それ、性別関係ありませんよね
ワードセンス抜群だよね、女性なのに。
仕事も出来るしさ。大したもんだわ!
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ああ、褒められている気がしない。
「女性なのに」って、何?と思います。
例えば、女性なのに力持ちだね!なら、まだ分かります。
150㎝そこそこのわたしが、180㎝の筋肉隆々の人と同じ大きさの重い荷物を運んでいたら驚かれるのも無理ないと思います。
(厳密に言えばこれも性差というより体格差だとは思いますが。)
でも、ワードセンスや仕事の出来を「女性なのに」と褒められることには納得がいきません。
それ、性別関係ありますか?
ありませんよね?と詰めたい。
なんでしょう。このモヤモヤは。
女性全体を一段下げられ、上から見下ろされている感じがするからでしょうか。
女性だったら俺らのワードセンスに付いてこれないのが当たり前なのに。
女性だったら少々ドジでも不思議はないのに。
それなのに、あなたはワードセンスがあって、仕事が出来て、すごいね、大したもんだと。
…
バカにしないでよ、と思います。
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企業に勤めていると、どうしても男性比率が高いことを実感します。
正社員での就職率と、結婚・育児・パートナーの転勤・介護などでの離職率に性差があるからでしょう。
以前、取引先が女性である方がやりやすいと感じる確率が高いのは何故だろう?ということについて、考えてみたことがあります。
ここでわたしは、本人が好むと好まざるとに関わらず「男性は働くもの」という社会通念(か思い込みか押し付けか)により、どうしても企業においての男性の割合が高くなる。
女性は仕事が好きか、働かざるを得ない人しか残らない。だから出来ない人=また男性か、となることが多いのではないか、という仮説を立てています。
ただ、妊娠・出産は現状では女性しか行えないことと、月経があること、相対的に見て体格差があること、それら以外で、性別による差は本来、無いはずです。
家事・育児・介護は、性別関係なく出来ることなのに、パートナーの転勤の際、どちらの職場を優先するかに決まりなどないのに、なぜ離職する割合に、性差が生じるのでしょう。
あるとすれば、後天的に押し付けられる社会的役割の差ではないでしょうか。
「女性なのに」にモヤモヤするのは、はっきりと男性優位性を内包した表現なのに、褒め言葉の形を取ることで有耶無耶にされているように感じるから、なのかもしれません。
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ドラマを見ていると、こんなセリフを言ってくれる時代が来たのか!と感動することがあります。
繊細な事柄にいち早く気付く能力の有無に性別は関係ないということ、そんな当たり前なことを地上波で流してくれて、わたしは心躍りました。
現実社会で全員が本人に誤りを指摘できる立場に置かれているわけではなくても、わたしの違和感はわたしだけのものではない、ということを知るのは大事です。
わたしも微力ながら、日常に転がる小さな、取り立てて言う程のこともないのかもしれない引っ掛かりをできる限り、言語化していきたいと思っています。
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