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第六話 あとがき
まほろば流麗譚 第六話 雪風恋情心火華
如何だったでしょうか?
ついに後半戦となり全体的な雰囲気が変わってきてはいます。シビアな部分が入り込んで来た事と、本来四連作であったものを三部作に変更した為、作品世界の背景を放っておく訳にはいかなくなったのもあります。
それを考えた時、まほろばの特徴として掲げていた陽気さが消し飛んでしまうのではないか?
これが執筆前の大きな悩みでした。
まほろば各話はやらなければならない内容と登場する物の怪は決まっています。が、各ストーリーの流れが見えていたのは第三話までです。第四話からは(これどうやって物語の形にすんの!?)と思いながら書いています。
特に今回は勇也と美代の祝言から始まり、信幸と紫乃の確執に繋がります。これを一話の中で成立させる事が自分に出来るのか?そんな重さがありました。
で、結果どうしたか?というと、何も考えずに書きました。いつも言う(後はキャラクターが勝手にやるだろう!)で行っちゃいました。
作者自身が(あーこういう話なんだあ!)と新鮮に見てましたね。やはりまほろば世界は生きている様です。
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勇也と美代、信幸と紫乃の夫婦としての絆は全く違うものでした。勇也と信幸から向ける気持ちは同じでも、
受け止める美代と紫乃の気持ちには大きな差があります。
そして信幸と紫乃は、実は孤独だったのだと思っています。それは屋台で提供をする側で皆と同じく酒を飲める位置にいなかった事が、二人の背景や本心を暗示していた気がします。
紫乃には選択肢が無かったのでしょう。それは勇也と美代から見れば古い考え方や風習になります。
世代間や時代の差は生き方や考え方に影響を及ぼします。そんな今を生きる読者様にも当てはまるものを書けた様な気がしています。
いつだって過去を懐かしむだけでは上手くいきません。
変化したとしても、今しか生きる場は無いのです。
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さて、全体の話としては
何故、妖珠は九つだと分かったのか?
何処で誰が産み出した物なのか?
何故、服部半蔵はそれを知る事が出来たのか?
そんな疑問が残ります。
まほろば全体のプロローグである「嘆きの珠」は、本来は三作目「三忍道中膝転げ」のワンシーンです。この物語が抜けると話しが見えなくはなります。このパートは次の第七話に組み込んでいきたいと思っています。
伊賀の老忍者•茂平は三作目の主人公だった男です。
彼と半蔵が第七話の主人公となります。
そして第七話は物の怪の登場しない話になります。が、今作でいう物の怪ではないものは現れます。
そして最後の珠は何処にあるのか?
これについても判明し、第八話である美琴回にて現れる物の怪に繋がっていきます。
またしても(どうやったらいいのかな🥹?)とは思ってはいるのですが、、江戸の仲間たちに頼ってみます。
まほろば流麗譚 第七話
「三忍道中膝転げ」にて、またお会いいたしましょう。
少しでも楽しみにしていただけたら、幸いです。
マブ