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鬱ADHDの本音と今後を高学歴ADHD鬱大生さんに聞いてみました。(7000字)

理性「こんにちは」

本音「こんにちは」

理性「僕が呼ばれたということは、当事者インタビューですね 」

本音「はい、完全に行き詰ってしまいまして。」

理性「なるほど。聞かせてもらえますか」

本音「ぼくは、頑張れば何とかなると思っていたんですよ。頑張って頑張って頑張りつくしたんですが、結局失敗でした。僕の人生なんだったんでしょうね」

理性「ふむ、何を頑張ったのかもちろん私は知っていますが、ここではちゃんと聴くことにしましょう。何を頑張って、失敗とは何ですか?」

本音「院試も、大学も、高校も生活も就活も・・・僕は普通になりたかったんです。普通になるのを頑張ったんです。最近、ただ犬みたいに、もしくは子どものころみたいに安心しきって、万能感に包まれて安心して眠りたかったのだと気が付きました。でももう無理なんです。小さいころからうまくいかないことだらけで、、、具体性が足りませんかね」

理性「まあ。でも僕が聴くのでだいじょうぶですよ」

本音「安心しました。ずっと自分が一番だと、、、万能だと思っていたんです。ADHDのせいかもしれませんが、まあよくわかんないんですが、、、えっと、、、なんというか自分はすごいと、思いたくて。でも実際は全然違って。小6より前の記憶はほとんどないんですがそこからははっきりしている気がします。覚えている限り、、、なんというか自分が自分に満足したことが一度もなくて。満足したいんです。一回でいい、満足してみたい。王になりたいのです。もう一度…もう不安で劣っていて死にたいのは嫌なんです」

理性「ちょっと要領を得ないですが…幼児的万能感が消えて、自分が劣っているということを自覚してしんどくなってしまって、そこから頑張り続けた、みたいな感じなんですかね」

本音「そう、ですね」

理性「うーん、だとするとそれって聞く限りどうすることもできないゴールに走っていっている気がしますけどね。幼児的、というようにその万能感って基本的に再現できないというか、認識能力が発達してないために自己中心的に物事を見ていて疑似的に万能感を得ていたということで。それこそ受験や大学生活の中でかなわないと思うことは数あったでしょう。東大院ゼミに潜ったりして『これは絶対に一生涯勝てねえ』という体験もしたわけで、また同じ方向性で一年頑張ったとして、あなたが万能感を得られたとして、そこにあるのは別に今ある日常ですよ。もっとつらいかもしれない。明治大も『こんな僕があそこに行けたら何かが変わるかも、バラ色かも』と思っていましたよね。まあ小中高に比べたら本当の本当にバラ色でしたが…。」

本音「それでも、なんです。一番向いてる道じゃなくてもいいんです。僕が僕を認めたいんです。もう生きているだけでしんどいのは嫌なんです。たった数百メートル歩くのに1時間かかるその間ずっと自分を責めさいなんでいるなんてもう嫌なんです。」

理性「明治に入ったら入ったでそんな周りに釣り合わない自分に鬱になっているわけで…。なんというか才能や資金力熱意を考えたら皆が言っているように教える道で身を立てたほうが堅実というか、そちらで褒められるんだからまずそちらにいけばいいと思いますがねえ」

本音「行こうとしたら今回の人事呼び出しじゃないですか。膝を屈してプライドズタボロにしながら向いている道とやらに行こうと決意したらこれですよ。何だってんだ。塾では将来性もないし、僕の大学生活、いやこれまでの生活は何のためにあったんですか?たかだか年収300万のためにあったんですか?そのために周りより頑張って頑張って頑張ってきたんですか?周りは明治で、30歳で500万、50歳には900万はもらっていくんですよ?それが僕はずっと300万。ずっと300万上がり切って500万ですよ。それって本当に何のために頑張ってきたんですか。僕が悪いんですか?自分の持てる能力を最大限に発揮しようとしたら業界として終わってただけでこんなにも何でしんどい将来設計を迫られないといけないんですか?なんで他の人とこんなに違うんですかなんで全くしっくり来ない体のつくりをしてるんですかなんでぼくだけ、僕は馴染めないんですか、そこからすら組織からすら放逐されてなんなんですか、やりたくなかった絶対になるもんかと思ったものすべてに、僕はなっているんですよどうづればいいっていうんだよ、どうずればああああああああああああああ」

