早月ふみ

ただの百合好きな者です。 ずっと二次創作物書きでしたが、オリジナルを頑張って書いてみようと奮闘中。 note初心者🔰

早月ふみ

ただの百合好きな者です。 ずっと二次創作物書きでしたが、オリジナルを頑張って書いてみようと奮闘中。 note初心者🔰

最近の記事

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いいふうふのひ。

    • これ以上の幸せがあるかしら

      「真奈美さん」 ドアが閉まると、後ろからふわりと抱きしめられた。纏わりつくシトラスの香り。鼻腔を擽る彼女の匂い。 ああ、どうしよう。途端に胸の鼓動が早まってくる。緊張してぴくりとも動けない私の姿に、彼女が小さくくすりと笑う。 「緊張してますか?」 耳元で囁かれると、耳が熱を持つ。 この状況で、緊張しない人なんていないんじゃないかしら。 特に、私は。 誰かに触れられたこともない、もちろん触れたこともない。キス以上のことは全くもって未経験。 気が付けば、もうすぐ40歳。彼氏

      • 140字れっすん。140字の百合小説④

        【ひどくして】 「…ひどくして」ぎゅぅ、としがみついてくる彼女の言葉に戸惑う。「そんなこと、出来ないわ」「いいから。ひどくして欲しいの」そう言って私の服を掴む手が、震えている。ねえ、怖いの?それなのに、どうしてひどくして欲しいなんて言うのかしら。今すぐぐずぐずに甘やかして蕩けさせてあげたいのに。 【カッコいいって言って】 「ほんとに可愛い…」優しく微笑む彼女が、そっと私の頭に手を伸ばす。撫でるつもりだ。「ねえ、カッコいいって言って?」彼女の手を掴んで、ぐいと引き寄せた。

        • Lady Red Riding Hood

          とある小さな国のお話です。 あるところに、黒髪の目鼻立ちがキリッとした、やや性格は高圧的な女性がいました。森の外れの小さな家に、お母さんと一緒に住んでいたその人は、いつも赤いずきんの付いた服を着ていたので皆から赤ずきんと呼ばれていました。 ある時、お母さんが赤ずきんを呼んでこう言いました。 「すみません赤ずきん。大変恐縮なのですが、今からおばあさんの家にお使いに行ってくれませんか?」 お母さんは元秘書だったので、とてもテキパキと赤ずきんに指示を出します。 バスケットの中

          140字れっすん。140字の百合小説③

          【おかしくなりそう】 彼女の柔らかな唇をそっと塞ぐ。絡めた指をぎゅっと握って、優しく唇を食む。「…っ、」口付ける度に、洩れる甘い吐息。ああ、おかしくなりそう。唇を割って舌を捩じ込む。何度も絡めて纏わりつかせて。ちゅ、と吸うと彼女の身体がぴくりと震えた。溢れる唾液も舌で舐め取る。涙がぽろりと頬を伝った。 【よそ見しないで】 「ねえ、こっち見て?」するりと手が伸びてきて頬を包む。ぐい、と彼女の方を向かされて、目の前には不機嫌そうな顔。柔らかな頬がぷくりと膨らんで可愛い。「ど

          140字れっすん。140字の百合小説③

          140字れっすん。140字の百合小説。②

          【私しか見ないで】 「…」ぎゅぅ、と後ろから彼女が無言で抱き着いてくる。「あら、どうしたの?」お腹の前に回された腕を、優しく撫でる。何かあったのかしら、嫌なこと?それとも甘えてるの?手を取ってそっと指先に口付けると、身体がぴくりと震えた。聞こえてきたのは、彼女の小さな小さな声。「私しか、見ないで…」 【スイーツは貴女】 「美味しい?」「うん!」彼女が幸せそうにケーキを頬張る姿に、私まで幸せな気持ちになる。もし尻尾がついてたら、ぱたぱたと忙しなく振ってるんでしょうね。「は

          140字れっすん。140字の百合小説。②

          140字れっすん。140字の百合小説。

          Twitterの140字で百合の小話を書いています。 色んな方のツイート(テキストだったり、イラストや漫画だったり)からインスピレーションを頂いています。 【お願い】 「手のひらのキスは、懇願のキスなのよ?」 そう言って、それはそれは優しく手のひらに唇を寄せる。「懇願?」「お願いします、ってことね」私を見つめる彼女の瞳が、ゆらりと揺れた。手のひらに吐息がかかって擽ったい。「貴女を、もらってもいい?」濡れて光るその視線に貫かれて、もう何も言えない。 【意地っ張り】 「緊

          140字れっすん。140字の百合小説。