見出し画像

初転び。

明けまして派手に転びました。
何故、スマホをみながら下り坂を歩いていたのだろう。
後悔先に立たず、いつものように前を向いて、
足元の様子にも気を付けながら歩いていれば
こんなことにはならなかったのに。

アスファルトの路面は固く、
私の柔い皮膚など簡単に切り裂いてくれる。
両手の掌、右膝、右頭部・・・
特に右手は、掌の擦り傷のみならず、
時間が経つにつれ、腫れてきた。

お正月初売りでオープン前の百貨店に並ぶ大勢の
買い物客の報道映像をみながら、他人事と思っていた
自分が、正月休み明け早々に整形外科のオープン前
からリハビリ目的の皆々様と一緒に並ぶことに。
自分が並ぶ理由がカッコ悪すぎて伏し目がちになった。
レントゲン検査の結果、右手の甲の一部にヒビが
入っていることが判明した。どうりで腫れるわけだ。

元旦に初詣を終えてからの初転びは、
食欲を低下させるほどのダメージで、
これ以上、悲惨な目に遭いたくないという思いで
すぐさまPCで「初転び」を検索した。すると・・・

「初転びは福が転がり込みます」

・・・悪運かと思いきや、初転びに関しては
好転だとか縁起の良さを伝える記事ばかりだ。
年の初めに転ぶ(失敗する)と、福が舞い込む
と昔から言われているそうだ。その記事を見て
単純な私は一瞬、気分が晴れた。ただ、擦り傷、
切り傷、ヒビ、打撲、内出血などの痛みまでは
すぐに治まるわけはなく、もうしばらくは、三が
日が過ぎて普段の生活習慣に戻られた皆々様とは
違った生活を送らなければならない。

「自分と向き合いなさい」

しばらく気落ちしていたが、少しづつ痛みの和らぎに
あわせるように、起こったことは仕方がない、自分の
これからを考えていこうと思えるようになった。
それは大きな夢を叶えるといった壮大なものではなく、
自分にとって良いことも悪いことも話せるような人たちを
身近に感じながら過ごせることができないか、という夢だ。

もしかしたら「そんな簡単なこと?」と思われる人も
いるかもしれないが、私にとっては、それほど簡単とは
思っていない。人間は怖い。

そう、私は人間は怖いと思っているから、自分自身に
関しても信用していない。絶対に変わらないと思って
いたことも、何かのきっかけで変わってしまうことが
あったからだ。例えば、好きだと思っていた人が嫌い
に、嫌いと思っていた人が好きになることも・・・

人間でいることの大変さを痛感している人たちが初詣に
いくのだと仮定したら、全国各地で起きているあの大混雑
は、単なる賑わいには見えなかったりもする。私のように、
誰にも言えずにいるような、内に秘めた想いを神社に伺い、
祈っている人が多いのだとしたら・・・妄想するのはこれ
くらいにして、つまりは、自分自身の人間性すら疑って
しまいながらも、こんな自分を受け止めてくれるような
人たちにもっと出会いたいという夢を叶えたいのだ。

この夢を叶えるには、物理的に身近にいる家族だけに依存
するわけにはいかない。むしろ、毎日のように顔を合わせる
家族の方が歩調を合わせるのが難しいこともあるかもしれない。
(※ちなみに、私は家族から「こう考えるはず」などと決め
つけられることが嫌いだ。)

この夢を叶えるには、きっと今まで以上に前へ踏み出す必要
があるのかもしれない。それは直接会いに行くことなのか、
SNSを通じて親交を深めていくのか、まぁ、どんな手段でも
構わないので、これから出会う人たち、もしくは、知人では
あるがご無沙汰しているような人たちも対象に、様々な個性
と知り合うためのきっかけづくりやお互いの感性の再確認など
をしていきたいと思う。

もともと「来るもの拒まず、去る者追わず」の考えで人との
交流においてストレスを肥大させないようにしてきた私は、
これからの生き方としては、仕事付き合いをメインに置かず、
心から大切にしたい個性との出会いを通じて、限りある人生を
少しでも楽しく有意義に感じられるものに昇華していきたいと
思っている。

新年早々、重たいひとりごとはこれくらいにして、
気になるあなたに連絡してみようかな(笑)。 (おわり)




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集