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また、銀行が潰れちゃったってさ ③一番ヤバい銀行は○○銀行!(愚痴日記 第16日)
社内のカフェでプロデューサーSとお茶してる。
ランチの間中、国債の金利と価格の解説を聞いた。
国債をニワトリ、金利を卵に置き換えた解説で、金利が上がると国債価格が下落する仕組みを理解できた。
私って、なかなかやるでしょ。
ところが、最後にクイズを出されたんだ。
日本にも大量の国債を抱えているヤバい銀行がある。
どこなのかってね。
「みずほ銀行とか三菱UFJ銀行」と回答したんだけど、「ブー」って言われた。
で、その答えを聞くために、場所を変えて、さらに解説を受けることになった。
「ヒントを出そう。みずほや三菱UFJより大きな銀行だ。」
何?そんな銀行ある?まさかね・・と思いながら、
「日本銀行ですか?」と答えると、
「ピンポン!」とS。
日銀がヤバいの ?ちょっと信じられなかった。
「民間銀行もそれなりに国債を買っているけど、今のところ、経営に影響を与えるほどじゃない。ところが、日銀は『異次元の金融緩和』を継続するために、巨額の国債を購入してきんだ。」
「日銀が国債を買ってたんですか?」
「半端ない金額だね。日銀は金融緩和策の一環として、大量の貨幣を供給してきたことは知っているよね。実は貨幣を供給すると言っても、単純にお札を刷ればいいというわけじゃないんだ。」
「日銀は大量の国債を購入し、その代金を支払うことで貨幣を供給している。反対に貨幣を吸収するときには、保有している国債を売却しているんだ。こうした方法は『公開市場操作』、あるいは『オペレーション』と呼ばれている。
「したがって、資金を供給するためには、国債を買うことになる。『買いオペ』と略されることも多いね。長年続けてきた金融緩和政策の過程で、日銀は大量の国債を買ってきたんだ。」
「いま、どれくらい持っているんですか?」
「去年の12月末時点で564兆1000億円だ。」
「564兆円!マジですか?」
「そうだ、マジだ。しかも困ったことに、彼らが購入してきたのは、金利がほとんどゼロの国債だ。日銀が超低金利政策を続けてきたから、当然、そうなるよね。日銀の金庫には、ニワトリ(卵0%)という、役立たずのニワトリがひしめいているというわけだ。」
「当然、損してますよね・・・」
「12月末時点での評価額は555兆3000億円だ。その差額が含み損失額となる。引き算してごらん・・・。」
「大きすぎて、分かりません。」
「88兆8000億円だ。」
気が遠くなる金額だ。
「この含み損失額は、金利がほんのちょっと上昇たからで、3ヶ月前の9月末は8749億円に過ぎなかった。」
「もし、植田日銀新総裁がこれまでの方針転換し、金融引き締めに動いたらヤバいですね。」
「おっ、分かってるじゃないか」
「もし、日銀がFRBのように金融引き締めに動き、金利が上昇し始めたら、日銀の損失は天文学的な水準になる。」
「潰れちゃうんですか?アメリカの銀行みたいに。」
「日銀が潰れることはないと思うけど、様々な影響が出てくるだろうね。まあ、ややこしいから、今は説明しない。もし聞きたいなら、スタッフルームで続きをやる?」
オーダーしたアイスコーヒーも飲み干し、氷も溶けきってた。
「いえ、大丈夫です。もう、十分勉強させていただきましたから。」
日銀、とんでもないことになってるなあ。日銀の金庫で飼われている大量のニワトリ、しかも、ほとんど卵を産まないニワトリたちを、どうするつもりなんだろうか。
まあ、私には関係ないことね。