いつかはいつかでしかない

 自動車運転免許は大学2年生の6月に取得した。しかし、私ペーパードライバーである。長年、ペーパードライバーである理由は、家から職場が近い、家から会社が遠くても、自家用車通勤が禁止されており、通勤手段が電車、何よりの理由が、非正規雇用ということもあり、自家用車を維持するだけの金銭的余裕がなかった、ということである。だから、家族、友人、知人に乗せてもらったりしてきたけど、やはり、地方の田舎故、自家用車をないとなにかと不便である。自分自身の行動範囲も限られてしまう。
 と、いろいろと車を持たぬ事情、いや「言い訳」をいろいろと述べてしまった。

 私は、いつも「正社員になって、いつか自家用車を買おう。」と漠然と、思ってきた。しかし、現実は厳しい。
 終身雇用の終わり、コロナ渦で生まれた新しい働き方テレワーク、働き方改革で見直されている就業時間、副業の解禁など、もちろん、企業によってだいぶ異なるだろうが、ここ数年働き方が多様になってきた。
 私自身、就職氷河期世代であり、就職活動では苦戦、やっと採用していただいた会社もミスマッチで合わず、一年余りで退職してしまった。その後も
「正社員」にこだわって仕事を探し続けたが、正社員で採用されても、ブラック企業であったり、体調を崩したりと、辛酸を舐めてきたように思う。
 大企業で働く同世代をうらやんだりとしていくうちに、時だけが経ち、気がつけば私もよい年になっていた。
 
 このような書き方をしていると、自分のうまくいかないことは社会情勢のせいにしていると思われる読者の方がいても仕方がない。もし、読んでいて不快な思いをさせてしまったら申し訳ない。
 こういう思いがある一方で、ふと、「私は本当に努力してきただろうか?」という自分自身に対して「問い」が生まれた。
 
 「いつかこうしよう。」「こうなったらいつかこうしよう。」と思うばかりで、時間を無駄にしてきたのではないだろうか、ということに気づいたのである。

 予定は未定であるように「いつか○○しよう。」という「いつか」は「いつか」でしかないのだ。その自分の願い、思いを「いつか」にしないためには、日頃から、それを少しでも形にするために、小さな目標から始めたっていいじゃないか。

 「いつか」は「いつか」のままで終わらせないように、今日から、私の今できる範囲で、努力しよう。地に足をつけてその目標に向かって歩いて行こう。
 もう学生ではなく「大人」なのだから、がむしゃらでなくてもいい。楽しく一歩、一歩自分のペースで、地道で確実に、鼻歌を歌いながら軽やかな足取りで、少しづつ、少しづつ進んで行こう。

「いつか」を「いつか」でなく、現実にするために。
 
 

 

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