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国会図書館で昭和を想う土曜日の午後

今日は午前中に心療内科へ行った後、調べ物をしに国会図書館へ向かった。

昔の恩師の依頼で、ある1人の日本人が終戦後に南方から復員したことを証明する資料を数年前から探し続けている。
その主なリサーチ場所が国会図書館だ。

国会議事堂の横を通りながら、
7分ぐらいテクテク歩いて、
到着。

◆◆◆

混乱を極めた終戦後の日本では、戦地から帰国した人々の公式の記録や名簿は十分に作成されておらず、断片的な資料が散逸しているらしい。

恩師からは時間をかけていいからと言われているが、でもいずれは絶対に見つけてねと無言の圧(?)をかけられているので、なんとか頑張らねばならない。

◆◆◆

現在あたっている資料は、当時の第一復員省が作成した南方地域からの復員者名簿である。

マイクロフィルムやデジタルアーカイブではなく、触れると破れてポロポロ崩れてしまうんじゃないかと心配になるような、セピア色に変色した紙の名簿だ。
新聞紙サイズで、刊行日は不明。

目を皿のようにして、無数の名前の中からたった1人の名前を絶対に見落とさないように注意深く探し続ける。
こういうアナログな作業は大好きなので、苦にならない。
しばし時を忘れて復員者名簿という歴史の海の中を泳ぐ。

◆◆◆

きりの良いページまで進んでから、お昼ご飯を食べに6階の食堂へ行った。

せっかくなので「国会図書館カレー」にしてみた。500円也。

具は半分に切った大きなじゃがいもがゴロリと横たわっているのみ。
カレー全体として味はごく普通だが、じゃがいもが妙に美味しかった。

◆◆◆

17年前から断続的にこの恩師の研究のお手伝いをしていて、激動の昭和を生きた前述の人物に関する調査や資料収集のために国会図書館をちょくちょく訪れている。

時代に翻弄された個人の足跡を辿ることで昭和史の一端を知ることができるのは、私にとってこの上なく貴重な経験である。

◆◆◆

復員に関する事実がなんとか見つかることを祈りながら、これからもしばらく国会図書館に通う。

次回は何を食べようか。
国会図書館カレーはもういいや(笑)
かき揚げうどんあたりにするかな。

「風景の舞奏」(松永勉 1989年作)

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