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神なきこの国の来し方、行く末を考えてみた。
仕事から帰ってきて、なんとなくXを眺めていたら、また性的暴行でとんでもない判決が出ている。
【判決】中1女子生徒に性的暴行、元衆議院議員・椎木保被告に懲役3年・執行猶予5年 東京地裁
まじかよ、なんじゃこりゃ。
でも執行猶予5年なの?
あ、一応、執行猶予とは。
執行猶予とは、有罪判決が下された場合に、刑の執行を一定期間猶予する制度です。執行猶予期間中に罪を犯さなければ、刑罰は免除されます。
あの、これって要するにお手つき一回まではオッケーよってことですか?
ははは……被害者の人生、それでぶっ壊れる可能性高いのに……
しかも被害女子はほとんどうちの娘と同じ歳なんだよ。
終わってんな、この国。
❥❥❥
ネットを眺めていると、週刊文春の訂正報道を受けて、まだ『無罪』だの『文春廃刊』だの叫んでいる人たちがいる。
これも見ていて、頭が痛い……
何が痛いって、読解力の低さが。
スピン報道だ、そっちに気を取られるな!
それも然り。
でも、これは出るべくして出た案件ではないだろうかと、そう私は思っている。
今、この国は危機的な状態で、本当ならばみんなが手を取り合って生活を守らなければならない。
だけど、その手を取り合うことはお互いに拒んでいる。官も民も、男も女も。
だから仲良くしようよ、なんて綺麗事は私は書きたくない。
今までは繋ぎたくなかった手を、我慢して繋いでいただけであって。
振りほどいてしまった今、再び繋げるわけなんかないのだ。
日本は神の国だ、など発言した元総理大臣がいたけれど、そういう慢心がこの体たらくを生んだのだろう。
だって、私が神ならもう見離すもの。
❥❥❥
お互いに望んで繋ぐ手は『愛』だけど、制度や上下関係で繋がれた手は単なる『拘束』であって、それ以上でも以下でもない。
この国は随分と長い間、弱い者たちを『拘束』してきた。
性別、血筋、出自、そういう逃れられない生まれ持った属性。
19世紀の後半に「からゆきさん」と呼ばれる女性たちがいた(以下、かなりの胸糞案件なので読まれる方は注意されたし)
この在り方のまま、この国はここまで来てしまった。その結果が今なのだと思う。
全員とは言わないけれど、男性たちは女性たちを値踏みし、いかにしてその女性たちと手早く性的な接触をもつか ── そればかりを考えているようにみえる。
そしてマスメディアがそれに拍車をかけている。
知ってる?世界のポルノビデオの6割が日本産なんだって。誰かがそんなことを言っていた。
そう、女衒なのだ。
男性たちもメディアも。
親愛や信頼ではなく、金と力でも性的行為を『買う』ことができると知った男性たちは、相手の同意など無視して構わないと思うようになった。
いや、違うな。
『同意』さえ金と力で買えると思い込んだのかもしれないね。
実際、フジテレビさんの件 ── 元ジャニーズ事務所の大御所アイドルの件、それで9,000万円も示談金を払ったのに!など喚いている方は、実際そう思っている方だろうと推測する。
反面、金も力も持たないけれどイージーに性的行為のみを持ちたい人たちが、懸命にネットで女性叩きに勤しんでいる。
女性が自由になることが面白くない人たち。
女性を自分の人生に『拘束』しておきたい人たちだ。
金と力があれば『拘束』しておくことだって不可能ではない。
実際に女性たちも『拘束』を良しとした時代もあったのだ(安定した職業の男性と結婚し、専業主婦になることが美徳とされた時代だ)
それに昔は『お妾さん』と呼ばれる人がいた時代もあった。
その善し悪しをここで問うつもりはない。
だけど、ひとつだけ言えることがある。
そんな時代はもう終わったんだよ。
つまり、あのときの「神」は既にあなた方を見放したのだ。
