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140字れっすん。140字の百合小説。②


【私しか見ないで】

「…」ぎゅぅ、と後ろから彼女が無言で抱き着いてくる。「あら、どうしたの?」お腹の前に回された腕を、優しく撫でる。何かあったのかしら、嫌なこと?それとも甘えてるの?手を取ってそっと指先に口付けると、身体がぴくりと震えた。聞こえてきたのは、彼女の小さな小さな声。「私しか、見ないで…」


【スイーツは貴女】

「美味しい?」「うん!」彼女が幸せそうにケーキを頬張る姿に、私まで幸せな気持ちになる。もし尻尾がついてたら、ぱたぱたと忙しなく振ってるんでしょうね。「はい、あーん」フォークに刺した小さな苺を私に差し出す彼女の笑顔は、まるで天使。もう、後で絶対抱くんだから。私のスイーツは貴女。


【おはよう】

「起きた?」「…ん」彼女が身動ぎして、柔らかな髪が私の喉元を擽る。彼女の顔が近付いてきて、唇が重なった。柔らかい。「どうしたの?寝ぼけてる?」頬を撫でると、まだとろんとした瞳の彼女がふわふわと笑う。「おはようのちゅーしたの」そう言う彼女が可愛くて仕方なくて、そっとその唇を塞いだ。


【甘やかす】

そっと近付いて、彼女の後ろから優しく抱き締める。「…何?」少しだけ強張る身体。戸惑ったようにぴくりと震える肩。「んー?こうしたかったから」回した腕に力を込める。彼女が、ぎゅ、と私の手を掴んだ。嫌がらないのは甘えたいってことなんだよね。甘えるのが下手な彼女を私はこうやって甘やかす。

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