『嘘つきジェンガ』 辻村 深月
と長くなったが、3つの物語で語られる詐欺のお話となっている。
「ロマンス詐欺」
純粋がゆえに葛藤し、悩む。こうゆうのってあるな〜と思った。
先輩の頼みでシブシブやらされたり。断ったらどうなるか分からない恐怖。良心的にやりたくないこととの板挟み。
「五年目の受験詐欺」
誰にも相談できないがゆえに悩む。もっと話ができていたら。
もっと冷静になれていたら。と後から後悔する。
高校生になる息子との掴めない距離。
愛情が空回りしたり、愛情で救われたり。
愛情を持って冷静になんてなかなかなれない。
「あの人のサロン詐欺」
人気漫画家の極秘のサロン会。
実は、子供部屋おばさんだったり、それ以上に…。
全てがうまくいかなくなる。今まで築き上げた現実を一発で壊してしまう一撃。誰にも知られたくなかった秘密が晒される恐怖が現実となる。それでも生きていく。
どの物語も共通して感じるのは、秘密がバレることである。
知られたくなかった事実が知られたくない人にバレる。
静かに責められる。声を荒げて責められる。たくさんの人から責められる。
正しいことを言われたら何も言い返せない。
正論は暴力だと感じた。それでも許してもらい生きていかないといけない。責める人も許してもらう人も愛情が根っこにあれば、もしかしたら最後の最後で、ギリギリのところで居場所があるのかもしれない。
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