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冬の日の朝

 新一星あらたいっせいは壁のスイッチを押した。
 天井の照明は朝の神聖な青白さを一瞬で覆して部屋を暖色に照らした。吐く息が白くてなんもかんも嫌になる朝は床も氷の板を歩いているみたいに冷たくて、まるで泥棒みたいに爪先立ちで歩かねばならない。眠気覚ましにつけた二〇二四年のヒットソング・プレイリストは耳に痛くて、清潔な朝が、みるみるうちに日常へと覆されてゆく。彼は箪笥の引き出しの中から靴下を取り出した。寝癖に揺れた髪の頭を引きずりながら。

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