櫻島詩子

少しずつですが物書きはじめます😁

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最近の記事

くそじじいに愛を込めて👴21(最終回)

『くそじじいに愛を込めて』 私は介護エッセイが書きたかったわけではなく、 なんとなく 助けを求められない子どもたちに何か伝えたかったのか、 うちの親子関係よりマシだなと思って明日の活力にして欲しかったのか、 ~ハラ~ハラ世代にハラハラさせられてもそこには愛情もあったな、と言いたいのか、 書いているうちにそんな大きな事は出来ない無力さと自分が作品作りをする苦しみと楽しみを味わう愛おしい時間を体感し、 全ての事は大切で 本当は深刻にならなくても良いくらいどうでも良か

    • くそじじいに愛を込めて👴20

      『じじぃの終活ノート』 施設入居の為、実家から父が居なくなり、大量のガラクタ(父にとっては宝物??)を片付けていた時、見つけた終活ノート。 どこかのサンプルでもらっていたのかな? おそるおそる開く 特に延命も残りの人生にも大きな悔いはないと捉えた 細かい事は記載されていなかったが最後のページに目頭があつくなる 連絡してほしい人の欄に自分の子ども(私も含む)全員の名前と生まれた日のみが、書かれていた。 自分勝手で自分大好きな父だと思っていたが人生の半分以上は子ども

      • くそじじいに愛を込めて👴19

        『通販の沼(*_*;』 ご老人(父)は通販好き この現実に直面したのは父が施設入所してすぐの事。 家で過ごしていた頃から実家は段ボールの山 食品や健康器具 何が商品で何がゴミか 片付けようとすると「何でもかんでも捨てないで!」と怒る 誰が片付けるんだよぉと思いつつ 虎視眈々とその時を待つ 父が施設入所した時から私は実家の段ボールや不要品を片付け、沢山残った通販商品は解約し親戚で手分けして消費した。 自分が元気なうちに少しは片付けないと・・ 週末、実家へ行く

        • くそじじいに愛を込めて👴18

          『靴下薄め長め緩め』 麻痺のある身体になってから靴下は緩い物を買ってきてと父によく言われた。 締め付けが嫌なようだ おじいさんの履く靴下に全く興味のない私は「売ってない!」 実際にいつも利用しているあのお店やこのお店にもないからと諦めていた ある日、会社での親睦会で普段関わる事のない部署の方々と御一緒する機会があった。 なぜか介護の話になり同じ境遇の女性が高齢の父の靴下の話をし始めた 父とのやり取り以外、日常でおじいさんの靴下を思い出す事がない私は衝撃と感動を覚えた

        くそじじいに愛を込めて👴21(最終回)

          くそじじいに愛を込めて👴17

          『特養への片道切符』 特養の入居が決まり、今度は衣類や私物にネームタグを縫いつける内職作業が始まる 裁縫は子供がいないので幼稚園や保育園などの持ち物につける経験もなく今まで生きてきた。 情けない・・こともない(どっちだよ・・どちらでもよい) もっと簡単につけられる方法があるのかもしれないが?何度も洗濯をするだろうから取れづらい方法を選ぶ。 いびつな縫い目の衣類などを提出する恥ずかしさを感じながら必需品を持ち込み無事に父は特養での生活をスタートさせた。 半年くらい経

          くそじじいに愛を込めて👴17

          くそじじいに愛を込めて👴16

          『特養受験』 リハビリでどこまで回復するか分からないが老健に入所してすぐに次の所を探す準備も進めた方が良いと施設側から伝えられた やっとこさ辿り着いた老健だったが色々と決められたシステムがあるようだった 金銭的にもうちは特別養護老人ホーム(特養)かな。 受験の感覚で資料を集め見学しに行ったり。 親にしてもらった事をこのような形でお返しするとは・・ 第1希望をまず申し込んだ。 実家からも1番近く、なんたって毎回、電話対応に誰が出ても親切丁寧安心感の方たちなのである。

          くそじじいに愛を込めて👴16

          くそじじいに愛を込めて👴15

          『老健入門』 夏の終わりにジェットコースター並みの急展開 救急病院でリハビリをしたが自ら歩行するには困難で常に誰かの見守りが必要な状態となり老人保健施設へリハビリをしながら宿泊するスタイルにした。 病院から退院し老健施設へ車移動 久しぶりの外出(車移動のみだが) 車内から周りをキョロキョロして見ていた父。 初めての介護サービスを受ける旨を伝え老健側の計らいで携帯電話の持ち込みを許可してもらった。 入所当日の夜、早速父からの電話 「ここは老人ホームみたいだな?」(

          くそじじいに愛を込めて👴15

          くそじじいに愛を込めて👴14

          『いきなりの飛び級』 介護認定を受けてからもなかなか介護サービスを受けたがらない父 「この生活いったいいつまで続くのぉー」と思いながら数カ月 自宅で転倒し起き上がれず救急搬送 2、3日は様子をみるために入院 (搬送された日は思った以上に状態が良くなかったようだった) 数日は仕事しながら介助しなくて良いのか・・少しは休めるか・・な・・ ベッドに寝たきり状態で1ヶ月入院し少しずつリハビリを行いながら家に帰るか施設に入るかの選択が迫られた。 約20年前に脳出血で倒れた