理性「落ち着いて。気持ちは分かりますが。落ち着いて。別に人事呼び出しで終わったとも限りませんし、終わったなら終わったでまあいいこともあると思います。なんて言っても君はここまでは「ストレート」の好成績発達障害ですし。ただ頑張ったぶんが報われないのはしんどいですね。そもそも体のつくりが、第三次産業自体に合っていないのでしょうし。組織にも合っていないし。「障害は2度作られる」と僕は院試回答に書いたわけですが生産の在り方が自分に全くしっくり合っていないから障害として認定されるわけで、それで生きていくのがしんどいというのは当然のことですね。原理的に生き辛いから障害として認められるというわけですから…。しかも君には野心がある、騒ぎやまぬ魂もある。身の丈は知っていかねばならないがそれを抑えるというのも若いなら難しいですよねえ」

本音「おまえいくつ設定だよぼくとおなじだろ。」

理性「今は違います、別人です」

「まあなんでもいいけどさ。というわけで絶望なわけです」

理性 「安心、というより万能感を求めていると。有能感でもいいですね。劣っているということで万能感や安心感が損なわれたのだから有能であること、劣っていないことを証明することでそれを取り返そうという感じですかね。その尺度が各種の成功なわけですかね?

本音「あー近いかも。失敗と見られたくないんです。もはや自分でも。どんなに楽しくてもどんなに目の前の人が尊敬できたとしても権威がなくてはしぼんでしまうんです。」

理性「権威というのも面白いワードですね。なんとなく独立を勧められても全く食指が動かない理由が分かってきたというか。あなたは有能だと思われたい。傷ついた自尊心を自分から取り返したいんですね。そしてそれは絶えず実力を証明しつづけたりしたいわけではない。そっと世間の寒波から背を背ける自分の炉端で引き出せる宝石を求めているわけだ。基本的には所属したがりなわけですね」

本音「閑職でありたいとかは思いませんけど。窓際とかいいだろうなあって。窓際がいいというわけでもなくて。。。なんとなくわかるでしょう。所属したいんです。実力勝負なんてやりたくないですよ。僕は有能であってそれが認められれば全く、お飾りだって構いませんよ。むしろその方が安心しきって眠れる。」

理性「分かりますよ。それはあなたの傷ついた部分がそう言っているだけであなたのポジティブな部分が必ずしもそう言っているわけではないとも思いますが…多分本来的には実力を証明し続け活躍し続けることも嫌いではないと思いますよ。ただしそれを発揮しきるためには有能な場所にいる自身という自己認知がなくてはならないわけですね。難しい。なぜなら再三結論されているとおり、あなたが適職であると思う条件であるADHD、ENTP、「先生」で専門知識が合ってプロセス的な仕事で管理が発生しなくて、昇進しても現場で、個人を相手にエンパワーメントしたい、という性質は明らかに独立向きとまではいわないにしろ反組織的ですよね。求めていることと本人の性質が真っ向から対立している。

本音「そうですね。それを出自とやりたいことという点でクリアしようとしたのが大学院入試だったかもしれません。決して無謀だったとは思いませんが…」

理性「たくさんの人から向いていないと言われますね。研究内容がフィールドとエスノグラフィー寄りですからその点を分かってもらえれば決して向いていないとは思わないのですが…結果英語とはいえ落ちていますから過ぎた望みだったのかもしれませんよ」

本音「ここでやめたら、そうなります。」

理性「そこまで言い切れるのならいいのではないでしょうか?」

本音「僕はどうしたらいいんでしょうか?」

理性「今大学1,2年生の時のことを思い出していました。あの時は各業界の1位と2位の下に線を引いて『この中に僕のいくところがある』と言っていましたね。何もわかっていなかったけれど、あれはあれで忘れてほしくない所です。さて、…先ほどの求めるものと本人の性質の対立というのは難しいところですね」

