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凧あげの代償

お正月と言えば凧あげ。

田舎の特権、近所に電線もなく広いスペースがあるため子どもを連れて今年2回目の凧あげへ。

1月7日、今日の風速は7メートル。かなりの強風。凧あげとしては最高のコンディション。

試しにあげてみると、すぐにふわりと成功。



6歳の息子


5歳の娘
自称24歳の妻


こんだけ上がると、めちゃくちゃ楽し〜い。

糸をぐんぐん伸ばして、凧はどんどん上空へ。
行けー行けー!

「いや、ちょっと凧上がり過ぎじゃない?」

そう思っていると、強風にあおられた瞬間子どもの手を離れ、凧だけぴゅーと飛んでいった。

「うわ!あかん!」
凧はドッグランに放たれた犬のように一直線に空へ飛んでいく。金網の遥か上空。

急いでチャリに乗り、凧が飛んでいったであろう方向を探すこと15分。

み、見つからない。全然。

(うわ〜どうしよ。どこかの誰かの迷惑になってたらどうしよ。電線に引っ掛かってたらどうしよう。)不安しかでてこない。

見つからないなぁと何気なく電線を見上げると、薄く白いラインが見えた。あった。電線の上に糸が引っ掛かっている。しかも凧は道路をまたいで住宅地に入り込んでいる。

最悪。

たこ糸は写真でも写らないくらい。

一旦妻に発見したことを報告し、電力会社に電話をして業者に来てもらうことに。

ただの遊びのはずが大ごとになってしまった。

とりあえず、凧が入り込んだ家に謝罪の挨拶にいく。
「すいません、凧がお宅の2階に入り込んでしまったようで、今業者の連絡待ちですので。すみません。」

「ん?はぁ。」玄関に出てこられたおじいさんは、何のこと?みたいな顔をされている。当然の反応。

30分程待っていると、重厚感のある高所作業用の車とバンに乗った3人の作業員の方。

説明を行うと、
「元の状態でお返しできない可能性がありますがよろしいですか?」と丁寧な返答。

「もう全然いいです。糸さえ回収できれば。」


高所作業車の作業を見ながら息子が話しかけてきた。

「なぁ、これ、いくらお金掛かるん?」
「え?いや、どうやろ?」
「200円?」
「いやいや、なんで?」
「だってほら」と高所作業車を指さす息子。
 指差す先には、「重量制限200Kg」と書かれていた。

息子には和ませてもらったけど、これ本当にいくら掛かるんだろう?こんだけ人様に迷惑掛けたら、数万円程度か?全然予想がつかない。

「50万円みたい」
と、妻が小さく耳元で囁いた。
「え?」
「さっきネットで調べたら50万円って」
「え、え〜」
(マジか。そんなに掛かるのか、まぁ、でもこんだけ迷惑掛けたしなぁ。はぁ、新年早々痛い出費)

30分程度で作業は終わり、糸も切らずに元の状態で凧が戻ってきた。本当に丁寧な仕事ぶり。

「本当にご迷惑お掛けしました。ありがとうございます。あ、あのぅ、費用はおいくらでしょうか?」

「あぁ、そういうのは掛かりませんよ。」と笑顔で作業員の方が答えてくれた。

(え、そうなの)
妻を横目で見るとケケケと笑っていた。どうやら、ネットで調べて事前に知っていたようだ。

あの野郎!はかりやがったなぁ!

こんな時に。

気がつけば夕方になっていた。
家に帰り夕食を食べながら、凧の糸は伸ばし過ぎないこと、凧の糸はしっかり持つことと家族で再確認した。

関西電力支部の作業員の方、本当にご迷惑お掛けしました。以後気をつけます。そして、本当にありがとうございました。

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