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偉人が集う邸宅 一ノ倉邸 イワテ歴史的建造物巡り20

先日、盛岡市内を歩く機会があり、せっかくなので今まで行ったことのない所に訪れてみました。

一ノ倉邸

こちらの盛岡市安倍館にある邸宅。

一ノ倉邸と言い、盛岡市保護庭園になっている所です。

ここの建物と庭園の事前知識は今回あまり無い状態で来ました。

結構楽しみです 三( ^ω^)♪

さっそく珍しいものがありました。
盛土の脇に建てられる台形型の石?が煉瓦造りになっています!

門を抜け、その目の前には大きな邸宅が現れます。

建物の周りをさらに囲う塀があり、庭の中に庭がある感じがして、不思議な空間です…

一ノ倉邸の説明板がありました。ここで知ったのですが、東京府知事も務めた阿部浩が建てた建物と庭園だったそうです\⁠(⁠°⁠o⁠°⁠)⁠/

明治時代に東京から大工と庭師を呼び、料亭を模して建てられた数寄屋風の建築とのこと。

邸宅の名前が阿部邸としてではなく、一ノ倉邸として保護を受けているのは、盛岡市に建物と庭園を寄贈した方の名前が一ノ倉さんだったことに由来しているそうです。

建物から見に行ってみましょう。

見学無料
撮影OK

塀に沿って進むと、、

玄関が見えてきました
一ノ倉邸玄関

玄関に到着しました〜

見学希望者は、呼び鈴を押してお呼びくださいとのこと。

さっそく呼び鈴を押すと、受付の方が来て中に入れて貰えました〜

内部で撮影したもののSNS掲載許可を貰い、
内部の見学開始です♪


写真に人が写り込まない様にする為、伝わりにくいかもしれませんが、多くの見学者が訪れていました。

今回、一ノ倉邸を見学して、私が面白いと思ったものがあります。

格天井

それは、こういった建物についての細かい説明が所々見られることです。

玄関には天井についての説明が書いてありました〜

その奥には、立派な書が見えますね〜

なんてかいてあるんだろ、、

どれどれ…

吾郷楳荘、、、

この建物の別名の様ですね。

吾郷楳荘(あきょうばいそう)扁額説明板

え!?

伊藤博文の書!?

なんと、ここに伊藤博文が訪れていたとのこと。

阿部浩の妻、辰が安倍宗任が詠んだ和歌のエピソードを伊藤博文に話し、それに感銘して書いた額である、とプレートに書いてあります。

この建物の案内図を、先程の受付から受け取っていたので、それを見ながら進みます。

玄関脇の小部屋は現在、資料展示室としての活用がされています。


廊下に出てみましょう。

なんだ、この空間は…!?

まるで、美術館だ、、、

この明かりは、天窓からです!

天窓を見上げる、、

暗い廊下に差し込む太陽の光は、優しく明かりをいれる設計、、、

誰が設計したのか気になりますᕙ⁠(⁠⇀⁠‸⁠↼⁠‶⁠)⁠ᕗ

案内によると、ここを含め、四ヶ所に天窓があるそうです。

え、隠し扉もあるの?

見えにくいかも知れませんが、確かに滑車があります。

天窓は、近くのお手洗いにも天窓があるとのこと。

見に行きますよ〜( ^^)

おぉ~
お手洗いはタイル貼の床でモダンですね〜!

、、、あれ?

このタイル、、、

端っこが少し傾斜がついてる?

自分の予想なので実際は分かりませんが、
水が壁との角に溜まらないようにするための工夫ですかね?

仕掛けが面白いですね〜

天窓二箇所目を発見!

さらに廊下の先へと進みます。

今度はアーチ型の扉が見えてきました!

この部屋の名前は、、、

密談の間、、、

会議室としての利用をしていた部屋のようです。

陳情の間

ここで話し合いをしていたのですね〜

色々なものが展示されている部屋で、紹介しきれないです、、、

ここでは壁の説明が設置されていました。

漆喰の壁

ここで初めて壁が漆喰であることを知りました!

東日本大震災でも崩れなかったとは凄い、、、

壁が白くなっている所には隠し柱があると説明にあったので引きで壁を見てみましょう。

結構はっきりと分かりますね〜

他の部屋も見返すと結構柱が見つかります!

では、次の部屋に行きます〜

ちなみに、ここの廊下は刀が振れないように狭く、陳情の間に近づく人が分かるように床に小窓が設けられます。

廊下の奥へ…

廊下の突き当たりには、明るい和の空間が広がります。

この小さい戸棚みたいなものはなんでしょう?

この空間は水屋というのですね。
茶室に付随して器物を納める為の空間だそう。

え、茶室あるの?

