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人見知りとセルフレジ

わたしは、人見知りです。
何というか…人間が苦手なのです。
(自分だって人間のくせに)

自分だって人間のくせに、と書いたそばから何ですけれども、わたしは思うのです。

犬の散歩をしたことがある人には分かると思いますけれども、犬同士ってすぐ喧嘩しますでしょ。
ごく稀に仲良し(あるいは性の対象)になる場合もありますが、同じ犬種だろうが関係なく、基本的には敵対か忌避か無関心の3パターンだと思うのです。

なぜ、人間だけが「みんな仲良く」なんて標語を小学校の掲示板に貼りだしてしまうのか。
あれは単なる妄想であって、現実には不可能な話なのではないか。

無理なのに、頑張って「みんな仲良く」しようとするから歪みが生まれるのではないか。
到底達成し得ない売上目標を押し付けられた営業所の空気が、決まってギスギスするのと同じことなのではないか。

通じ合える(ような気になれる)のはほんの一握りで、大半の「なんか嫌な奴」とは触れ合わない方がお互い気持ちよく過ごせることを、人類はそろそろ認めた方がいいのではないか。



とは言え、わたしのような弱小生物が死なずに40余年も生きられたのは、ひとえに「みんな仲良く」を目指す人間社会のお蔭です。
弱肉強食の世界に放たれたら、わたしなんぞは一瞬で死という敗北を期すことでしょう。

だからこそ多少の不便は辛抱すべきであり、例えば人混みが苦手だのスーパーマーケットでレジ打ちの方と相対するのもできれば避けたいだのガタガタ言いなさんな、と思う一方で、特に疲れているときなんかは、やっぱり人と関わるの面倒くさいなと思ってしまうのも確かです。

わたしは人見知りである上に小心者でもあるので、「人にお手数をかけたくない」という気持ちも強めです。

レジ打ちしてくれている方が手にサポーターなんかを巻いていると特に、ああ、牛乳なんて買ってごめんなさい、重かろうに…持ちましょうか?(逆に迷惑)という気分になってしまう。

そんなわたしにとって
セルフレジの登場は僥倖でした。

人と関わらず、会話もしなくていい
人にお手数もご迷惑もお掛けしない

なんて心が軽やかなのでしょう。

しかも、わたしだけでしょうか。
セルフレジには「ピッ」とやる楽しさがありますよね。

子どもが大人の手伝いをして喜ぶような、キッザニアで仕事の真似事をしてキャッキャするような。

そんな感じで、わたしは今日もセルフレジを楽しんでいます。

「ピッ」「ピッ」…バーコードどこだ?
…あ、ここか「ピッ」

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