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読書感想文が苦手な話

「唐突に何を」と思うかもしれないけれど、私は読書感想文を書くのが苦手だ。
ちなみに読書は好きだ。

新型コロナウイルスの影響で自粛生活になってから、すっかりご無沙汰になっていた読書を再開した。
ある日、ネットで本を探していた時、「レビュー投稿してる人たちって、一般人のはずなのにすごくいい感想書いてる…」というリスペクトの気持ちに触発されて、私もスマホアプリに読書記録をつけ始めた。
(何を隠そう、読書管理に使っているのは一時話題になってしまったTrello…。)

記録をつけ始めてかれこれ1年経とうとしているけれど、この前ふと思い出したのが、学生時代何度も書かされた読書感想文だった。

どちらかと言うと、私は読書感想文を〝無難に″上手く書けるタイプの学生だったと思う。
ただ、それは私に文才があったからではない。
「こう書くのが正解!」という、空気を読んで無難に書く能力が恐らく人並みにはあったからだ。

その本を手に取った理由、ざっくりとしたあらすじ、印象に残った場面、その本を読んだ自分の今後の展望…なんとも面白みのない構成である。
私の手にかかると、超名作でさえ平凡な作品であるかのように描写してしまっていたような気がする。

実際、私にとって読書感想文は、夏休みに最後まで残ってしまう課題であり、本の面白さなどそっちのけで向き合わなければいけない苦行であったのだ。
好きだったはずの読書からしばらく離れていたのも、「本を読んだ後は何かしらの感想を持たなければいけない」「本当の本好きなら感想文も書けるだろう」というプレッシャーを密かに感じていたからなのかもしれない。

なんとなく読書感想文に苦手意識があった私も、読書感想文を強制されない大人になった。
それなのに、暇すぎて何を思ったか、冒頭にも述べたように最近読書記録をつけるようになったのである。

書き始めて思ったのは、「あれ、そんなに苦痛じゃない」ということだった。
印象に残ったセリフを書き留めたり、簡単な感想をメモしたりするくらいなので、作業的な負担が少ないから、というのは勿論だろう。
けれどそれ以上に、誰かに読まれることを前提として書かないので、変に気負うことなく率直な言葉で綴ることができるのが一番の要因かもしれない。

かつて無難な読書感想文の生産者であった私だけれど、いつか自分の言葉で、自分の好きな本の魅力を伝えられたらいいな…と思う。

そう言いながら無難なnoteを書いてしまった気もするけど、とりあえずこのあたりで終わりにするとしよう…。

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