          くそじじいに愛を込めて👴14

          くそじじいに愛を込めて👴13

          『忘れられない夏の終わり』 ひどく暑い日が続いたある年 虫の知らせ?を感じた この夏は暑く1日1回では足りないくらいお風呂に入りたくなる汗だくの日々 また不潔になっているのかなと思い、週1の入浴介助を3日おき2日おきと増やしていった お風呂に入れると喜んで「今日はぐっすり眠れそう」とお礼を言ってくれるようになった 仕事が終わりある日の夜、いつものように実家へ行き入浴介助、洗濯などを済ませた帰り際 「・・10本買ってきて」(とある清涼飲料水)と言われた 数日前に購

          くそじじいに愛を込めて👴13

          くそじじいに愛を込めて👴12

          『久しぶりの来客』 役所へ駆け込んでから介護の入口に立つにはまず介護申請をし身体の状態を判定してもらう事と知り後日、自宅へ診断する方が家に来た 父は家の生活スペースに他人が入ることを嫌がったがこの日は久しぶりに家族以外の人が訪れるという事でソワソワよりワクワクしている様に見えた 人との関わりがもともと得意な父だと私は思っていたのでどうして外に出たがらないのか不思議だったが高齢となり更に半身麻痺のある身体で外に出たくないのと他人に会いたくないのかなとも感じていた 役所の

          くそじじいに愛を込めて👴12

          くそじじいに愛を込めて👴11

          『可愛い!?じじいにも旅をさせよ』 かわいい子には旅をさせよ(令和の時代はどうだろう?)と言うが老人だってそうだ(ひどい娘!?) 年を重ねれば頑固でこだわり強く譲らない(個人差あるか・・) 身体は弱っていくのにデイサービスも受けたがらない(腕の筋力が衰えズボンが履けずお尻半分出てる・・) 介護申請もどこか知らない所へ連れて行かれると思っているのか? その話題を出すと話しを逸らす どうやったら不自由な身体をこの家から少しでも出してあげられるのか?考えたがこの頑固なじい

          くそじじいに愛を込めて👴11

          くそじじいに愛を込めて👴10

          『高齢、独居、身体障害あり』 若かりし日の父を四字熟語で言うと「有言実行」「質実剛健」「勇猛果敢」・・(言い過ぎ) 父の周りには父を頼って沢山の人が居た 年老いてからは夕方、実家へ行くと1人薄暗い部屋で横になって寝ている事が多くなった 親子喧嘩を回避する方法として (正確には冷静な自分を保つ方法)私は介護ヘルパーの人を装った 口調で声をかける 「お身体どうですか?」 「お風呂は何時ころにしますか?」 「今日は帰らせていただきます、 お大事に」なんて 仕事のように 父

          くそじじいに愛を込めて👴10

          くそじじいに愛を込めて👴9

          『紙パンツ』 今や外出先でも和式トイレを譲り合う風潮にある こんなに洋式トイレが当たり前のように浸透したのはいつからだったか・・ 介護とは無縁だった頃、実家は和式トイレだった 「なんで洋式にしないといけないんだ!年寄り扱いするな!」 時々、腰痛を患い観念した父は洋式トイレに変えていた そろそろ介護が必要かなと思っていた頃、介護申請や介護サービスを受ける事に拒絶していた父 せめて紙パンツをはいてくれないか?と誘導してもなかなか首を縦に振らない 普通の人より身体が大きく

          くそじじいに愛を込めて👴9

          くそじじいに愛を込めて👴8

          『お風呂問題』 介助生活10数年経った頃、「転倒が怖い」という理由から1人でお風呂に入らなくなった父。 1度、転倒し骨折したからである。 私が実家へ行った時のみ入るようになった。他の兄弟だと恥ずかしいらしい。ん? 身体を支えて浴槽に入れて背中は洗ってあげその他は自分で洗ってもらい湯船から上がりたい時に呼ばれて浴槽から身体を支えて出し椅子に座らせてあげる・・というような流れ。 だいたい週1。 だいぶ汚れているよね・・身体。 多くて週2。(施設に入ればもっと入れてくれるのかな

          くそじじいに愛を込めて👴8

          くそじじいに愛を込めて👴7

          『御先祖』 実家に仏壇はない しかしお線香をつけお花やお茶菓子を置く場所は設けている 毎週、実家へ行くと炊事、洗濯、掃除にお風呂介助など一通り終えたらその場所で精神統一し家族、親戚の無事や健康を願い御先祖に語りかける (安らかに眠らせてよ、と思われているかもしれない) このような事をやり始める前、父にお茶菓子、お花を用意してお供えしてほしいと頼まれやり方に戸惑っていたところ 「お前はそんな事も分からないのか!」 (省略しているがとある職業なら即、引退!今だめだから、これ

          くそじじいに愛を込めて👴7

          くそじじいに愛を込めて👴6

          あれから長い月日が流れ、 色々な事があったような 悔しい思いをしたような 何度もくそじじいと言っていたような日々でしたが いつしか一生懸命生きてきた父に対し感謝の思いに変わっていきました。 年老いて更に身体障害が残りましたが自宅で過ごしていた時のやり取りを振り返ります。 1人でも笑ってくれたり何か感じてもらえたら嬉しく思います。 (なーんて大袈裟だけど) 『買い物』 元来、私は便通が良い そんな私に「・・浣腸買ってきて」と父からの依頼。 毎週、3箱程買って行かねばならない

          くそじじいに愛を込めて👴6