『さよなら、愛しい人』 レイモンド・チャンドラー 著
やはり、人物描写の表現が面白い。いや、人物に限らず情景描写も会話の展開も面白い。おそらく、ずっと読んでいられる。
人を探す大男マロイとの出会いから物語は始まるが、それは一旦警察に任せる。
それとは関係なくマーロウに探偵としての仕事の依頼がくる。
しかし、その仕事でヘマをし窮地に立たされる。
どうして起きたのか? どうしたらいいのか?
この「さよなら、愛しい人」では多くの小説家が分かりやすく引用されていてシェイクスピアやヘミングウェイ、シャーロック・ホームズやソーンダイクなどを読みたくなった。
そして、今回のマーロウはとにかくアルコールとケガが体から消えることがない。常に多めに体に残っている。
故に、ハラハラさせられっぱなし。
とにかく、今回も言葉選びが気が利いていておしゃれで聞いていてテンポもよく気持ちいい。
これも本を買って言い回しを目でも味わいたいし、可能なら少し取り入れたいと思った。
ラストは全然予想もしていない犯人。だからクライマックスも予想外なものになっている。