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美容院が苦手過ぎて髪を寄付した話

人との会話が苦手です。

わたしが話したいのは、

人類のグレイトジャーニーはどのようにして執り行われたのか、とか
性差別についてどう考えるか、とか
好蟻性昆虫がいるなら、好人間性宇宙人はいるのか、とかであって

今日寒いですねーとか
年末何日まで出勤ですかーとか
クリスマスどう過ごされるんですかーとか
お仕事何されてるんですかーとか
お休みの日何してるんですかーとか

そういう会話が頗る苦手なのです。
ああ、逃げたい。

ということで、美容院が苦手です。

美容師の方々が一生懸命、こちらに気を遣ってくださっているのをヒシヒシと感じながら、
どの会話ならば当たり障りがないかをこちらも頭フル回転で考える、
魔の一時間。

美容師の方を悪く言うつもりはないのです。
彼らはすごい。

美容院は病院ではないので、身分証や保険証を提示するわけでもありません。
だから偽名かもしれない、年齢も国籍も性別もどこの馬の骨ともしれない、ワンチャン石油王かもしれないが、最悪人斬り以蔵かもしれない目の前の人の髪に触れ、洗ったり乾かしたり切ったりする…

しかもその神業を繰り広げながら、相手に合わせてリラックスした雰囲気で会話するなんて。

わたしにはとても無理。
リスペクトしかありません。

ただ、尊敬する気持ちと、苦手だと思う気持ちは矛盾なく両立します。

2019年末辺りからしばらく、不要不急の外出は控えましょかという風潮となったので、わたしはいち早く
「美容院に行かない」
という方針を定めました。

誰のために。
ただ、自分のために。

で、今に至ります。

石の上にも3年。

伸びに伸びた髪を、洗ったり乾かしたりするのが億劫になってきて、
ちょっと掃除を怠ると、わたしの抜け毛が部屋の隅にとぐろを巻いて落ちているのを見かけることになり、
洗面所やお風呂の排水溝もすぐ髪の毛が溜まる。
普段はまとめ髪をしているので気になりませんが、髪を乾かした直後の自分が、ホラーみを帯びている。

限界か。

ということで断腸の思いで髪を切ろうかなと思ったのですが、せっかく伸びたしなんか役に立たないのかなこの髪の毛。

と思って検索したところ、
「ヘアドネーション」という仕組みがあることを知りました(スマホって便利)。

髪を寄付して、頭髪に悩みを抱える子どもたちへのウィッグとして役立てる。

なるほど、これや!

ということで、近所でヘアドネーションを扱っている美容院をまた検索し(スマホって便利)、
予約して、バッサリと切っていただきました。
尼削ぎレベル。

魔の一時間も、3年に1回なら割と新鮮な気持ちで過ごせました。

3か月に1回とかは多いわー
過多だわー

わたし、世の役に立つことしてますねん
社会貢献、してますねん…!

みたいな感じを個人的にあまり好まないのですが、これは単純に人見知りの延長にある行為なので、ギリギリセーフです。

せっかくあるから役立てまひょか、という感じであり、
子どもたちのために、わたし3年間我慢したの、あなたたちの為に!
みたいな気持ちはまるっきり無いことを表明しておきます(誰に)。

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