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老害の人 内館牧子

父と会話をすると、毎回毎回父の武勇伝を百万回以上聞かされ、娘の私や孫達に説教をたれる。
父はまさしく老害の人なのだけれど、そんな父をより深く知るために読みました。
ひいては私ももうすぐ50代、大学でたばかりの人からすれば私も老害の人になりうるので、自分のためにも。
死ぬのも、老害の人になるのも、みんな順番なんだね。

内館牧子さんの本は初めて読むけれど、高齢者に対してあまりに鋭いナイフのような描写に、そこまで描かなくてもと思う場面もありますが、面白い!につきます。
コロナ禍をコロナ鍋と理解したくだりは爆笑ものでした。
父をみていて思う事、それは、誰かのため、社会のために何か役に立ちたいと思う気持ち。それをうまく表現されているなぁと思います。

以下、あらすじは他ネットサイトより引用⬇️
主人公の戸山福太郎。彼は埼玉県のボードゲーム製作販売会社・雀躍堂の前社長だった。しかし、業務を娘・明代の夫である純市に譲ってからも店に出勤し、同じ手柄話をくり返すハラスメントな行為をしていた。
ある日、そんな父の行動に嫌気がさした明代が、到底現実社会では言えないような本音を語り、その言葉に福太郎は反省する。福太郎の寂しそうな姿に明代は少し過言だったかもしれないと落ち込む。しかし、実際は反省はパフォーマンスであり、福太郎は逆襲を企んでいた。そして、近所の老人5人(老害五十奏)とタッグを組み、若年層が抱く理想の老後像(自分磨き)ではない、誰かの役に立つ自分を求めて行動を起こす。
互いに何かを感じ始め、自分たちを見直す人々のリアルバトルドラマ。

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