本音「質問にこたえてもらえますか」

理性「ふむ、答えてないつもりは無かったんですが。何をしたらいいんでしょうね。何をしたいんですか?」

本音「わからないんです。何も」

理性「嘘をつかないで。では何はしたくないんですか?」

本音「もう、悔しい思いをしたくないです。もう、自尊心をボロボロにされたくない。もう、苦しんで生きるのは嫌です。起きた時に『ああ、自分は落ちたんだ』『俺は落ちたこの場所でまた頑張らないといけないんだ』から始めるのは嫌だ。それに『俺はこんなところにいるはずじゃない』とか思うのも嫌です。僕は満足してしっかり暮らしたい。今いる場所に、深く満足して言い訳したくない。受け入れられたい。そうしてようやく周りになにか返せる気がするんです。自分が死にそうになっている中で誰かに何かを渡すなんて常軌を逸してる。とてもできません。でもいつも焦って発狂して周りの余裕ありそうな人間を恨み散らかしてる化け物だから、それも無理かもしれません。」

理性「なるほどね。これも対立ですね。以前友人に『本音は他者の価値観を内面化し価値判断基準で一喜一憂している、それが問題』と言われましたが、これについてはどう思っていますか?」

本音「本当にそうだと思います。でも他者の価値観を内面化してない人なんているんですか?」

理性「プライドの高さで回答を回避してますよ、他人の価値観で一喜一憂した結果、あなたは追い詰められていますがそれについてどう思うか、聞いています。肩書にこだわるのもそれでしょう」

本音「自分で満足できる尺度など、ありませんよ。本来倫理観や尺度を測る機関がバグって壊れてるんです。他人を取り込むことでしか発達できませんでした」

理性「いやいや、倫理観や尺度がバグっているからこそ、たくさんの人の意見を偏見なく聞き理解を示せるというのがあなたの良いところですよね。問題はそれが自分になぜか適用できないことにあると思うんですが。」

本音「だって、…わからないです。他人は、そりゃいいですよ、どうでも。共感能力の低さとそれを経験で補ってきた自覚があります。だから教えるのも人前に立つのも上手いんでしょう。共感的に振る舞いつつ周りの人のことは本当はどうだっていいんです。だから客観的な距離が取れる。でも自分に対して距離はないんです。こうして別人格を用意して自分の中に仮想の他者を登場させなければ自分の本音がわからないほどに。僕の心地よさに好きな人の心地よさは影響するのでそこには一応気をつけていますが」

理性「それを倫理と呼ぶのかどうかは果てしなく微妙というか僕らが本質を一つにする以上判別できませんね、しかしこれまた面白い話が出ましたね。そうか、あなたには距離がないわけか。その状態では確かに、自己の肩書きが自分に、自分の周りにいてくれる人が、自分になるでしょうね。
決して自己がないとは言わないけど距離がないんですね。人真似が上手い理由もなんとなく理解できました。たしかにずっとモチベーションの中には有能な人に囲まれたいというものがありましたね。友人たちの写真をブリコラージュして「自分」というタイトルをつけていた事にも同じことが言えるかもしれません。「自分」の話が出ましたが自画像はのってりとした棒人間か、苦悩する骸骨ですよね。あれはどんな含意があるんですか?」

本音「それはなんか直接は話題それるんで一個前から応えますけど、そう…ですね。どんなに辛くても明治大や東大院に混ざれたこと、優秀なみんなに囲まれたことは、手放せない宝であり、過分な場所にいるプレッシャーでもありました。でも思い返せばそれがあったからまだ生きていられました。それを失わぬよう増やせるよう生きるつもりだったんですが」

理性「4年もあったのだから努力不足だったのかもしれません。ただ、基礎能力が足りない中で自分にやれることを探り、やるということは常に行っていたのでここでは良しとしましょうか。ではあなたのモチベーションは有能な人に囲まれることであったわけですか」

本音「それは間違いないです。東京大学院進学は自分の低い能力値から考えてなお潜り込める最大限の場所でした。研究計画クリア、論述クリア、英語も合格60点のところ45点という結果もそれを表しています。」

理性「受かってないんですから点数の是非は置いておきましょうよダサすぎます。60点のうち45点は結構足りないですよ。しかし受験中に描いていた『理想の生活』の絵にもそれは描いてありましたし、囲まれたいは根本欲求なのでしょうね。」

