声が小さければ、近寄ればいいじゃない
声が小さい人がいます。
わたしも割と声が小さめだし、基本的に声の大きい人が苦手なので、それはいいのです。
声が大きい人って、声が大きいということだけで論理的でも合理的でもない自分の意見を通そうとする人が多い気がしていて。
大きい声を出せばいいってもんじゃないぞ、と言いたくなるのですよね。
それは置いておいて。
今回は声が小さい人の話です。
声が小さくてよく聞こえないので、周りの人は「え?」って聞き返しますよね。
もう一度言った声のボリュームが変わっていないから、周りはまた「…え?」ってなりますよね。
それでもまだ声を大きくしないから、聞き手はその人に近付きます。
一歩進んでも聞こえないから、更にもう一歩。
最後はその人の口に耳を近づける格好になります。
声を発している人は「なんで聞こえないの?」とばかりに、何回も同じことを言わされて苛立っています。
…
いや
あんたが動けよ
と思ってしまいますね。
声が小さいのは仕方ありません。
声帯の強さは人によって様々だし、さほど音量が大きくなくても声の通る人、通らない人がいます。
車が通りすぎて二人を分けてゆく道の向こう側で「好きだよ」と叫んで夏の扉を開ける人もいれば、地球の真ん中で愛を叫んでも素通りされる人もいるでしょう。
声に限らず、能力が低いのはしょうがないと思うのです。
わたしも、ありとあらゆる能力が人並み以下ですから、人のことを言えた義理ではありません。
でも自分の能力の低さを、人に押し付けるなよ、とわたしは言いたい。
事務処理能力が低くてミスしがちなのもいい、集中力が続かないのもいい。
でもそれを棚に上げて「これじゃ人に伝わらないよ」とか「メールだけ送られても気付かないよ」とか人にばっかり改善点を求めるな、と言いたいのです。
もちろん、周囲も改善は図るべきです。
この人の声は小さい、と認識したら、その人が口を開いた段階で全意識をそちらに傾けるよう心掛けるとか、聞こえやすい方の耳をそちらに向けるとか。
でも、お互い様でしょうよ。
なんで声が小さい当事者のあなたは
何の改善も試みずに苛ついてんのよ
あなたは誰なんだ。
天子様なのか?と思うのです。
パンがなければケーキを食べればいいじゃない。
いや、マリー・アントワネットは、こんなこと言ってないと思うな。
噂が噂を読んだ悲劇だと思うな、たぶん。
でも、声が小さければ、出来る限り音量を上げて、伝えたい人に少し近寄って話せばいいじゃない。
それはそんなに、難しいことではないじゃない。
と思います。
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