わたし、人間がそんなに好きじゃないのかも

ねずみ、大丈夫なんですか？
ええ、わたしは哺乳類で毛が生えていれば大抵、好きです。

という会話をした覚えがあります。

ただ、誰とこんな変な会話をしたのか
何故ねずみの話になったのか
まったく覚えていません。

もしかしたら、夢の中の話だったか？
脳内で誰かと話していたのだったか？

…

わたしは、口数が多い方ではありません。
たぶん、頭の中で考えていることの３％くらいしか口にしていない。
もしかしたら、３％も無いかもしれない。
そのくらい、あまり喋りません。

口は禍の元、と言いますが、本当の気持ちをうまくオブラートにくるんで上手に外に出せる人は、たくさん喋っても問題ないのだと思います。

ただ、わたしはこれがとても、苦手なのです。
文章で推敲しながらならまだしも、瞬発力を求められる会話の世界でいい具合に喋るのはわたしにはひどく、難しい。

あの言い回しは良くなかったかも
相手がちょっと傷付いた顔をしていたかも
ちょっと調子に乗り過ぎたかも

と後でグルグル悩むことになるので、厳選した珠玉の３％を口に出すようにしているのです（それでも時々失敗しますが）。

で、冒頭の発言です。
誰に言ったのか覚えていませんが、確かにわたしは哺乳類で毛が生えていれば大抵好きです。
合ってる。

犬・猫に始まり
ねずみ・モルモット等の小動物
馬・牛・アメリカバイソン等の大型動物

昨今あちこちで出没している熊には、可能な限り出会いたくありませんけれども。
（小説『 羆嵐 』（くまあらし）を読んで背筋が凍った経験から）
でも適切で安全な距離が取れていれば、好きは好きです。

ふと思ったのですが、人間ってあんまり毛、生えていませんよね。
頭とか眉毛・まつ毛とか、ところどころにしか生えていない。

人間って
わたしの好きな
「毛が生えている哺乳類」に
当てはまらないのではないか？

そうか。
だからわたしは、人間の子どもをかわいいと思えないのかも。

ねずみが苦手、は抵抗なく言えるだろうに
「人間が好きじゃない」って
尖ってる感じになっちゃう不思議。

ハダカデバネズミってご存知ですか。
体毛が無くて、歯が出ているネズミです。

そうすると人間って
ハダカチョクリツザル
だよなあ、と思うのです。

体毛が（あまり）無くて、直立歩行するサルだから。

ハダカチョクリツザルは、あんまり積極的に愛でたいと思わないな…

この本音はでも、わたしが頭の中で考えているけれども口に出さない、残り９７％部分の吐露です。

ハダカデバネズミも、自分が「ハダカデバネズミ」なんて名前を付けられていることを知ったら、傷付きそうだし。