
No war.2
あたしが愛した全てのものに
どうか不幸が訪れませんように
ただひたすら祈っているの
例えばなんて言ってる間に
現実になるような残酷な日々よ
目を閉じ小さく呟いてみるの
「何一つ臆することなどはないと」
今年ももう師走。
いろんなことがあったなーなんて振り返りモードになっています。
今年はいろんなことが切り替わり、または再スタートだった一年で、思えば今、去年の今頃とは全く違った場所に立っている。
例えばここでまた文章を書き始めたこと、いろんな方と繋がることができたこと。
勤務先だった書店は閉店してしまったけれど、新たにまた学びのある仕事に就けたこと。そこで温かい人間関係に恵まれていること。
自分自身が無意識に持ち続けていた『罪悪感』に気がついて、手放せそうなこと。
彼の人との間に強い結び目を見つけられたこと。
個人的には明るく希望のもてる一年でした。

個人的にはね。
だけど、自分自身を取り巻く世界は加速度的に劣化し続けている。
これからは『風の時代』で、つまりは『個の時代』であり、やがて国家や国境も融けてなくなるんだよ!なんてことを言う人もいるわけで。
TVを見ていたら、現職の官房長官が逮捕される事態になるかもしれないなんて騒いでいる。すげえな。
私自身は「日本」がなくなる!とかそんなことはあまり心配していない。
これだけ劣化し続けて、かつて色んな方が愛して守ろうとした「日本」はもう殆ど消えかかっていて、だからこれ以上だらだら劣化し続けて、名前だけが残るのならば、寧ろいっそ名前ごと滅びてしまえ、と思っています。
ただ心配なことがあるとすれば。
私たちの次の世代が、安心して暮らせる世界になるのかどうか。
いいんです。
きちんと守られて、安心して暮らせるなら、国籍は『日本』である必要なんかない。
今の『日本』じゃなにも守れる気がしないからね。
それから、この世界全体が戦争に傾きつつあること。
遅かれ早かれ、日本もきっと何かしらのかたちで争いに巻き込まれるだろう。
巻き込まれるのは情勢で仕方ないとしても、気がかりなのは戦争を美化、賛美する風潮が起きつつあること。
✵✵✵
私の祖父は太平洋戦争で戦死しております。
遺影は多分30〜40代くらい。何故か私はこの祖父の血を濃くひいたらしく、いろいろなところが本当によく似ている。
一度、お話ししてみたかった。けれど、それは叶わない。
それが戦争なんです。
今も太平洋戦争時代にタイムスリップして、神風特攻隊の青年と……なんて映画があるけれど。
今までも、そんな小説や映画はたくさんあったけど……。
もう美化するの、止めませんか。
彼らだって純粋に『御国のために』だけを思って、あんな狂った乗り物に乗ったわけじゃないはずで。
『御国のために』の言葉の陰には、また違った様々な言葉が、亡くなった方の数だけあったはずです。
家族のために。
愛するひとのために。
次の世代のために。
あるいは逆らえなくて。
死にたくて死にに行った方なんか誰もいない。
みんな何かと死を天秤にかけて、けれどやむを得ず死を選ぶしかなかった。
本当は生きたかったはずです。
そう考えたら、それを賛美して美化するのはむしろ罪深いことだと思いませんか。
これだけ書いてしまうと「非国民」と言われても仕方ないのですが。
私が愛するのは『国家』じゃないんです。
私が愛するのは『人間』です。
だから、もしも『国家』が私の愛したものたちをそうして死に行かせるようなことを始めたならば、私はきっと『国家』を憎むでしょう。
左翼でも非国民でも別に構わない。
私は私の愛した全てのものたちに殉じます。
私が私であるために。
✵✵✵
どうか来年は希望のもてる世界情勢でありますように。
とはいっても……難しいんだろうなぁ。難しいんだろうけどさ……。
ここまでお読み頂いて、本当にありがとうございました。
生き延びましょう、共に、手を取り合って。
どうぞ善き一日がありますように。