(194)ゴールデンルール
運が強い
いつものように5時45分に家を出た。
その日は娘にお弁当を頼まれていたので3時30分起き。炊飯器を持っていないので朝からごはんを炊くためにさらに早く起きた。
寝坊だけが怖いが早朝20分ほど散歩のつもりで勤務先のホテル(週末だけの朝バイト)まで歩くのは嫌いではない。
早朝の「氣」が私をさらに元気にしてくれる。
信号を渡るとカフェがある。
カフェは朝6時30分開店なので当番の人がお店に灯りを付けて準備している。
「このバイトの子は、朝5時30分には来てるんだなぁ〜。」と毎回感動してしまう。
犬の散歩をしている人、家の前を必ず掃き掃除しているおばあちゃん、清掃業の人…すでに世の中は活動している。
「この人たちも4時起きなんだろうな。」と同志の気分だ。
職場に着き、更衣室でユニフォームに着替え、そのあとエレベータに乗ってお店の裏方に入る。
手荷物を決められたボックスの引き出しに入れようとしたとき、お客様からのお手紙が広げてテーブルの上に置いてあった。スタッフが読めるようにわざと全文見えるように。
読んでいくと、お食事の細部に渡るまでの心遣いに感動された「お礼状」だった。
その方はどうやらクリスチャンの女性。
「聖書にもありますように、私たちには
”自分が人にしてもらったら嬉しいことを、人にする”という”ゴールデンルール”があります。」
「さすが高級料亭のきめ細やかなお心遣いは、まさしく”ゴールデンルール”そのものだった。」と。
遠方の方で上京するのを躊躇していたが、東京へ行って本当に良かった、と締めくくられていた。
クリスチャンでなくても
この「ゴールデンルール」は
世界中の全員が持つべき「ルール」。
クレームをいう人は多い。
しかし「お礼の気持ち」をわざわざ直筆で書く人はどれだけでいるだろう?
少なくとも、後者の方が『運が強い』に違いない。