閉店までのカウントダウン①
それは唐突に告げられた。
いや、薄々は分かっていた。ここのところ、お客さんの数が肌で感じ取れるほど減って売り上げがびっくりするほど下がっている。そして、文具の担当が、印鑑置くの止めるらしい、置いておけばいいのにと嘆いているのを聞いたからだ。
思ったよりも冷静に受け止めた自分がいた。
でも、こないだわざわざ工事をして光回線引いたところやん?
(ぎりぎりまでのADSL回線だった)
レジも新しいのに替えたところだよね?
(取次の都合で全とっかえなんだが)
そのうち、とは思っていたが、それでも2,3年はまだ大丈夫だと思っていたのに。
何より本部の意向は絶対だ。覆るとは思えない。
館の営業さんのほうが、いろいろ条件を譲歩してくれたりしたらしい。本部よりも惜しんでくれたのだ。それには感謝しかない。
あと、四か月。
沈んだ心を抱えたままに参加することになった本屋大賞授賞式。
名刺交換してご挨拶させていただいた方々、ごめんなさい。
発表は7月に入ってからと言われていたから、自分も楽しみたかったから、黙っていました。
ごめんなさい。