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第七話 あとがき
まほろば流麗譚 第七話
三忍道中膝転げ、如何だったでしょうか?
勇也たちの時間と茂平たちの時間が混ざり合う複雑な構成となりました。これをしなければ、まほろばのエピソードには落とし込めない。それが僕の結論であり、初めて知恵熱を出して書いてみました(笑)
物語的には背景が大凡分かったという事になります。事の発端は秀頼の死です。その秀頼を甦らせたい淀の願いが妖珠を生みました。勇也たちはそんな思いもよらない事に、いつの間にか巻き込まれていたのです。
【PT】をお読みの方は次作「まほろば始末譚」(仮)にて、どの様に終わっていくのかはご存知の筈ですが、それだけでは物語は死にません。この事件の行く末は連載にて確かめて頂きたく思います。
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茂平は忍びの仕事に虚しさを感じていました。上忍に匹敵すると言われた彼が、この物語で光り切らなかったのは、その迷いと迷いの結末にこだわっていたからです。再び現れた茂平には迷いはありません。最終章にて再登場の折には、兵衛門と五助と共にその真価を発揮してくれる事でしょう。
勇也は物の怪にうんざりしています。それは美代が妻となり護るべき家庭が出来た事に理由があります。
と同時に、その為に何が出来るのかと考えていく事にもなります。
柳生宗矩が江戸に住む者の生きる力を感じ、更にその決意を強くするのとは別のベクトルで、勇也は勇也なりに考えていくのです。
この流れが最後の最強の物の怪に打ち勝つ鍵になって行きます。
物の怪が如何に強かろうと、まほろばの江戸の民は出来る事で立ち向かってきました。その集大成が次章より始まって行きます。
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さて第八話は美琴回となります。もうお気付きでしょうが、白蛇の少女は彼女です。秋月家で唯一珠を持たない筈の彼女には、物語の根幹に関わる存在が連れ添っています。
淀よりも真田信繁よりも、物語をコントロールしているのが彼女になります。そんな美琴が前に出る時、果たしてどんな動きを見せるのか?そんなお話になります。
実は美琴、「月に濡れる。」にも間接的に関わるキャラクターです。それは残り三話の中にて。
では、しばし休んだら始めましょう。
第八話 白蛇妖艶未望節
どうぞ宜しくお願い致します。
マブ