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観劇日記:歌うシャイロック

【初めに】

演劇好きな一般市民の観劇日記でございます。なるべくネタバレはないように…と心掛けますが、気になる方はご覧なさいませんよう…
そしてあくまで主観で語っておりますので、予めご了承くださいませ。

「歌うシャイロック」を鑑賞しました。


ずっと行ってみたかった南座。
公演時間は休憩込みで3時間40分!
初演は兵庫県立ピッコロ劇団さん。その時は拝見していないのですが、知人からとてもいい!と聞いていたのでワクワクしながら入場しました✨南座さんってチケット改札と客席までの所謂ホワイエの空間がすごく短いんですね…!スタッフの皆様が立ち止まらず進んでくださいと懸命に案内なさってました。

今回のお席は中央最前列…✨(一度鄭さんワールドを間近で体験したかった😆)
到着してみると、座席にはエアウィーヴの座布団が。腰痛持ちにはなんとも有難い事です。松竹さんすごい。そして売店でパンフレット購入。ドキドキしながら開演を待ちます。

作品はシェイクスピアの名作喜劇「ヴェニスの商人」。悪徳金貸しシャイロックに主役に据えています。
作演出は鄭義信さん。鄭さんの魅力といえばこれでもか‼️っというくらいのこってこての関西の笑いと本能、理性、楽しさ、苦しさ、悲しさ…人間の持っているものをギュギュッと詰め込んだ濃厚に人間を描いた物語…と思っているのですが、今回もその魅力がぎゅーっっっと詰まっていました😊
ちなみに体感では3時間40分のうち8割は笑い、特に裁判のシーンでは涙を流しながら笑いました🤣(ポーシャ@真琴つばささん、ネリッサ@福井晶一さんのファンの方は特に必見です!)

全体を通して1番体力的にとにかくハードだなぁと感じたのはマギーさん。3つのお役全てが物語のどこかスイッチになっていて、台詞も台本なのかアドリブなのかわからないくらいの瞬発力で楽しくて面白くてグッときました‼️
同じく複数のお役を担われたのは小川菜摘さん。
バラエティやトーク番組では存じ上げていましたが、演劇では初めまして。またこの方が面白い&可愛い‼️肝っ玉母ちゃんマージャリーとおとぼけ系執事のパルサザー全く違う魅力の2役を楽しませてくださいます✨
マージャリーの息子、ラーンスロットは駒木根隆介さん。一癖も二癖も毒もあり…どこか大物感たっぷりなラーンスロットは人の真実を語っているような…「お気に召すまま」のタッチストーン的な役割なのかな?
そして「音楽劇」の部分を大いに担う真琴つばささんと福井晶一さん💕💕💕
宝塚でのトップスター時代を映像で拝見して素敵…!と思っていたまみさんが大好きなポーシャ役!可愛くてカッコよくてコメディエンヌぶりも大いに発揮‼️見事な裁判官さまでございました✨
福井さんは同じく鄭さんの作品「てなもんや三文オペラ」に続く女性役。前回も思ったんですが、体型がっちりしてるし、声も低くて太い。なのになんで女の人にしか見えないの…⁉︎不思議でしょうがない…‼️裁判の場面では男装(もはやカオスな状況)なのにちゃんと男装に見えるんですよ…‼️もーなんなのこの人🤣好き‼️ってなります🤣
そして「ヴェニスの商人」原作の主役であるアントーニオ@渡辺豪太さん。公明正大を絵に描いたような、そして親友(でいいんだよね…⁉︎と疑いたくなる…というかそこ狙ってるよね⁉︎案件)パッサーニオへの無償の愛を持つアントーニオ…(続きは劇場で❗️)めっちゃくちゃ素敵でした!彼のその後の人生が幸せであるようにと思わず祈ってしまいます…。
そのアントーニオの親友でポーシャの夫、パッサーニオ@岡田義徳さん。個人的にはパッサーニオ大っ嫌い🤣…腹が立つけど憎めない…けど嫌いっっってなるところは岡田さんが素晴らしいパッサーニオを創り上げられたからだと思います!が…!個人的にはアントーニオに対してと真逆で不幸になればいいのに…と思っちゃってます🤣
そしてアントーニオたちの友人の1人であり、シャイロックの娘ジェシカの恋人、ロレンゾー@和田正人さん。やー…あの…数年ぶりに拝見したんですが、素晴らしかった。優しくて誠実で、でも手に入れてしまったが故に変わってしまって…すごく人間らしい人。その愚かさも哀しさも全身から伝わってきました。
そのロレンゾーの恋人であり、主役シャイロックの娘であるジェシカ@中村ゆりさん。お名前は存じ上げてましたが初めましての役者さんでした。や、何この人…‼️どれだけ人を引き込むの…⁉︎
原作のヴェニスの商人には描かれていない出奔後のジェシカの姿が衝撃的でびっくりするくらい惹きつけられる。彼女の存在が、シャイロックがなぜ頑なにアントーニオの胸の肉1ポンドを求めるのかのきっかけになっていて、もちろんそういう演出ではあるのだけれど、説得力がすごい。
そして主役のシャイロック@岸谷五朗さん!
なぜ、シャイロックが主人公なのか。ユダヤ人としての生きづらさ、苦しみ、父としての優しさ、頑固さ、人としての弱さ、ぎゅぎゅっと凝縮されていて、特に2幕ラスト(はきっとあそこのはず!)は素晴らしかった‼️
ラストの鄭さんらしい旅立ちの場面も本当に素敵。
これからの彼らに幸せな時間が待っていますように…。と祈らずにはいられませんでした。

最後にこの作品の大きな見どころ、アンサンブルキャストの皆さまです。確かな実力を持った皆様が全編通して大活躍‼️特に大好きなのはポーシャ邸の使用人&メイドさんとラストのユダヤの人々(と解釈してます)。今回メインのセットがとても素敵な大きな橋で、それが場面によって様々な表情を見せてくれるのですが、その転換も音楽に乗ってキャストの皆さまが芝居として行なっていくんです。転換位置やセットのロックなど、少しでもミスがあると大きな事故に繋がる転換をしっかりとお芝居として成立させながら完璧に転換をされるわけですよ…!かっこいいしかない‼️

あー‼️思い出しながら書いてるとまたみたくなっちゃう…仕事詰まってるから無理だけど😭

気を取り直して…
博多座公演も終わって、次は最後の地東京、サンシャイン劇場✨
千秋楽まで無事に皆さま走り切られますように😊
あー‼️映像化されないかなぁ…!生が1番だけど‼️

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