陽焼けしたくない
私が20代のころ、陽焼け予防より「陽焼け」が流行っていた。陽焼け止めより陽焼け剤がよく売れていた。男の子がガールフレンドの背中にぬるのは、サンスクリーン剤ではなくコンガリ焼くためのオイルだった。
若いころ私が陽焼けオイルをぬったのはコンガリ焼くためではなく、同じ色黒になるのならきれいな色黒になりたかったから。とにかく私はいつも色黒だった。
高校生のときは「色の黒い子」として校内で有名だった。マレーシアに1週間滞在したら、本人が日本人だと言っているのに、「ノー、あなたはマレーシア人(英語)」と決めつけられた。確かに写真を見ても現地の人より黒い。
陽焼けオイルの購入が陽焼けを防ぐためのクリームに変わったのは、いつからだったかな? 34歳からテニスを始めたが、そのころは陽焼けを予防していた。
しかし、その頃はまだ優秀な商品がなかった。伸びが悪い。乳液を混ぜて懸命に伸ばしていた記憶がある。
昔はぬってもさほど効果がなかった。予防しても夏は真っ黒に焼けていた。昨今のUVクリームは優秀。特に選択しなくても何処のメーカーも優れている。
優れたUVクリームに乳液を混ぜているので、さらに伸びが良くなる。ぬりやすい。夏はファウンデーションも混ぜる。
今は色付き乳液というのもあり、粉白粉もUV効果があるのでファウンデーションをぬらなくてもいい。
ちょっと買いものに外へ出るときも、夏はサンルームで洗濯物を干すときも、ささっと手早くぬれる乳液入りUVクリームを。昔と違って手軽で簡単。面倒ではない。
無防備に焼きすぎた昔の日々を後悔している。今はとにかく焼けたくない。
69歳のときに大阪から石川県に移住したが、ご主人と富山県にUターン移住した従姉が「気をつけないと都会より田舎のほうが焼けるよ。太陽を遮る高い建物がないから」と言った。
大阪で熱中したテニスを、やっと72歳のときに再開したが、幾つかの理由で断念した。一番の理由は体の不調だが、理由の一つに切実な問題として「焼けたくない」も。
移住地で仲良くなった友が、いつも私の肌を褒めてくれる。少しは努力している。
わたしは昔も今も日傘を差さない。いつも帽子。そして夏も長袖しか着ないという徹底した予防はしていない。だから昔より色白になったといっても、中途半端。
でも、太陽を嫌って徹底的に避けたいとは思わない。光は浴びたい。いろんな野菜に光を浴びさせ、一時、飲み水にも太陽を取り込んだことがある。
病気とかではなく色白の肌を守るため、常にカーテンを閉めて光を遮断しているという女性もいるが、私は太陽と仲良くしたい。少しは色黒になってもいいと思っている。
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