❥❥❥
「からゆきさん」は公娼ではない。
けれど、その当時の日本政府はそれを黙認したし、助けもしなかった。
彼女たちの稼いだ外貨ありきで日本はここまで近代化できたし、その外貨が日露戦争にも使われた……とどこかで聞いたことがある。
それは黙認するだろうね。
そう考えれば、この国を「神の国」などと称することはかなり烏滸がましく、恥ずかしいことだと私は思う。
なにが神の国だ。
あんたたちが神と思っているものは、本当に神なのか。
罰当たりだといわれても構わない。
そんな差別主義の神などいてたまるものか。
私の嫌いな言葉は「女三界に家なし」だ。
ああ、そんなことをしたり顔で説くやつの家なんかいらないよ。家など自分で作る。だからいらない。
私は私を同意なしに拘束し、消費しようという者がでてきたならば、きっと相手が神だとしても抗うだろう。
当たり前のことだ。
人は誰も不当に拘束などされるべきではない。相手が誰であろうともだ。
ここでは「からゆきさん」を取り上げた都合上、女性に関して書いているけれど、それは男性に関しても言えることだよ。
みんな、そうなんだ。
弱者男性と呼ばれる人たちがいる。
ネット上でミソジニストと呼ばれる人たちと、かなり階層は被るだろう。
全員がミソジニストであるとはいわないよ。
弱者であることとミソジニストであることは、必ずしもイコールではない。それを頭に入れておかなければ、私たちは新たな差別と分断を生むことになるのだからね。
あなた方は(ミサンドリストと呼ばれる女性たちにも言えることだけど)戦う相手を間違えている。
戦う相手はあなたがたを金と力で不当に拘束する誰かだ。
弱い者がさらに弱い誰かを叩いて鬱屈を晴らしている。それで気持ちよくなって、いつまでも本当の敵は叩けない。
目先の気持ちよさ、それだけが全てで他には何もない。
なぁ、これは誰かに似ていないか。
そう、金と力で性的行為を買える、同意不同意すら金で買える ── そう思って、勘違いしている誰か。
選挙に行くことも大事だ。
政治に関心を持つことも大切だ。
だけど、これらの問題を「なかったこと」にして、その上で作られた新たなる日本社会は、たとえ全員参加であったとしても、果たして健全であるといえるのだろうか?
今年で明治維新(1868年)から157年。
ここ何年かでこの辺りのことは勉強してきたのだけれど、はっきりいって『健全とはいえない』
少なくとも私はそういう感想を持ったよ。
巡り往くもの、また巡り還る。
今、ここまでこの性的暴行で国が乱れているのは、かつてこの国がこの体制になったときに、そういったことをみな忽せにしてしまったツケが回ってきているのかもしれないよね。
ここでまたこの国を終わらせて、新体制を立ち上げたとしても、根本的な解決が為されなければ、この問題は何度でもまた繰り返される。
世代が変われど、時代が変われど、そんなことは問題ではない。
私たちが克服するまで、それは続くのだ。
❥❥❥
なんて、ああ。
ここまで頑張って書いているけど、本当はこれも何度も書いて消してを繰り返している。
こんな大層なことを書いてはいるけれど、私自身は何の拡散力ももたないし、コネもなければ学もない。
ただのその辺の主婦だ。
だけど主婦が語ったっていいだろう。
ひとりの女性として、娘をもつ母として。
いつかの私は語る声を、言葉を失っていた。
この世界に感じる不調和を、疑問を、不均衡を問う術を失っていた。
この力は私ひとりで取り返したものではなくて。
だから、この言葉がどうか必要な誰かに届きますように。
この世界に疑問を感じる誰かに。
この国の不均衡に苛立ちを感じる誰かに。
自分自身の感覚に揺れている誰かに。
どうか、この文章がそんな方の灯りになりますように。
これからの時代の変わり目を生きていく私たちのために。