純愛物語

<シネマでTOLK&本deコミュニケーション 25>


WOWOWだったかな? 珍しく夜遅い時間の映画を(といっても8~10時だが)途中で居眠りしないで最後まで観た。
映画タイトルは『アナログ』。二宮和也と波留主演の邦画。邦画を観たのも久しぶり。

昨年秋に劇場公開されたそうだが、それは知らない。タイトルを見て、ビートたけしの小説が映画化されたとすぐわかった。
小説を読んだ。本に「2018年4月読」とメモしている。新潮社から発行されたのは2017年9月。アマゾンに注文したのかな? 義兄の車で能登に行ったときにブラリ書店へ出かけ、見つけて買ったようにも思う。

「ビートたけしさんてこんな恋愛小説を書くんだ」って思った。ますます好きになった。
私ははるか昔からビートたけしさんが好きなのだが、なんでなのかよくわからなかった。人気お笑い芸人だからでもなく映画監督として有名になったからでもなく、ロマンチストな面を感じたのかもしれない。
テレビで人気のタレントさんたちは、個性的で稀有な存在というなかに、どこかフツーの面も持っている、常識的、品がある……という人物だと私は思っている。
(常識とか品とかを備えていなければ強烈な個性だけでは一時の人気を得ても、その人気は長続きしないと思う)

ビートたけしさんに私はソレを感じた。「こんな純愛物語を書くんだ」と思ったが、特に驚いたわけではない。小説を買う前から、惚れた女には純な面があるんだろうなということは想像できた。
ビートたけしさんを好きな理由は、「普通の常識も持ち合わせ、そして実はすごいロマンチスト」だから(なのかも)。実体は知らないが、そういう人格を感じたのではないだろうか。

顔やセリフに表れなくても、人間ってそういう中身が淡い香りのように染み出てくるのだろう。
心底意地悪な人は、口では優しいことを言っても好かれない。信頼されない。心身に潜む「真」というものが人に伝わるのだろう。


デジタル時代の今日、アナログな価値観を持つ男女が惹かれ合った。

二宮和也と波留ファンは必見。携帯で簡単に連絡を取り合う今の時代に、心に染みる物語である。
脚本は港岳彦、監督はタカハタ秀太。ビートたけしが綴った小説本もお薦めです。

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