこなかった歴史的な背景があります。


痛みと自律神経


痛みは自律神経に影響や揺らぎを与え、またその逆も生じうるとされます。痛みはヒトにどのような反応を与えるでしょうか?また、どんな防御反応が起きるでしょうか自律神経はどのような反応をするのでしょうか?

偏頭痛では交感神経活性、心拍変動が減少(副交感神経活動が低下)するといわれています。
末梢神経損傷では末梢神経活性によりより痛みは増幅されるそうです。

内臓痛は膨満、伸長、圧、虚血、炎症に敏感とされ、関連痛がでることもあります。
疼痛伝達には副交感神経が関わっているようです。(副交感神経の多くが迷走神経であり求心性の割合が多い)

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