【24/10/7】「居る」の講義

※じんわりホラー

皆さん、こんな経験はありませんか?

家にひとりで居るはずなのに、なぜか妙に何かの気配を感じるとか。
誰もいないことはわかっているのに、急に振り返りたくなるとか。
人がいたような気がして顔を上げても、そこには何も無かったりとか。

これね、ぜんぶ「錯覚ですよ」っていう人、いるじゃないですか。

そんなわけないじゃないですかあ!笑

だって考えてみてくださいよ。
私たちの体って結局、細胞でできているわけでしょ。
ザワザワするって感覚があるってことは、つまり細胞単位で「ザワザワしてる」んですよ。実際に。

ではなぜそんな反応が起こるのか?
細胞が反応する「何か」が、そこにいるからに決まってるじゃないですか。

じゃあそれは何なんだって話になりますよね。
何だと思います?
そこの、1番左の列の前から5番目の人。
どう思います?

……ああ、いいですね。
残滓、ですか。うん、素晴らしい。
ほぼ正解ですよ。

そう、そこに居るのは自分自身なんですよ。
昨日の。或いは先月の。はたまた小一時間前の。
自分が脱ぎ捨てた、コピーされ死んでいった細胞たちの残りかすです。

あなたが一人でいるとき、あなたの感覚は最も研ぎ澄まれる。
その時感じた存在感は、あなたが生きてきた証なんです。

……あ、だからって無闇に話しかけちゃダメですよ。

そりゃあそうでしょう。
まがりなりにも、あなたと違って無念のまま活動をやめざるを得なかった負け犬の塊なんですから。

波長が合っちゃったら、何されるかわかったもんじゃないですよ。

ふふふ。


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