お酒は飲まないし、気の弱さも克服しない。
わたしはお酒がまったく飲めません。
ごく僅かにお酒が入っているお菓子にも反応するので「アルコール探知機」という異名をとったこともあります。
そんなわたしにとって「お酒が飲めないと社会人失格」という価値観が横行していた時代に新卒として社会に出たのは、不運なことでした。
アルコールが入ると直ちに体調が悪化するので、飲まない方がお互いの為なのですと一生懸命説明しても、誰にも聞いてもらえませんでした。
そのうち慣れて飲めるようになるって
俺も若い頃は潰れるまで飲んだもんだよ
お酒が飲めないと世の中渡っていけないよ
健康を度外視した謎理論で説得を試みられるか
シーンとして「空気読めない奴」扱いされるか
俺の酒が飲めないのか!的恫喝をされるか。
だいたい3択でした。
話し合いができないって、本当に不便です。
小さなことを気にしがちなのも
わたしの性質のひとつです。
この件に関しても、よくアドバイスされました。
気にし過ぎだって
気にしない、気にしない
そんな神経質だと世の中渡っていけないよ
…
先日レストランで、お子さんがグラスを割ってしまった為にご家族で隣の席へ移り、元の席のガラスの破片を店員さんが入念に掃除している、という場面に遭遇しました。
親御さんと思しきお2人は、片付けを行う店員さんに笑顔で「すいませんねぇ」と朗らかに声を掛けたきり、そのまま食事を楽しんでいらっしゃいました。
…リラックスしている。
もしわたしだったら。
たぶん、まずは店員さんと一緒に掃除しようと試み、やんわり断られた後にコソコソと、グラス代を弁償したいと申し出るでしょう。
テーブルを移った後もそわそわして、隣の席で作業している店員さんを始終気にしてしまうに違いありません(逆に迷惑)。
いつだって悠然としていられる精神性が羨ましくもある一方、あれは恐らく天性か生い立ち等によるものであり、わたしがその境地に達する機会は、今生では巡ってこないと思われます。
下戸なのに、飲む習慣をつけて見かけ上はそこそこ「飲める」ようになると、体に負担がかかるそうです。
同じように、元々小心者なのに、磊落な性格であるように振る舞ったら無理がたたって体調に悪影響を及ぼすのではないか、と思います。
果たしてそこまでして「うまく世の中を渡る」必要があるのでしょうか。
…いえ、そうしたい人を止めはしないけれど、わたしはわたしのままで心地よく生きる方向で検討したい。
無理はなるべくしたくない。
それが誰かの利益を著しく害しない限り、わたしはわたしのままで、あなたはあなたのままで生きていいはずだ、と思うのです。