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シマエナガなら買うと思うな

シマエナガは、かわいい。
それはもう、間違いなくかわいい。

わたしは、動物好きです。

どのくらい好きかと言うと、壁に張り付いたヤモリとか、植木鉢の陰から飛び出てくるカナヘビを見つけるとつい瞳孔が開いてしまうくらい、超絶美形の男子が犬の散歩をしていても連れているパグの方に目がいってしまうくらい、ご近所で生まれた人間の赤ちゃんを見に行くくらいだったらウミガメの赤ちゃんを見に大枚叩いて沖縄へ旅立ちたいくらい、好きです。

当然、雪から顔を出す冬毛モフモフ系の動物たちは皆かわいい。
オコジョ、リス、ウサギ、キツネ…そして、シマエナガ。

最近、と言ってもここ10年くらいでしょうか。
シマエナガ、人気ですよね。

ただ、わたしは思うのです。
観光地に行くと、お土産コーナーがみんなシマエナガグッズになっているのはどういう了見だ、と。

シマエナガのタペストリー
シマエナガのコースター
木彫りのシマエナガ…

どうか、民芸を大事にしてほしい。
伝統の柄を絶やさないでほしい。
大衆に阿らないでほしい。

あちらも商売ですから、人気のシマエナガをモチーフにしたくなる気持ちは分かるのですよ。
実際、シマエナガグッズを身につけている人をしばしば目にするということは、皆さんどこかで購入していらっしゃるということでしょうから。

百歩譲って、シマエナガの生息地である北海道のお土産コーナーがシマエナガ一色になるのはまだ、理解できます。
がしかし、その他の観光地よ、そこにシマエナガは生息していないではないか、君たちはシマエナガとほとんど関係ないではないか、それはただ、乗っかっているだけではないか、と思うのです。

お土産物の本分とは何だ。
地域に誇りを!
土地に愛着を!

…でも、考えてみれば上野にパンダは生息していません。
お借りしてきたパンダを動物園でお預かりしているだけ。

それなのに、あんなにもパンダグッズで溢れている。
パンダ焼きってなんだ?
字面だけ見たらパンダの肉を焼いているみたいじゃないか。

売れてしまうからなのかな。
シマエナガが、パンダが、人気であり過ぎるということなのかな。

それでもわたしは、伝統柄を推したいのです。
数年後には埃をかぶるだろうシマエナガグッズではなく、本物の民芸を見たい。その土地で育まれてきた技術をこの手に取りたい。そして出来れば死ぬまで使い続けたい。

という熱い気持ちを、旅行先で本気の民芸を購入することでぶつけたいと思います。

さ、今日も仕事しよ。

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