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物流現場を「みる」ということ

物流現場管理の中で必ず、会話の中で出てくる言葉が「現場を見なさい。」「現場は毎日見ています!」「現場巡回記録はしっかりつけています。」

ありがとうございます。毎日、お疲れ様です。
「ところで何を見ましたか?」と尋ねると、とたんに困った顔をされます。
しばらくして「作業手順に間違いがないかを確認しています。」「体調不良の人はいないか」「困って手が止まっている人はいないか」など答えてくれます。

ありがとうございます。
「今日の巡回では問題はありませんでしたか?」
「みんなが手順通りに作業をやってくれていました」「体調に問題がありそうな人はいませんでした」

毎日、巡回活動を通じて現場を見ていただいているのに、なぜ?事故や作業ミスはなくならないのでしょうか?

ここがミスや事故が多い職場と0件が継続できている現場の違いの一つです。

現場の管理監督者は職長教育や安全衛生教育などで現場巡回を行うように決められたルールとして行っており、巡回記録を提出するなどを行なっていると思います。
ただ、その現場の作業遵守チェックシートや現場巡回記録などは、ほとんどの場合、きれいに「⚪️」が並んでいます。

しかし、「みているのに」作業ミスや事故は起きているのです。

同じ「みる」という活動を行うのであれば、少しだけ「質」を高めてみませんか。

現場を『みる』とは、その考え方や行動、姿勢によって漢字が変わってきます。
『みる』には、『見る』、『観る』、『診る』、『看る』とあります。

テレビをなんとなくみるのであれば『見る』と書く

残念ながら多くの現場の管理監督者は『見る』ことをしています。
全体を流れに沿って眺めているのです。
眺めている景色に危険因子があれば、気づき、注意し、叱ります。
意識していなくても目に入ってくる、そこにある結果に対して行動をしています。
何故、その結果になっているのかを考えていないのです。
作業者は叱られないように巡回してきたら取り繕います。
真の実態は見えてこないのです。

テレビの内容をじっくりと『みる』のであれば『観る』と書く
サッカーや野球の試合を観ていても、つい「何やってるんだ」「しっかりしろ」と言いたくなる点ばかりが目に留まります。
現場ではアラを探す見方に偏らないように、褒める点を見ようとしていきます。
そうすると「みる」が変わってきます。

医者などのように智見のある者が相手の状況や状態を知ろうとする場合は、『診る』
仕事に精通した管理監督者が、教育が終わって独り立ちした作業者に声をかけ、「手順通りにできているね。」…これが大切です。

日本人は「褒める」ことが苦手なので積極的に行います。


『看病』や『看護』のように子供の世話をする、しっかりと気を配って世話をしたり、悪いことにつながらないように注意して見守る。
「これはなぜやるかわかる。」と作業の目的を理解できている確認できたり、指導できたりします。

こうしていると「その場を取り繕う」とか「作業をみられないようにする」などの隠したがる行為がなくなり、しっかりやっている事を認めてもらおうと変化してきます。

自分の立場から現場の作業者をどのように『みる』かで行動が変わり、結果が変わります。また、現場を守る管理監督者の目も大きく成長してきます。

『ゼロ災で行こう!』『作業品質至上』などとスローガンを掲げて、
唱和をするだけでは事故、ケガ、ミスはなくなりません。

『ゼロ』には理由があるのです。

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