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朝陽があたる西の窓

 北西の角部屋の窓は当然ながら北と西に面している。我が家の狭いベランダの窓は西向きで、夏の午後からは酷い陽射しになる。外にはすだれ、中には遮光カーテンをかけても暑くて散々だ。

 それでも、秋、冬、春の一定の時期、この窓からは朝陽が差し込む。向かいの建物のガラス窓に朝陽があたり、それがほどよく反射するのだ。短い時間だが、朝陽に「おはよう」と言えるのはうれしい。反射光でも朝陽はありがたい。

 暑さはすごいが、西窓そのものにもいいところはある。夕焼けが見えるし、2階の窓からはたそがれどきの交差点を眺めることもできる。陽が落ちた直後の一瞬、夢うつつのような淡い光の中に信号の赤と青が浮かびあがる。その一瞬を待つのも楽しい。

 

 

 

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