予定調和をぶっ壊すと友だちが出来ない
ある日の就業後、更衣室に着くと既に数名の社員がいて、その内の1人が髪を染めた話で盛り上がっていました。
ちょっと赤強めに入れてみたんですけど…
いいんじゃない?似合ってるよ!
でも、ちょっと赤過ぎたかなーって
いやーうちの会社、規定とか無いし
大丈夫じゃない?
いいんですかねー
うん、たぶん
他の人も結構染めてるし
そうですかねー
うーん、でも…
とワイワイしている集団に向けて、
わたしは言いました。
緑のモヒカンとかじゃなければいいんじゃないですか?
モヒカンはちょっと、パンチきいちゃうけど
そういうんじゃなければ何も言われませんよ。
そうしたら皆さん、モヒカン!緑!パンチ!とか言って一瞬笑ったあと、程なくして散り散りに去ってしまいました。
…
また、やってしまった……
こういうときの正解は、こうです。
どうだろうねー
たぶん、大丈夫だと思うけど…
うーん、きっと平気だよー
と、調子を合わせる。
「調子を、合わせる」。
これ。
女子同士の平和なワイワイに「緑のモヒカン」などというパワーワードを投じて、水を差してはいけないのです。
ただ、わたしはこういう「ここで喋っていても決して解は得られない」会話に一石を投じたくなる欲求を、たまに抑えられなくなるのです。
基本、思ったことの97%は表に出さない(つまり黙っている)のに、時々つい出てしまうのですよね。
餅。
餅って、焼くと全体的にぷくーっと膨れてくるけれども、ちょっと固くなっていたりすると部分的に少しだけ裂けて、その隙間からちょろっと出てくることあるじゃないですか。
あの餅みたいに「うっかり」といった体で、たまに出てきてしまうのです。
そうすると
普段黙っているのに
たまに喋ったと思ったら
無駄に尖ってる
みたいな感じになってしまうのですよね。
そして今日もまた、女子の集団からわたしは何となく距離を置かれます。
ずっとそうだった。
あの「解を得ることを目的としていない集団」で、ずっと大人しくしていられなかった。
それでわたしには大勢の友だちが出来なかったわけですが、口を開けばほとんど全部パワーワード、みたいな女友だちが1人出来て、小声でいっつもボソボソ面白いこと言ってる夫と2人で暮らす毎日を送っています。
自分に嘘をつかなかったら、すごく好きな人がそばにいてくれるようになった。
思ってたのとは違ったし、予定調和にすんなり溶け込める人間になりたいと思うこともあるけれども、これはこれで、一つの解の形だなと思うのです。