「私は部下に厳しいことが言えないのです」というお悩みについて
「私は性格上、部下に厳しいことが言えないのです」というお悩みも管理職の皆さんとのグループコーチングの中でよく出てくるお話です。
なぜ部下に厳しいことが言えないのか?それを尋ねると、多い回答としては、1)部下に嫌われたくないから 2)部下のモチベーションを下げてしまうのが怖いから の大きく2つです。
まずは、部下に嫌われたくないからという理由について、考えてみます。
”部下に嫌われたくない”と言う上司の意識は、相手と自分のどちらのために向いているでしょう?
自分を守りたいと言う自分向きの矢印になっていると思いませんか?
これは私の経験上の持論(以前も書きました)ですが、"できない部下ほど勘違いが多い"のです。
マネージャーのあなたがキッパリと"あなたはここはできていませんよ"、"これはダメです"、"これは好ましくありません"と指摘をしてあげないと、彼はずっと"自分はできている"、"自分は間違えてない"、”自分は悪くない”という勘違いを続けてしまいます。それは、周囲からの彼の評価を下げますし、何よりも彼に成長にとっての妨げになります。
例えて言うならば、焼きそばを食べて、前歯に青のりをつけている人に対して、「前歯に青のりがついているますよ」と教えてあげないことと一緒ですし、正しい投球フォームが身についていないのに、140kmの豪速球を投げたいと毎日、投げ込みを続けている野球少年と一緒です。
彼はずっと前歯に青のりをつけたまま人と接し、みんなから陰でクスクスと笑われ続けたり、無理な投球フォームで投げ続け、肩や肘を壊してしまう結果になるのです。
あなたが当事者だったら、「誰かもっと早く教えてくれたらよかったのに〜!」と思いませんか?
ですので、マネージャーとしては、自分向きの保身の矢印ではなく、メンバーのためにという意識の矢印を持ち、厳しいこと、言いにくいことをきちんと指摘して、彼がこれ以上、一人よがりで間違えた言動を続けることにストップをかけてあげて欲しいのです。
もしかしたら一時的には、彼から嫌われてしまう可能性はゼロではありません。しかし、愛が有れば、いつかはきっと伝わります。そして「今思えば、あの時は本当に有り難かったなぁ」といつか分かってくれる時が来ると信じましょう!(青臭いことをいってごめんなさい。)
是非、その恐怖に負けすに、メンバーに対して真正面から向き合ってください。
2つ目の「メンバーのモチベーションを下げてしまうのが怖い。」に関しては、耳の痛い話をきちんと前向きに受け取ってもらう伝え方があります。
これはまた別の機会にきちんとお話をしたいと思いますが、大事なのはやり方よりもあり方です。マネージャーとしてのあなたの姿勢が最も大事です。
メンバーのために、きちんと厳しいことを伝えることは、部下の成長のために必要なことであり、マネージャーの責務だと肝に銘じ、決して逃げないでいただきたいと思います。
今日はこの辺で失礼させていただきます。
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