広島市立中央図書館移転に物申す
各市町村の基幹となる図書館のリニューアルが相次いでいる。
2018年2月に開館した「周南市立徳山駅前図書館」には館内に蔦屋書店や
スターバックスコーヒーが入り、22時まで開館されているなど、うらやましい限りである。
それに対して広島市立中央図書館。立地は悪くない(個人的には不満だが)。しかし、1974年の開館でその後小規模な改修工事は行われたが、築49年で老朽化がはなはだしい。政令指定都市の基幹図書館としてはあまりにもみすぼらくて悲しい。
今回、移転という話が出た。もっと便利な場所へ移転し、使い勝手の良い施設になること自体は大賛成である。
だが、私が物申したいことは、移転が決定するまでの道筋についてだ。
中央図書館を広島駅前の商業施設内に移転するという話は、2022年3月に突然出てきた話である。しかも、「計画がある」という話ではなく、「移転にかかる予算がすでに市議会で成立した」という話が唐突に出てきたのだ。
いったい誰がどこで議論してこんな話になったのか、大部分の市民は知らされていない。
その後市民団体から反対意見が出たため、市側は「現地建て替え」「現地内での移転建て替え」「広島駅前への移転」の3案について比較検討すると約束していた。しかしながら、わずか数か月後には「広島駅前への移転」が決定的となった。これは思うに、比較検討というのは形式的なもので、最初から「広島駅前への移転」が決められていたのではないかと考えられる。決まっているから今さら変更はできない、という行政お得意の手法だ。
思い起こせば、サッカースタジアムも似たような展開ではなかったか。旧市民球場跡地はイベント広場にすることが決まっている、だからサッカースタジアムは作れない、のらりくらりと誤魔化して一向に話し合いが進まず、しびれをきらした球団側が妥協したのだ。何かの既得権益が絡んだのであろう。
行政機関は襟を正してもらいたい。市民に対して胸を張れる仕事をしてほしい。