本音「うるっさいな…わかってますよ。」

理性「大学受験時の英語の偏差値は45でしたし過去問も0点だった中ではよくやったとも思いますよ。届きはしませんでしたがね。
しかし優秀な人に囲まれたい、有能だと目される場所に居たい、なぜなら自己と他者の距離がないから…というのは面倒くせぇ解決の難しい課題ですね…。年収を高くしたいとかであればある程度はやりようも大きいと思いますが、有能な人は有能な場所にいて決して降りてこないし、有能感を感じたいならともかくあなたは半端に賢いので宗教にもハマれない。いや価値観でがんじがらめという点では似たようなものですが茶番を見抜く知性くらいはあるわけでそれがさらに生きづらさを増していますね。結局何かであなた自身を高めて場所を変える、というのが手になるんですよね。」

本音「そう、なんですよね。しかし困るのは来春からです。僕は今まで肩書と周りの人と期待感でなんとか自我を保ってきました。具体的には明治大学生であること、その中でも知識を高めることに貪欲な理解ある人たちに囲まれていること、そんな仲間と東大院を目指すこと…それが、塾講師ですよ。巫山戯るな!!!!!!僕は、配慮ができない発達障害らと…成城大や山口大や名城大やそれ以下と働くために4年間を捧げたわけじゃ断じて、ない!!!!!早慶を追い越すために…追い、追い越すために…」

理性「落ち着いてくださいよ、歪だなぁ。もちろんきみ自身がわかっているように、君自身発達障害で元の能力も高くなく資本で明治大になんとか入っただけですからね。その意見はそれぞれの大学や何より個人にリスペクトが足りないし、そもそも目的的に今を犠牲にしたらそりゃあ無理や未練は生じますよ。追い越すためにも何言ってるか分かんないし。何基準で?てな具合だし。だって早慶の進路は入学者分あるわけで自分より『下』の人もいますよね。雑にくくって勝手に見下したり、馬鹿なんですか?あと純粋な社会人能力では多分ですけど絶対勝てないですよ?欠陥が多すぎます。
他者と自己の距離が近く自己感が薄いADHDの帰結としてはわからんでもないですがね。」

本音「え、急に手厳しいな。別になりたくてADHDになったわけでも鬱になったわけでも無いし僕が悪いんですか?」

理性「悪くはないけどね。しかし実際問題どうするんですか?今後」

本音「どうしましょう、か」

理性「道は3つほど考えられますよ。死ぬ…は論外として。
①そのまま内定先の塾に入社、1年浪人して大学院に行き、専門性(笑)と箔をつけ新卒カードを復活させる。もしかしたら受からずずっと塾屋かもしれないけれど。
➁どこか将来を見通せる別の内定先を見つける
③大学生活の学びに区切りをつける。今までの未練ある学習たちをTOEIC、卒論等細かい成功体験に形づける

というか基本これ全部やればいいと思いますけどね。
ただやみくもに動くのはいけない。これらは全部「正しい」行動です。正解は正解ですけど、自分に向き合わずに行動だけに走ったらそれこそこの1年何をしてきたんですか。」

本音「ううううああああ」

理性「壊れてきちゃったな。まあいいや続けますね。そこで必要なのは
肩書と周りの人と期待感でなんとか自我を保ってきた今までの精神の保ち方を改定する
ってことですね。これにもいくつかある。
根本原因は周りと自分を過度に同一化する心の距離であることがわかりました。これは性向ですから変えづらいところはあるでしょう。ただ二村ヒトシが言っていたような心のふるさとは持つ必要がある。むしろTwtterをやっていない時ほど状態は悪いのだ、と考えておきましょう。結局「自己肯定感のラインをどこに設定するか」なんですよ。
①心のふるさとをみつけ、自己感をより強固にする。というか小説とか読む。
➁肩書を手に入れる努力をする、というか就活する。
③自分でかねを稼いでみる、というか同人音声をつくる。

そんなもんじゃないですかね。
後はこの6個を刻んで方向づけて再始動していくしかないんじゃない?」

本音「また起きましたね。」

理性「これがこれから一生続くと思うと生きている甲斐がありませんね」

本音「ちくしょうなんでいつもこうなんだ頑張っていたのに。応えられていると思ったのに」

理性「全体としてはよくなってきてはいますよ。今回のことはクソでしたしそれはまた書き起こして整理していけばよいですが、また何とかやっていくしかないでしょう」


理性「やっていきましょう」

本音「嫌だよ!!!!!!!!!」



それではいい一日を。



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