タウンワークと缶ビール
ワーホリから帰国してから、ダラダラと過ごしているうちに、もう1か月半が過ぎてしまった。時が流れるのは早い。
現在、求職活動中だ。
派遣紹介エージェントから毎日メルマガのようにスマホに届く求人案内をちょろちょろチェックしたり、しなかったり、仕事に応募したり、しなかったり。
こんなスローな調子でやっているので、なかなか事が進まないし、毎日ひまを持て余している。そんな自分にモヤモヤしている。
そんな今日この頃。
・・・
昼間に、母親と外出したついでに、母の用事でデパートに立ち寄った。
母がドラッグストアで用を済ませている間、100円ショップをぶらついていると、店の入口付近に設置された棚にタウンワークが置いてあるのが目についた。求職中の人間には大切な情報源である。一つ手に取る。
100円ショップを退店し、母の様子を見に行くと、まだ時間がかかりそうだったので、ちょっくら食料品売場の酒コーナーをぶらつくことにした。
最近、新発売したアサヒの「食彩」という缶ビールが気になっていた。
酒好きなだけに新発売には敏感だ。
「あるかなあ」と思って、酒コーナーで探していると、置いてあった。
238円。
手に取ってみる。
買おうか、どうしようか。
ビール缶を眺めていると、「平日の昼間から無職の人間が缶ビールなんか買っていても良いのか?」とふと良心の呵責が起こる。
「こういうところから生活が堕落するではないか?」
「こういうところから風紀に乱れが生じるのではないか?」
なんとなく買ったら負けな気がした。
うーん
いやいや
今すぐ飲む訳じゃないしなぁ
言うても、晩酌用だからなあ
ええい、買ってしまえ。
結局、買うことにした。
レジへ行き、店員さんに会計してもらっている間、ぼーっとしていると、ふと小脇にタウンワークを抱えていたことを思い出す。
すると、頭が自動的にこの状況を俯瞰し始めた。
小脇にタウンワークを抱え、昼間から缶ビールを購入している若い男性
、、、
店員さんにはこの光景がどう映るのだろう?
、、、
、、、
うーん
アカンやん。
まさに「ダメ人間」を絵に描いたような姿。哀れみさえ感じる。
でも同時に、妙な趣きがあることに気付いてしまった。
タウンワークと缶ビール
このコンビネーション。
なんとも切ない。
心なしか"人生の儚さ"みたいなものを感じるではないか。
「う〜ん、いとをかし」
妙な情緒に浸りつつ、レジを後にした。