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企業での研究開発の経験を通じて感じたこと:大学講師としての気づき

私は企業で研究開発を行った経験を経て、現在は大学で機械工学の講師を務めています。この立場に就いたことで、企業で働く中で感じたことと、学生の教育において重要だと気づいた点が多々あります。

特に、企業での研究開発の現場では、単に学問的な知識やスキルだけでなく、「主体性」「課題解決能力」「コミュニケーション能力」が不可欠であると強く実感しました。

単なる学力だけでは足りない

学生時代に勉強が得意だったり、学業成績が優れていることはもちろん素晴らしいことですが、それだけでは社会に貢献できるエンジニアにはなり得ないと痛感しました。

企業で求められるのは、複雑な問題に対して自ら解決策を見つけ出し、チームと連携しながら成果を出す力です。特に強く感じたのは、「主体性」が欠かせない要素だということです。

主体性の重要性

企業では、自分の考えや方向性を明確に持ち、周りに左右されずに行動できる人材が重宝されます。こうした人材は、いわゆる「セルフスターター」として、困難な状況でも自分自身の軸に基づいたぶれない判断ができるのです。

対照的に、受け身型のエリートは、常に上司の指示を仰ぎ、他人の意見に依存してしまいがちです。彼らは「他人軸」でしか物事を判断できないため、自ら問題を解決する力が乏しいのです。この違いは、仕事の成果やプロジェクトの進行において大きな影響を及ぼします。

主体性を育てるために

では、どのようにして主体性を育むことができるのでしょうか。私が考えるその一つの方法は、自由に選択させる機会を増やすことです。

決してすべてをサポートしすぎることなく、適切なタイミングで助けることで、自分自身の考え方を尊重し、自分のやり方で問題を解決する力を養うことが大切です。

また、自分らしさを育む環境を提供し、個々の意見やアイデアを尊重することも、主体性を伸ばすためには重要です。

大学での教育と気づき

大学では、私は主に学生たちが自由な発想でチームでものづくりを行う授業を担当しています。学生たちは、与えられた課題に対して自由にアプローチし、自分たちで計画を立て、試行錯誤しながら解決策を見つけ出します。

こうした授業形式は、私自身が学生だった頃にはそれほど重要視していませんでしたが、社会に出てからその大きな価値に気づきました。

今では、学生たちがこれらの経験を通じて、主体性を持ち、自ら考え行動する力を育んでいることを実感しています。

次世代のエンジニア育成への取り組み

これからも、次世代のエンジニア育成に注力していきたいと考えています。企業での経験から学んだことを基に、学生たちが主体的に問題解決に取り組み、チームと協力して成果を出す力を養う教育を提供していくことが私の目標です。社会で活躍できるエンジニアを育てるために、私自身も日々学び続け、彼らの成長を支えていきます。


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