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トリリオンゲームの恋愛スタイルも令和らしい気がするという戯言回
漫画は通り過ぎる感覚に近くて、ファイブスター物語以外は読み返す事もないんです。
元々、部屋に物が沢山あるのが苦手なのもあるかな?
そんなだからコミックを全巻大人買いするのは、ひどく珍しい事なんです。
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池上遼一先生だけは、絵として美しいと思ってます。
この方だけは無意識に「先生」を付けてしまう。
昭和の時代の作品は、とにかく暴力とSEXだった。
劇画というジャンルに属する事とイコールであるくらいに。
激しく痛々しく、男は戦って女の子を手に入れていたし、女の子は男を庇って死ぬか大人しく待っているかなんてステレオタイプだったなあ。
僕は格闘技を齧っていたせいもあって、強い女性を否定はしないが肉弾戦において不利である事は知っているつもり。
だから格闘ゲームなんかがリアリティ路線になった時に、ちょっと違和感を覚えたりしたんだ。
格闘ゲームは非常識な方がいい!って思うのは、何か不思議な力がないと男女戦は成り立たないなぁとよぎるからだったりする。
もしくは劇画の時代のように、ナイフや銃が出てくるしかないもの。傷追い人の世界みたいにね。
それでもバーチャファイターを初めて見た時には、これは傷追い人のようなゲームだと思ったんだから、そのリアリティは劇画世界にあったんだろうね。
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その池上遼一先生が今作画を担当してらっしゃるのが、「トリリオンゲーム」というビジネス作品。
TVドラマやアニメ、果ては映画にまでなるらしい。
常々言ってるけれども、戦うという事は=生きるという事に表現を変えているのが、今だと思ってます。
会社を大きくして目標金額を掲げる。
ライバルを蹴落として成功する事
これだって形を変えたバトルになる。
それにこの作品のヒロインは、とてもやり手のビジネスセンスと立場を持って主人公より格上として登場し、ビジネスシーンの最大のライバルになっている。
半沢直樹なんかも人気があったなあ。
ビジネスシーンとは1番身近な世界で、誰もが共感出来たり夢を描けたりする舞台になっている。
昔はこういう部分は刑事物に纏められてた気がする。
黒革の手帳や白い巨塔はもうひとつ前の世代かな。
また流行りは巡り来ているのかもしれない。
鬼滅の刃なんかも山田風太郎忍法帖だなあーと思っていたしね。
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主人公とヒロインが対等にやり合える舞台が出来たからこそ、この2人の恋愛感情的な表現も令和的なんだと思っている。
どちらかが犠牲になっても欲しい関係ではなく、対等であり続けるからこそ強くなる感情だと思ってる。
何処か興味や刺激を得られ続けていられる事から生まれる感情は=恋愛と単純には言えないんだけど、このハルとキリカは目の表情だけで揺れを見せてくれる。
これは流石の作画力の勝利だ。
そして、どちらかというと血生臭く男気や匂いを表してきた池上遼一先生が、こういう作品の作画をなさるのには当初僕は戸惑ったりもしていた。
が、80歳である先生はこの令和的作品の作画の中でご自身の絵をまた違うベクトルに進化させてらっしゃる!
現在の絵柄は直近の作品である「BEGIN」とも既に違う柔らかさとコミカルさを持っている。
何と素晴らしいんだろう!
いや、話が脱線しているかも、、、
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僕も見習って進化しなければ!
自分の作品には弱い女性は出てこないんです。
男が支えられ背中を預けられるタイプになってます。
得意不得意はあっても対等であるというのは意識しています。
読み手が令和にいるのに、古い時代感では書けませんし、残念ながら僕も今を生きているからです。
自分はもっと勉強しなければ!と日々反省するのですが、、どうにも難しい本は苦手なので蟻の一歩なんです、、情け無い😓
今、下手なりに恋愛模様を書こうとしている中で、この対等性は大切なんだと思ってはいます。
いるんですが、次作はここに至る過程を書くお話になります。
こういう道のりを踏まなければ消化出来ないのは、自分の不器用さなんです、、重ねて情け無いかも😓
かなり上下関係のある状況からスタートして、対等性に辿り着こうと考えています。
強さって何?というのは「田中康介君の日常」でもやるんですが、こちらは恋愛物ではないのでまた違う事をするつもりでいます。
強い女性の強いという部分は来年「Love is...」にて、じっくり考えていきたいと思います。
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強さは多様性を持ちました。
恋愛であったり、暮らしであったり、ビジネスシーンであったり。
今の時代を移す鏡となっています。
そんな作品が書ける様になりたい!
これはnotoを始めた動機です。
恋愛だってハートカクテルの時代から随分身近にはなりましたが、その分ベタベタしたメロウな感性では捉えられなくなっています。
「トリリオンゲーム」が見せてくれる2人の関係。
嫌いではないが好きと言う訳でもなく、お互いの対等さに喜びと絆を深めていく姿も愛の形な気がします。
下手クソな僕は少し前の現代劇2本を経て、このトリリオンゲームの時代に辿り着きたいな。
そうそう、「トリリオンゲーム」未読の方にはオススメですよ。
「お前の作品は下手過ぎて読めねえ!」
という方も、こちらは安心してお楽しみいただけるはずです。是非!
マブ