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2023年10月の記事一覧

【短歌】8首/花々と星空のアダージョ

1.密やかな夜風の中で花々は揺れて香りの言の葉交わす   2.宙は虹色ときはなち咲く花の芳香麗し沈丁花 3.揺れ動く短き命花のよに瞳の奥に吾子の面影   4.呼応する互いの思い流れ星今宵も届く言霊ひとつ 5.星月夜濃藍の宙に星々は撓むる如き煌めき飛ばす   6.瞼閉じ聴き入る星の音微やかに響く記憶のガムランボール 7.アポロンよ夜の帳が降りる前 宙に記すは愛ぐし人の名   8.ヴィオロンの流る旋律懐かしく囁きかける愛のアダージョ

自由詩「落ち葉の会話」

「ねえ、あなた何処から来たの」 「私は、風に舞いながら果てしも無い野原から」 「私はね、水の面を漂って川岸の葦に引っ掛かった所  強い風に吹き上げられてよ」 「何処に、行くかは風まかせね」 「そう、そして何時か干からびて空中分散して無くなるのよ」 「私達が新芽を出した頃、美しい日だった。 美男のアポロン様のキスで伸び伸びと体を広げた穏やかな朝」 「そう、空は青く冷たく澄んだ川は流れ、私達は空中で揺れていたわ」 「川面に映った自分の姿のしなやかさにウットリ」 「