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「20代の社員活躍中」という求人

転職や就職を考えている方なら、一度は見たことがあるだろうこのフレーズ。
これは事実上、20代以外の人が応募してきても採用は難しいという宣言です。

平成19年の法改正により、採用時の年齢差別が一部例外規程を除き、禁止されています。
定年制による上限の記載、学歴による下限の記載は認められていますが、同じ下限の記載でも、18歳以上、という書き方は認められません。学歴による制限は認められるので、高卒以上、と書くのはOKです。

そこで考え出されたのが、「20代社員活躍中」という表現。
「20代歓迎」はNGです。応募者にしてみれば、どう書こうが、意味は一緒なのですが。

長く採用に関わってきて、個人の考えでいえば、正直年齢なんてどうでもいいとも思います。
40年近く仕事をしてきて、年齢ほど個人差があるものはないな、と感じます。
ですから、単純に年齢を採用の条件にすることの不合理はよくわかっています。

しかし、日本には「定年制度」というものがあり、一切年齢を不問で採用することもまた困難さが付きまといます。今は役職定年という考え方もありますね。55歳もしくは60歳になるとすべての役職がなくなる、というもの。これを厳格に運用したら、50歳の人を管理職(ある役職)として採用するのは微妙ですね。

また、事務職という職種に限って言うと、事務処理能力は50歳前後で頭打ちになり、その後ゆるやかに下降線を描く、という考え方も人事には根強くあり、それも採用に年齢の要素を除外できない要因のひとつです。

でも、もちろん日本全体としては人手不足なので、職種によっては年齢を問わない仕事も多くなっています。
私が知ってるだけでも、ユニクロ・スタバ・マクドナルドなんかは高齢の方が多くなった気がします。
モスバーガーは早くから高齢の方の雇用を積極的にしていて、私の印象では高齢の方が多い店舗ほど接客がいいと感じます。

今はこのように、接客サービス業や介護業界などが多いものの、人生経験が生きる仕事は増えてきたのはいいことですね。

あと10年経てば、定年という制度自体もなくなるのかもしれません。

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