この写真の手前の部屋は先程の陳情の間、、

ということは、奥の部屋が茶室?

行ってみましょ〜

ちょうど、デザイン専門学校の学生さんの作品展示が行われていました。

ポスター

もし、ここが茶室であれば、床に特徴があると思うのですが、、、

あった!

ありました!
炉です!

この正方形の畳の下には炉があり、茶室などに見られる特徴です。

それにしても、広いですね〜

欄間も凄いな〜

神代杉、、!?

ということは、自然のデザイン!

職人さんの腕が凄い!

大広間

他の部屋がまだまだありますので、他の部屋も見に行きます。

通路にある電話機
廊下

てくてく、、

右の部屋へ入ります。

この部屋では、パネルなどで建物、庭園、そして阿部浩とその周辺を紹介していました。

模型

色々と資料があるので、見応えがあります〜

この先は玄関に戻り、奥の空間に行きます。

展示室←     →リビングルーム

玄関
リビングルーム

リビングルームに着きました!

マップによると、ダンスパーティーに使ったとか、、


柱時計はSEIKO製
建築当時から現役で今も動く
囲炉裏


五つ珠そろばん
リビングの奥へ


この先にはお風呂場があるようです。

洗面器

洗面器は蛇口以外、建築当時のままのようです

浴室

モダンな浴室ですね〜

すぐ脇に小部屋がありました。

恐らく脱衣場だと思います。

浴室説明板


五右衛門風呂へ近づきます。

天井は換気口として穴が開けられています。

「小学生のみなさん」と書いているので、校外学習などで使うための説明でしょうか?

黒いタイルが美しいですね〜

こちらは水を貯める用の桶だそうです。
蛇口は明治のものだそうです。

貼り紙には黒川紀章の名がありました!!

日本文化会議の会場としてこの、一ノ倉邸が使われた際に蛇口が珍しいものだと黒川紀章氏が教えたそうです。

ちなみにですが、黒川紀章は建築家で中銀カプセルタワーなどを手掛けました。
岩手県内では久慈市のアンバーホールを設計しています。

有名建築家も訪れていて驚きです!

風呂場から戻り、座敷へ来ました。

このエリアは生活空間として利用していたとのこと。

色んな生活品が置かれています〜

大正〜昭和に造られた
YAMAHAのピアノ

このピアノは、一ノ倉さんが住んでいた時に置かれたピアノだそうです。

作家・高橋克彦が利用した机

多くの方がこの邸宅に関わっているのですね〜

1番奥の部屋は便所のようでした。

阿部浩専用便所と説明板

阿部浩専用便所と書かれた説明板がありました!

家の主専用とのこともあり、立派な造りをしていますね〜

書生部屋説明板

また、すぐ脇には書生部屋という部屋がありました。

住み込みで学生が馬の世話などをしていたと説明板に書いてありました。

建物の中は広く、迷子になりそうです。

次は外に出て庭園も見に行きます〜

玄関前に小屋?
来た道を戻り、、、
庭園案内図

この案内図を見ながら庭園を見ていきます。

建物に額が掛けられていますね。

扁額

扁額は阿部辰夫人による書で、「明◯獨」とあります。

月の松

すぐ近くには月の松があり、自然に曲がり三日月の形になったとのこと。

庭園はかつて池があったそうですが、今は水が張っていません。

池の底を歩いて廻ります。

中尊寺ハス

この先にも珍しい松の木があるそうなので向かいます。

曲がり松

この木が曲がり松といい、美しい円を描いています。

この松も自然に曲がり、綺麗な◯になっているのが面白いですね〜

さらに奥へ、、、

ここは、トトロの家と名づけられた場所です。

木の下にトンネル?がありました!

 

裏手に回ってみても空間が分かりますね〜

あれ?

煉瓦造り、、、?

人工で出来た穴なのでしょうか?
もしかしたら防空壕とか?

あくまでも自分の想像なので本当の事は解りません
ᕙ⁠(⁠⇀⁠‸⁠↼⁠‶⁠)⁠ᕗ

近くの通りには栗が落ちていました。


通路は阿部浩専用便所の脇まで廻ることができました。

ここには珍しい花があるとのことでしたが、5月に咲くので、この日は観られませんでした。

今回は少し長い記事になってしまいましたね(汗)

一ノ倉邸は広い邸宅だけでなく、庭園も見どころが多いので長い時間居座ってしまいました。

庭園は季節によって様々な表情を見せるみたいなので、時期をずらして再度訪れたいと思います!

皆さんもぜひ訪れてみてはどうでしょうか?

【建造物DATA】
名称:一ノ倉邸
年代:明治時代
設計:東京の大工?
住所:〒020-0126
   岩手県盛岡市安倍館町19−64


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